開(咲)かない花、閉鎖花
 

  花は美しい花を開かせ、良い匂いと甘い蜜で虫を呼び、虫に花粉を運ばせて受粉し、種を実らせる・・・・・・・虫媒花はこの様な営みを繰り返しています。
しかし、蕾を付けても開かないまま、自家受粉(自分の花粉で受粉する)し、種を実らせる植物があります。
  身近な植物のスミレも閉鎖花を付けます。えっ!スミレは早春に綺麗な花輪咲かせているよ、と思われる方が多いと思います。
実は、早春だけ花を咲かせ、他の個体の花粉で受粉して遺伝子を交換します。
しかし、スミレは初夏から秋まで花を付け続けます。自然の中で夏や秋にスミレの花を見たことのある人はいないと思います。

  この時期の花は閉鎖花と言って開かない花なのです。花を咲かせるよりも閉鎖花のまま自家受粉した方がエネルギーが少なくて済み、効率的なのでしょう。
効率的に沢山の種を作り、子孫を増やそうとしているのだと思います。遺伝子の交換は春だけにして、同じ遺伝子の種を沢山作った方が競争優位性があると選択したのでしょう。

  その他に、雑木林の縁に生えるセンボンヤリも同じに閉鎖花を付けます。

スミレの閉鎖花と種


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