植物分類上の竹と笹の位置づけ

  竹と笹の分類状の位置づけを調べてみました。竹と笹はイネ科に属しています。イネ科の代表的な植物として麦や稲があります。
麦の茎はストローといって中空で節があります。竹や笹も中空で節があり、同じ仲間であると納得できます。
  え、ストローってジュースを飲むときに使うプラスチック製のチューブのことでしょう。
プラスチックが使われる前には麦わら(ストロー・straw)を使っていたのです。


☆ 種子植物門に分類
 すなわち種子を付けそれによって増える植物の仲間である。竹の花、まして種など見たことがない!と思われる。私も見たことはない。花は滅多に咲かず、咲けば枯れてしまう。
さらに裸子植物亜門、被子植物亜門に分けられる。

*裸子植物亜門
 胚珠が子房に包まれず、裸出していて胚珠が直接受粉する。ソテツ科、イチイ科、イヌガヤ科、マツ科、スギ科、ヒノキ科の植物。

*被子植物亜門
 被子植物亜門は更に双子葉類離弁花類、双子葉類合弁花類、単子葉類に分類される。竹は単子葉類のイネ科に分類される。

◎ イネ科 GRAMINEA
 イネ科は世界に広く分布し、約700属、6000種ある。この中でタケ(竹)やササ(笹)の仲間は、約45属、670種あり、熱帯から暖帯に多いが、一部温帯や亜寒帯にも分布している。タケ・ササ類の茎は稈(かん)と呼ばれ、木質中空で多年生。
 葉は細長く、茎を包む筒形の葉鞘[ようしょう]に続き、葉鞘の先端には肩毛と呼ばれる毛状の突起のあるものが多い。葉脈は平行脈と横脈があり、格子状になるものが多い。

 花はめったに咲かないが、 1度開花すると枯れる。2個の芭頴[ほうえい]に包まれた小穂(しょうすい)に数個の小花がつく。小花は護頴[ごえい]と花頴[かえい]に包まれ、花被の退化した鱗被2〜3個、雄しべ3〜6個、雌しべ1個がある。
 花と言ってもイネ科の植物は花粉の運び屋に風邪を選んだ、このため昆虫を呼ぶ必要はなく美しい花弁や匂いや、密を出す機能はない。質素というかシンプルな構造をしている。
 通常、たけのこが生長したあと、稈鞘[かんしょう](たけのこの皮、竹の皮)が早く落ちるものをタケ、長く残って稈を包むものをササと呼ぶ。

○ 竹・笹の仲間
 竹・笹の仲間は マダケ属、ナリヒラダケ属、トウチク属、オカメザサ属、ササ属、アズマザサ属、ヤダケ属、メダケ属、カンチク属、ホウライチク属の10属から成っている。竹とんぼの材料として使う竹は『マダケ』、『モウソウチク』であり、いずれもマダケ属。

○ マダケ属

● マダケ Phyllostachys bambusoides <真竹> 別名/ニガタケ〔多年生常緑竹〕
 北海道を除く各地に広く植栽されている。中国原産といわれるが、日本自生説もある。稈は高さ10〜20メートル、直径5〜15センチで、節の環は2個。節間は長さ20〜40センチで片側にはっきりした溝がある。
 筍は5〜6月に出て、苦味があるが、食べられる。皮はほぼ無毛で暗紫褐色の斑紋がある。葉はやや厚く、長さ8〜12センチンの披針形。葉鞘の先端の肩毛は開出する。葉舌は切形。竹材の用途は広く、皮は物を包むのに使う。中国原産

● モウソウチク  Phyllostachys pubescens <孟宗竹>   〔多年生常緑竹〕
 江戸時代中期に薩摩藩に渡来したといわれる。稈は普通高さ10〜20メートル、直径8〜20センチで、節の環は1個。
 筍は4月にでて太く、食用にする。皮は黒紫褐色で粗毛があり、先端に開出する肩毛がある。枝は節から2個ずつでる。葉は枝先に2〜8個つき、長さ4〜8センチの披針形でやや薄い。葉鞘は無毛で肩毛は早く落ちる。葉舌は山形。 中国原産


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