林の縁など日当たりの良い場所で低木につるを絡ませて、秋に5~7センチの赤く熟した実をつける。種は1センチほどで、玉ずさ(結び文)と呼ばれ、カマキリの頭に似ている。葉は特徴のある濃緑色をしている。根には、サツマイモのような巨大な球根があり、澱粉を蓄えている。
葉や茎の様子は『コナラ』に紹介した幹の写真に写っているので参照されたい。
ウリ科の多年草で雌雄異株(しゆう・いしゅ)・・・・雌と雄が異なる個体の植物、キュウイ、イチョウなど・・・・の植物。当然、秋になじみの実を付けるのは、メスの個体。
開花期は7~9月。実は知っている人が多いが、レース飾り付きの白く見事な花はあまり知られていない。 これは花が日が暮れて暗くなる夜の8時頃に開花し、翌朝日が昇る前に萎む一夜限りの命のためである。 花の大きさはレース飾りを入れると7~8センチになり、美しく、ジャスミンに似た芳香を漂わせて虫を誘っている。
まるで貴婦人が白いレース飾りの付いたドレスで着飾り、お気に入りの香水をつけ、夜のパーティに出掛ける様子を想像させる花である。
1年草は枯れ、落葉樹は葉を落として淋しくなった、晩秋から冬にかけカラスウリの出番がまたやってくる。夏は清楚な白いドレスを着飾っていた淑女が、真っ赤なコートを纏って登場する。
花は夜間にのみ開くので気付かない人も多い。しかしカラスウリの姿に気付かぬ人はよほど感性が乏しいのではないかと思う。 冬の低くなった太陽の光を横から受けて輝くカラスウリを見ていると、寒さをしばし忘れてしまうほどである。
|