ウツギ (空木)

ユキノシタ科 ウツギ属  (Deutzia crenata)

   山野に多く見られるが、低木で下部から枝分かれする性質や、6月の初旬に枝の先端に円錐花序を出し白い花を付けるなどから、生け垣や庭木としても植えられている。
別名 “卯の花(ウノハナ)” として親しまれている。

 小学生唱歌で親しまれた“ 夏は来ぬ ”には、 卯の花匂う垣根に ホトトギス早も来 鳴きて・・・・・と唱われている。この歌を聴くと懐かしい故郷の情景がよみがえってくる。
 花には匂いはないが、初夏の美しい緑の葉をバックに群れて咲く卯の花の風情を、『匂う』 と作詞者には感じられたのであろう。 古くは“匂う”はあふれ出るような美しさを表す言葉として使われた。

 幹が空洞であることから空木と呼ばれている。
2〜3年経った幹を切り取り、木口を割りここに剥いだ皮をリードとして差し込む。低い落ち着いた音色の笛が出来上がる。

 空木の仲間以外にも、スイカズラ科の “ツクバネウツギ” “ハコネウツギ” “ニシキウツギ” などウツギと呼ばれている低木がある。
これも幹が空洞であることから名付けられた。花を観ると異なった形状をしているので別の科の植物と識別できる。

 最近は、生け垣や街路樹の下などには “ハナゾノツクバネウツギ” が多く植えられるようになった。これは花期が5月〜11月と長く、次々に花を咲かせる性質からであろう。


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