小鳥の巣箱を掛けよう
1.巣箱を作る
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☆ 巣箱の大きさ 利用する小鳥によって巣の大きさが異なります。従って巣箱も好む大きさに作ることが必要です。小さすぎては使えないことは直ぐ分かりますが、大きすぎると敵に襲われる可能性が高くなるので、好まれません。
ここではシジュウカラを対象とした大きさの巣箱を作ることにします。
☆ 材料
巣箱の構造と寸法 |
杉板
巣箱を作る板は杉が最も良いと思います。杉板はどこのホームセンターでも入手が出来、柔らかいので加工が楽で、軽くて耐久性があります。
板厚は1p前後のもので、鉋掛けなどで表面を滑らかにしたものでなく、製材し放しでざらざらとして自然に見えるものが小鳥に好かれるようです。
杉板の大きさは右の構造図を見て下さい。
その他、釘、針金(引っかけ金具)、蝶番、シュロ縄など
☆ 作る
寸法と構造図を参考に杉板を切り、釘で組み立てて下さい。屋根の取り付けは蝶番で取り付け、がたがたしないように側面を留め金を引っかけて固定します。
これは雛が巣立ってから巣箱を清掃するためです。
隙間から雨水が入らない様、出来るだけ少なくなるように「イ」と接合をします。
また、中に水が溜まらないように底板「ヘ」の四隅には排水用の穴(直径3〜4o)を開けておきます。
出入り口の大きさが最も大切でシジュウカラでは直径「2.8p」にします。
「イ」の四隅の穴は巣箱を取り付けるシュロ縄を通すもので、直径8o程度の穴を開けます。
出入り口の近くに止まり木などを付けたくなるが、蛇など敵の侵入の足がかりになるので付けないこと。 |
2.巣箱を掛ける
| 巣箱を掛ける時期 巣箱を掛けるのは12月〜3月といわれていますが、出来るだけ早い時期に掛けてしまうのが良い思います。
巣箱を掛ける |
かける場所 地面から3メートル以上の高さ 周囲に枝がなくて見通しがよいこと 枝があり見通しが悪い場所は殆ど利用されない。特に前方
枝を伝わって蛇などの敵が侵入しやすくなり、危険が迫ったときに逃げにくくなるためではないかと考えている。
幹に直接掛ける 幹は垂直よりやや巣箱の方に傾いでいる場所
上部の幹が屋根のようになり、雨水が巣箱に入りにくい。
近くに掛けない
多くの小鳥が子育て中は縄張りを作るので、一つの縄張りの中に複数あっても利用されない。
以上のことは雑木林に沢山巣箱を掛けて、巣箱の利用率を調べた結果から得られたものです。
シュロ縄でしっかり固定する
針金やプラスチックの紐で固定されていることが多い。しかも、自然保護のイベントとして巣箱掛けを行い、後は放置されている。
やがて木が生長し、針金や紐が幹に食い込んでしまう。 こんなことを防ぐために自然の繊維で作られたシュロ縄を使う。例え放置されても2〜3年も経つとシュロ縄は弱くなり幹に食い込むことはない。 |
3.小鳥を観察しよう
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3月の下旬になると春の到来を感じて小鳥達はカップルの相手を求めてさえずりを始めます。東京近郊ではシジュウカラのさえずり「ツッピー、ツッピー」が聞こえます。住宅地ではアンテナや電線に止まって!
シジュウカラ |
そして、皆さんが掛けた巣箱がきにいったら地方やその年の気候によって異なるが、4月になると巣作りが始まります。
シジュウカラは3週間も経ち新緑が濃くなる時期(餌になる虫が多くなる)になると、雛が誕生し旺盛な食欲を満たすために餌探しで大忙しとなり、さえずりは聞こえなくなります。
小鳥の成長は早く更に3週間も経てば、巣立ちを迎えます。数羽の雛鳥(見かけは親とそっくり)を含めた家族で木から木へと渡りながら餌探しです。
耳を澄まして聞いていると、親鳥は低い種々な鳴き声を出して子鳥たちに話しかけています。「こちらに虫が居るよ」、「かってに遠くに行っては駄目」、「次の木に行くよ」などと言っているのではないでしょうか。
上空をトビが横切ったり、カラスが近づくと急に声が高く大きくなり「ツッピー・ジジジ、ツッピー・ジジジ」と警戒音に変わります。ざわついていた子鳥は一斉に枝陰に入り静かになります。
皆さんも少し離れた場所で、静かに観察してみましょう。 |
4.巣箱を点検、掃除しよう
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使用状態の調査
11月になったら巣箱を下ろして、使用状態の調査をしよう。 アシナガ蜂やスズメ蜂が巣箱の中を占拠していることがあり、刺される危険があるので蜂の活動が終わった冬に行います。
シジュウカラの巣 |
使われていない場合、掛ける場所を変えてみることも良い。
巣の材料は何でしたか。 シジュウカラは近くで得られる材料を用いるようです。
雑木林ではコケを多く使っています。その他杉の皮や細い枯れ草等です。
巣箱の掃除、修理
古い巣は取りだして捨て、溜まっているゴミを払い、壊れ掛かっている個所があったら補修をしてかけ直します。
使った痕跡のある巣箱は同じ場所に掛けます。 |
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