クズ(葛)

マメ科 クズ属 (Pueraria lobata)

 山野のいたるところで見ることの出来る、大型の蔓状の草である。 葉は3枚の複葉で大豆やクローバーを大型にした形状で20センチを越える。 蔓は旺盛に伸び、数メートルの木を被ってしまうことも多い。
 花は紅紫で房状で房の下の方から咲き8月〜9月と長い。
 茎の下部は木質化し、根は太くて大きい。根にはでんぷんを多く含み、くず粉として利用されている。また、根は漢方薬の原料、葛根としても使われている。

 葉や茎はやや硬いが、草食の家畜の好物であり、栄養価が高い。我が家では数羽のウサギと搾乳のための山羊を飼育してた。これらの家畜の世話は小学4年生の頃から 任されていて、学校から帰ると餌の草刈が日課であった。田畑の畦の草が不足すると、近くのJR・大糸線の土手に多量に生えている葛を刈りに出かけた。 冬季の保存飼料としても貴重であった。

 終戦後で貧しい時期、子供も家の手伝いをするのが当たり前であった。今でも勢いよく茂った葛を見ると当時のことが懐かしく思い出される。


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