学校の庭にカブトムシを呼ぼう

ビオトープ作りの一環としての取り組み
・・・・・ 校庭の北側など、余り使われていない一角を利用します
 
  最近ではカブトムシやクワガタなどの昆虫はお店で売っているものになっています。
カブトムシやクワガタは日本の原風景、雑木林を中心とした里山の環境にみごとに適合して生きてきた昆虫です。ホタルやトンボも水田を中心とした里山の生物です。
 少し前までこれらの虫は子供達にとって遊びの相手として、自然を生態系 ・・・・・・ さらに生物の
一つの種としての命の不思議を体験し人間と社会を学ぶ相手であった。(虫達にははなはだ迷惑であったのだろう、しかし人の手で維持されている里山の自然が彼らの生活空間として絶好であった)
 人とこれらの昆虫は共生関係にあったのです。近年の乱開発や多量に使われる農薬によってこれらの虫達は生きる場所を失い、子供達は遊びや学びの相手を失ってしまった。
いや、奪い取ってしまったのである。

 ささやかな規模ではあるがカブトムシに代表される昆虫の棲息する環境を取り返し、子供達にプレゼントしたい。
カブトムシの幼虫のための場所を単独でも良いし、タイトルにあるように野草の生える空間、池を配して水生植物を呼び戻せば、バッタ・コオロギなどの陸生の昆虫、トンボなどの水生昆虫なども合わせた本格的なビオトープを目指すことも可能である。

1.雑木林での飼育実績
    狭山緑地で過去8年間、雑木林のなかでカブトムシの幼虫の住みか作りを作ってきました。
ここでは数は少なくなっていましたが、カブトムシやクワガタが生き残っていました

  秋から下刈りをした小枝や下草を木材で周囲を囲み、40〜70センチ程の高さに積み上げます。翌年のカブトムシの産卵時期の8月には発酵が進み1/3程までの高さになり、下の方はすっかり堆肥に変わっていました。
 秋に様子を見るために、一部掘り返してみました。カナブンやコガネムシなどの幼虫と共にカブトムシの幼虫が大きく育っていました。

 予想通り親のカブトムシがこの場所を見つけ産卵していたのです
 以後、秋になると下刈りをした草や小枝を少しずつ積み増しています。この様な作業により何時までも幼虫の食べ物と棲みかが確保され、夏には沢山のカブトムシが巣立っていきます。

2.校庭での実施
  ☆ 方法
  ・一辺が2メートルほどの場所を選び板やブロックなどで囲いを作る
  ・校庭の落ち葉や剪定枝、刈り取った草などを積む(夏から晩秋)
  ・市販の飼育箱に腐葉土を入れて、つがいのかぶと虫を飼うと産卵する
   10月中旬になると幼虫は2〜3センチに育っているので、飼育場の腐葉土に穴を掘り、
   腐葉土ごと移してやる。
  ・カブトムシの産卵期に積んだ落ち葉の上に篭や水槽などを逆さにして伏せ、
   中に何組かのつがいのカブトムシを飼う ・・・・・・ 産卵させる
   カブトムシの行動範囲から雑木林から離れた校庭に自然にカブトムシが飛来し
   産卵することは期待し難い。
  ・このままに放置すると初夏には蛹となり、カブトムシが誕生する。
  ・蛹になる前に(5月)一部を掘り出し、飼育箱に入れて教室で飼うことも可能

3.更なる広がりの可能性
   カブトムシを飼いながら、種々な家庭から出るごみも埋め、それが分解して虫のエサになる様子を観察できる。
 プラスチック類などは分解されずにいつまでもこのこり、簡単には処理できないことも分かる。
  その他種々な事が観察、体験できる。

  コナラやクヌギなどが小規模ながら残って林を形成している場所は多くある。
しかしながら多くはカブトムシは棲んでいない。それは、人が入り林床の植物を踏んで枯らしてしまい、土も踏み固められている。これでは落ち葉が留まることが出来ない。
 学校の庭でやったように人が少し手を貸してやることにより、再びカブトムシが棲息できる環境が出来るように思う。

  
大きく育ったカブトムシの幼虫
コナラの葉やドングリと比べて大きさを判断して下さい

寒くて可哀想に思ったが2月下旬に掘り起こして見た
直ぐに元に戻してやったのでご安心を!


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