2000.5.7 後楽園ホール

NJKF Millenium Wars 4


石毛慎也 対 狩野卓(上州松井)

3R判定(50-48、50-50、48-48)

 狩野に対する石毛のチャレンジマッチとの位置づけだったであろうこの一戦。しかし、石毛にとっては、後のない必勝を期した一戦だった。5回戦昇格後の初戦、笛吹丈太郎との一戦に敗れた石毛。その後8か月もの間試合が組まれなかった。結果として5回戦昇格後2連敗ともなればその後の試合の保証はない。笛吹戦での内容を観れば、石毛の実力は疑うべくもないのだが、地方での試合と言うこともあってインパクトは薄い。まさに今回の試合が背水の陣だったのだ。
 しかも石毛慎也という男は、「強くなるための一手段」としてキックをやっているのであって、キックボクシングという競技にこだわりがあるわけではない。まだ20歳。「この試合負けたらどうせ試合が組まれなくなるな。負けたらボクシングにでも転向しようかな」と口にしていた。自分を追いつめる意図も含まれていたと思うが、石毛の性格上あながち非現実的な話ではない。

 (以下後日ビデオ鑑賞)

 1R。狩野のミドルに対し、石毛はローを返していく。互角の展開。身内にしてみれば「このくらいやるだろう」という当然の展開だが、狩野の圧勝を予想していたであろう場内は異様な熱気に包まれる。
 3Rヒザで前に出る狩野。石毛はアッパーを狙っていたのか首相撲には付き合わない。しかしこれがヒザを食らっている印象があり、あまり印象がよくない。
 4Rから石毛のパンチ、ローが徐々にヒットしだす。5Rは石毛がペースを握る。石毛のパンチがヒットするたび場内が沸く。
 そしてゴング。狩野は「負け」を覚悟したのか、判定を聞く前にリングを降りようとし、セコンドに阻止される。結局判定はドロー。やはり中盤ヒザをもらった印象がよくなかったか。

 しかし、この試合の主役は間違いなく石毛。株を急上昇させたことは間違いあるまい。「北星に石毛慎也あり!」を強烈にアピールした一戦だったであろう。

野崎勇治 対 笛吹丈太郎(大和)

1R無効試合

 1R開始早々、パンチで突っかける笛吹。野崎はロー、首相撲からのヒザで応戦。そして1分過ぎ、前に出てローを狙った野崎の頭と、右ボディーフックを狙い踏み込んできた笛吹の頭が激突。笛吹が倒れ戦闘不能に。一時レフェリーが野崎の勝利を宣告したが、後ほど無効試合に訂正された。

【追記】
 玉城良光興行部長によると、今までのNJKFのルールだと、偶然のバッティングによって一方が試合続行不能になった場合、続行不能になった選手が敗者になるということだったらしい。それがつい2週間前「このルールでは絶対にもめる」ということで、無効試合にしようということに決定?したらしい。そのことをレフェリーに徹底する前に今回の事態になったため混乱を招いた。したがって、多賀谷レフェリーに罪はないとのこと。

※本人の能書きはこちら

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