8月7日 【みちのくひとり旅(7月24〜28日)

 今年に入っての3連戦(でも2無効試合)で身も心もヘロヘロになっていたあたくし。キック以外でもねえ、いろいろ疲れるんだわ、社会人って奴は。あ、男って奴もね。
 そこで会社の夏休みを早めにとり、いざみちのく路へと旅立つことに決めたというわけ。というわけで、みちのくひとり旅道中記。「ここで一緒に死ねたらいいと〜〜♪」‥‥なんて思わんけどね。

 ちなみにこれまでの夏休みは、生来の出不精に加え、だいたいきまって試合があったのれす。夏休みには減量していた記憶しかない。なんという試練! なんという不幸! これはもう、ここ数年の分まで遊ばなならん。
 と一念発起して準備したのは、青春十八キップと時刻表。後は行き当たりばったりで行動するJ!

 さて、出発前日、遠足前日の小学生のように寝付けなかったあたし。そこで「プロ野球チームをつくろう」でリリーフエース・野崎勇治を育てていたら朝5時になっちまった。
 ここで寝て昼間に起きたらどうせ「出発は明日でいいや!}となることは目に見えている。眠いが、そのまま出発することにした。
 朝6時前の常磐線で上野に向かうが、車内すでに満員。「なんなんだおめえら。こんな朝早くから何すんだよ!」と思ったが、よくよく見るとみなさんスーツ。ああそうか、他の労働者諸君は今日も勤労するわけね。しかも、こんな朝早くから。ごくろうさんです。

 というわけで、妙な優越感を抱いた着いた上野駅。午前6時10分発、??線の黒磯行きに乗り込んで、いざさらば、東京シティー。
 そして、乗車すること数時間。ふと車外を見渡すと、!!!!。この桃源郷のような駅はなんだ???

素晴らしい駅だJ

 こんなファンタスティックな駅があるとは知らなかった。オレ様の高名も、駅名になるほどだったのか。降りて散策したい誘惑にかられたが、明らかに何もないクソ田舎だったので、先を急ぐことにした。

 昼飯を食った福島も、駅前なのになんもない田舎だった。
 当初はそっから会津方面に北上する予定だったのだが、神のお告げで仙台に。
 仙台。そう、仙台青葉ジムの仙台。青葉繁の仙台。ヤンガー舟木の仙台。疑惑の判定の仙台。過去2度、わしはここ仙台で試合をし、いずれも押していながら、疑惑の判定で引き分けにされた、そんな悪霊の住む町。これはこの機会に厄払いをしておかねばならん。

 寝床を決めると、早速、夜の仙台に繰り出した。が、仙台でけえ! 名古屋よりずっとでけえな。あそこは遊ぶとこなんもねえとこだからな。思わぬ仙台の都会っぷりに圧倒され、悪霊退治は置いといて牛タン食うことにした。本屋で立ち読みして「有名」だという牛タン屋を発見。
 が。
 たしかにうまい。舌がとろけるようだ。しかし、店員の気合いのなさが気にくわん。その覇気のなさといったら、大谷浩二を前にした青葉繁のようだ。むかついたわしは、牛タン3人前と生ビール3杯を胃に流し込み、さっさと店を後にした。やはり悪霊の住む町、仙台。
 その後、二軒目を探すが、めぼしいところが見つからない。おまけに「徹夜ドリームキャスト」(略称「徹キャス」)の疲れが今になって出てきた。さっさと寝床に帰って、一日目、とても地味に終了。

二日目。
「海が見たい」
 朝起きると、ロマンチックにそう思ったあたし。そういえば、仙台のそばには、日本三景・松島がある。早速、松島へ。
 しかし、着いたはいいが、別にただの海だ。こんな景色が美しいか? 海はきたねえし。センスのない遊覧船を見て、さらに不愉快。10分で松島を去る。

醜悪だ!
金の無駄だ。無駄。

 海がダメなら山だ。山と言えば温泉だ。…とわしが向かったのは鳴子温泉。こけしが名産(らしい)の温泉街だ。
 そこで1泊2食つき6500円という安宿(国民宿舎)をキープ。早稲田の学生が掘り当てたという別にありがたくもない理由で有名な温泉につかる。
 晩飯は、安宿で。既に酔っぱらっているおっさんに話しかけられる。このおっさん足立区から来たらしい。大人なわしは話に付き合う。すると、おっさん、「飲みに行くかい?」と閑なわしに嬉しい一言。人通りのない温泉街を抜け、スナック「乾杯」に。
 そこのママからの「いかに景気が悪いか」という話を肴に、午前様。

三日目。
 北上して、新庄市。パソコン使い放題の駅の情報広場とやらで久々にネットに接続。最初タッチパネル式のパソコンだったのでキーボードがなく、ヤフー経由でキックサイトを巡回する。すると、な、なんとアントニオ下関のホームページがヤフーに登録されとるやんけ。わしが何回も申請してもちっとも登録されんのに。うん、ジェラシー。
 ここでも、雑誌を見て「おいしい」と評判のラーメン屋で昼飯を食うが、柴又駅前の立ち食いそば屋のラーメンのほうがうまく(ホントにここうまいんよ)、がっくし。
 そっから一路山形へ。山形では「庄内湾の旬の魚が食える」という店へ。「男山」を味わいながら、海の幸三昧。こりゃよかったすわ。親父も高倉健と三田村邦彦を混ぜ合わしたような、ナイスガイ。おいしうございました。

四日目。
 東北いうたらここは外せん。ラーメン処・喜多方へ。いろいろお店はいっぱいあるが、とりあえずチャーシューいっぱ〜いで有名な坂内食堂がお約束。地図で見るとすぐだが、これが結構歩く。歩くこと15分。ようやく見えてきた坂内食堂の看板。
 しかし。。。。

 ふざけんな!

 気を取り直して、ここも名店の誉れ高い「あべ食堂」へ。う〜ん、まあまあだったかなぁ。
 この店でわしと一緒のテーブルになったお兄ちゃん二人が話しかけてきた。

「地元の人ですか?」
「いや東京から」
「ああ、東京からクルマで?」
「いや電車」
「何軒目ですか?」
「一軒目」
ぼくらはきょう5件まわる予定なんすよ」
「そうっすか」
「またどっかの店で会いますかね?」
「そうだといいですね(そんなわけねえだろ!)」

 と熱い会話を交わした。
 よく見ると、満員の店内はみんなガイドブックを持っている外様。外の人通りは無茶苦茶少ないが、たまに歩いている人はみんなラーメン屋めぐっている様子。ホントラーメンしか取り柄のない街だと実感。
 二軒目は「大安食堂」。横浜のラーメン博物館に入っているみたいだから有名なのだろう。ここのラーメンが一番、わしの舌に合ってたかな? おいしうございました。
 30分休憩して3件目、「まこと食堂」。ここが一番超満員。座敷に座って注文待っていると、わしの肩を叩くものがいる。振り向くとゲゲゲ!!! さっきあべ食堂で会った兄ちゃんたちだ。ありゃりゃどうも。世の中というか、喜多方は狭いっすなぁ。
 
 そんなこんなで、一路会津若松に。一泊6000円で大展望風呂がある!というお得なビジネスホテルに宿泊。早速、大展望風呂とやらに行くと。。。。タイルはボロボロ。水が循環してないので、泡が浮いてる。おまけにぬるい。2分で退散。
 気を取り直して、地鶏と地酒がおいしいという店へ。ここはうまかった。おっさんも気さくで雰囲気もいい。
 その雰囲気の良さからか、隣に座った年齢不詳女性三人組に逆ナンをされてしまった。
 帰るときに「これからヒマ?」って言うから連いていったら、その一味のおばはんがバイトをしているというスナックへ。松山千春を歌わされ、帰ってきました。

5日目。
 なんか疲れた。「帰るべか」と帰る。以上。

 別に何と言うことはなかったが、何もないわけではなかった5日間。9月24日には、わしの秘密兵器・みちのくキックが火を吹くことだろう。乞うご期待。


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