春からバケツで育てたお米が収穫が出来ました。努力が実りよかったですね。
皆さんが食べているお米は農家の人が田んぼで苦労をして育てているのです。日本中の人が毎日食べるのですから、沢山のお米が必要になります。郊外にでかけたとき、畑や田でどのように稲や野菜などの作物が作られているかを見てみましょう。
農家の人が仕事をしていたら、作物をふんだり仕事の邪魔をしないように気を付けながら、見学したり質問してみましょう。親切に教えてくれると思います。
刈り取ったわらで皆さんといっしょに“縄をなう”ことになり楽しみにしています。まず稲やその仲間の植物のことやわらでどんなものが作られるか調べてみました。
すこし難しいかと思いますが読んで下さい。
1.稲とその仲間 ・・・・・ イネ科の植物
稲はイネ科というグループの植物です。イネ科には沢山の種類の植物があり6,000種ほどが知られています。この中で作物に適したもの選び、品種改良をしながら作り続けてきました。
(1)イネ科の作物
①稲
うるち ・・・・・ ご飯に炊く。 もち ・・・・・ 赤飯や餅にする。
と含まれるでんぷんのが異なる種があり、お煎餅やだんごの原料にもなります。
東南アジア原産で暖かいところで栽培され、春に種をまいて秋に収穫します。
②ムギ ムギにも種類があり、小麦・大麦・燕麦などがあります。
小麦 ・・・・・ パンやうどん、お菓子、スパゲティなどの原料となる。
大麦 ・・・・・ 主として家畜の飼料。ムギご飯としてご飯に炊き込んだり、麦茶にしたりする。 ムギは西南アジア、コーカサス地方が原産。
比較的涼しい地方で栽培され、秋に種をまいて初夏に収穫する。
③トウモロコシ、キビ、ヒエ、アワ
④サトウキビ 穀物としては利用されないが、砂糖の原料になる。
このように穀類の食糧や飼料の大部分はイネ科の植物です。
人間はイネ科の植物を食べて生きているとさえ言えます。 また、小鳥や小動物の食べ物の多くも野原に生えるイネ科の植物の種です。 ・・・・・ イネ科の植物に感謝!
イネ科以外の穀物としてはソバ(タデ科)とマメ科の大豆、小豆、ピーナツがある。
また、竹や笹も稲の仲間でイネ科の植物です。・・・・・ えっ!信じられない。
イネ科の植物には似ているところが沢山あります。花はシベだけできれいな花びらはありません。 花粉は風に運ばれるので虫を呼ぶ必要がないからです。
また、茎に節があり、中空(ストロー状)になっているものが多い。 ジュースを飲むときに使うストロー(straw)とは麦わらという英語です。
2.わら(藁)から作られるもの
(1)わらって何だろう ・・・・・ 稲やムギの茎を干したものをわらと言います。
稲のわらを稲わら、ムギのわらを麦わらと区別しています。少し性質が違います。
(2)稲わら
①昔から生活に必要なものをわらで作ってきました
・縄 ・・・・・ ものをしばったり、縄跳びで遊んだり、泥棒をつかまえるのにも使いました。
・履き物 ・・・・・ ぞうり、わらぐつ、わらじ
・入れ物 ・・・・・ 俵、かます お相撲の土俵は土を入れた俵で作るので土俵と名前が付いたようです。
・ものを包む ・・・・・ こも(こもかぶり:こもで包んだ酒樽)、わらづと(納豆などを包むもの)
・敷物 ・・・・・ 畳、むしろ、わらぶとん
・お祭りや儀式に使う ・・・・・ しめかざり、横綱がつける綱、わら人形
・紙 ・・・・・ わら半紙
わらで色々なものを作りますが先ず縄をなって、縄とわらを編んだり、織ったり、綴じたりします。
②家畜の飼料 ・・・・・ 干し草と同じように馬、牛、羊などのエサにします。
③堆肥にする ・・・・・ わら細工に使ったものも含めて最後は堆肥にします。
土の中にいる“ミミズ"などの虫が食べたり、菌類が分解して肥料となり作物を育て土に帰ります。 これを自然循環と言います。
(3)麦わら 中空で軽くすべすべしているのが特徴です。麦わら帽子、虫かご、ストロー、そしてわらぶき屋根の 材料になりました。
3.きれいで丈夫な縄にする
色々な用途に使うには、きれいで丈夫に作りたいですね。次の点に注意すると良い縄がなえます。
(1)準備段階の作業をしっかりする
①鞘葉や葉をきれいに取り除く
②入念にわらを打つ
(2)二本のバランスをとって撚る
①太さ
②撚りの強さ
(3)強く撚る
(4)なった後ではみ出したわら屑をハサミで切り取る
4.縄の応用
古代から縄を種々に応用してきました。縄文式土器では飾りに縄模様を付けていました。セーターなどの編み物にも縄の模様を付けたものを見かけます。応用として古着の布を裂いて藁の代わりに使って縄をなうこともできます。
色々な色や模様を組み合わせてなうと、とてもすてきな作品が出来ます。是非試み て下さい。
5.環境(地球)に優しい自然材料
30年ほど前まではしばったり、包んだりするものをわらや麻など自然の材料で作りました。最近では化学繊維やプラスチックに代わってしまいました。
プラスチックは軽く丈夫で美しくしかも、安く作ることが出来るからです。でも大きな問題があります。
プラスチックには体に悪いものを含んでいたり、ゴミとして土に埋めても、いつまでも腐らずにそのままで、ゴミ処分場が直ぐにいっぱいになってしまいます。プラスチックは虫が食べず、菌類も分解できません。自然循環で土に帰らないのです。これでは地球はどこもごみ捨て場になってしまいます。
また、焼却場で燃やすとダイオキシンなどの猛毒の物質が出るものもあります。
ものを直ぐに捨てないで大切に使い、リサイクルしたり、少しばかり使いにくくても
自然の材料で出来たものを使いましょう。
自然の材料で作られたものは使う人の体によく、環境にも優しいのです。 |