輪ゴムシューター
 

輪ゴムを飛ばして遊ぶ
  輪ゴムは利用範囲が広く、簡単で、安くどこの家庭にもあるものの一つではないでしょうか。
一度使われても外せば元通りになり、買ってこなくても身近にあります。
輪ゴムを飛ばして遊んだ経験はどなたでもお持ちと思います。
一番簡単なのは人差し指にかけ、小指で押さえて狙いを付けて飛ばす方法です。
そのほか種々な方法があります。

日曜大工で輪ゴムを飛ばす「おもちゃ」を作る
  以前親子体験教室で割り箸を使って、糸と接着剤で輪ゴムを飛ばすおもちゃを作った経験があります。
子供と一緒に作るには良い方法ですが、格好が悪く使い勝手も余り良くなく、壊れ易いなどの問題もありました。
  今回は日曜大工としてお父さんやおじいさんが子どもに作ってやるおもちゃとして考えました。
性能も高く、格好も良く、壊れ難い、軽いなどに考慮し、安価で日曜大工として簡単に出来るように工夫しました。
  孫の7歳の誕生日プレゼントとして贈りましたが、家族でゲームとして遊べ好評でした。
皆さんも挑戦してみませんか。

名付けて “輪ゴムシューター”
  名前がないと呼ぶのに困る。平凡な名前ですが “輪ゴムシューター” としました。
“ごむシューター”と名称を彫り込み、持ち主の名前も入れました。
表面の汚れを防ぎ木の感触を楽しむために、透明なラッカーを薄く塗り、お兄ちゃんのは青、
妹のものは赤でアクセントの塗装もしました。

お兄ちゃんの輪ゴムシューター
構造の概要
  形は洗練された美しさと合理性を持ったピストルを模しました。
機能、構造として最も大切な部分は引き金です。竹の軸で取り付け、回転することでゴムを掛ける部分を傾げ、ゴムがはずれるシンプルな構造を採用しました。
引き金を戻すバネとして輪ゴムを二重にかけました。
飛ばすゴムは長さ(縮んだ状態)6pを使うことを想定して銃身の長さを決めました。
目一杯伸ばした時の7割り程度伸ばして使うことになります。
  もっと強く飛ばすには銃身を長くすると共に、引き金の引き戻し用の輪ゴムを掛ける穴も離れた位置に開けます。
  引き金を収容する場所は銃身を3枚の板を貼り合わせて作ることで、簡単に寸法精度を高くすることが出来ました。
握りも3枚の板を貼り合わせて作りました。下図を参照して下さい。

輪ゴムシューター・組立図
 
 

材料を入手する
  材料を行きつけの「ドイトの店」で探しましたがイメージに合う物が見つからず、結局100円ショップ(ダイソー)で購入しました。
種々な木工材料が(いずれもサイズが小振りで好都合)揃えてあり100円ショップの評価を高くした次第です。
購入した材料は
@板材(1) 厚さ6o、200o×600o 杉材 100円
A板材(2) 厚さ3o、20o×910o 樹種 樹種不明 2枚組 100円
       杉の板より堅く強度もある。
  購入費は消費税を入れてたったの210円、これで兄妹3人用に3個作れ、一個当たり70円で仕上がりました。

寸法
  見にくくなるので組立図に寸法を入れていません。主要な部分の寸法は以下の通りです。
1.先端から引き金の後ろまで(輪ゴムを伸ばす長さ) 200o
2.銃身の真ん中の板の寸法 … 6o厚の杉板を使用
  上部の長さ 175o、下部の長さ 185o
  先端部の幅15o、引き金の前部の幅25o
3.銃身の外側の板の寸法 … 3o厚の板材を使用
  先端部の幅15o、引き金の横の部分20o
4.引き金を収容する部分の空間の長さ 25o
5.銃身の外側の板の寸法 … 3o厚の板を使用
  幅 15o、下部の長さ 236o
  銃身の厚さは3枚の板を貼り合わせるので 3+6+3=12o
6.握りの部分の寸法 6o厚の杉板3枚貼り合わせるので6×3=18o
  真ん中の板 … 下部の幅 35o 高さ75
  下部の幅 35o 高さ55o
7.引き金 … 6o厚の杉板を使用
  引き金の上部の幅 10o、高さは50o、長さおよそ60o
8.引き金のゴムをかける穴
  穴の径 4.5〜5o 引き金のゴムをかける切り込みから50o

型取り、けがき
直線で構成されている部分は直接木材に加工線をけがく
握りや引き金は曲線で構成されていて、曲線のカーブが美しさや使い勝手を左右する。
ボール紙やケント紙に製図して型紙を作り、型紙に沿って加工線を板にけがく

木材を加工する
 曲線部分は糸のこがあれば比較的簡単、無かったらカーブに沿って幾つかの直線で切り取り、ナイフやヤスリで加工する。
いずれも加工線を少し残すと正確に仕上がる。

貼り合わせる
  木工ボンドを塗り貼り合わせる。接着剤が固化するまで貼り合わせの部分をしっかり押さえておく。
固定用のクランプはホームセンターやドイトの店で購入できる。大きめの洗濯ばさみでも代用が利くが、押さえる力が弱いので複数の洗濯ばさみで挟む。
  半日以上は待って次の加工をする。

引き金を加工
  6oの板から切りだした引き金はそのままの厚みでは、収容する場所の幅が6oなので
入らない。厚みを少し薄く削る必要がある。
120番のサンドペーパーを机の上に平らに置き、押しつけるようにして均一に削る。
収容部に入れて見ながら、きつからず、ゆるすぎないように削る。
次に引き戻しの輪ゴムを引掛ける溝を作る。
最後にナイフかヤスリで角をとり、サンドペーパー(120番)を手に持ち滑らかに仕上げる

穴開け
1.引き金の軸用の穴を開ける
  引き金を正しい位置に組み込んで(引き金の上部が2oほど上に出る)3oのドリルで銃身と引き金の穴を同時に開けする。
引き金を取り外し、引き金の穴だけを少し大きくする。
3.2oのドリルの刃で広げるか、細い丸棒ヤスリで削り少し広げる。
2.引き金の引き戻用ゴムの通し穴を開ける
  4〜5oのドリルで開ける。余り小さいと輪ゴムを通し難い。

仕上げをする
  全体をナイフかヤスリで角を取り、サンドペーパー(120番)で滑らかに仕上げる。
特に握りと銃身の接合部分は段差があるので握り側を削り滑らかな線を描いて接合するようにする。
  形が整ったらより細かいサンドペーパー(240番)で表面を仕上げると綺麗に仕上がる。

引き金の組立
  引き金の軸穴にぴったり(やや堅めに)に竹を削る。竹は古い竹の箸などが使える。
引き金を入れ軸を差し込んで、引き金がスムーズに動くこと確認する。
接着剤を付けて組み立てる。引き金には接着剤が付かないように注意を払って。
  引き戻し用の輪ゴムを穴に通し、両端を引き金に掛ける。

塗装などの最後の仕上げ
  汚れを防ぎ木のぬくもりを感じられるように透明なラッカーなどで薄く塗装をする。
引き金と銃身とが擦れ合う部分にはラッカーが付かないように塗って下さい。
お父さんが密かに作ってプレゼントする。子どもと一緒に作る。
他のおもちゃ作りと同様に楽しめ、学習効果も期待できます。

さあ!遊びましょう
  打ち出す輪ゴムを用意して試し打ちをしてみましょう。
輪ゴムが真っ直ぐに飛び出したと思います。射程は4メートル以上あります。
厚めの紙で的を作り、狙ってみましょう。慣れてきたら段々的を遠くに、形も小さくします。
家族や友達と倒した数や得点の競争したらもっと面白く遊べます。

人に向けては絶対に打たないで下さい。


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