牛乳パックのブーメラン


ホワイトリカーの紙パックで作ったブーメラン
 04年におもちゃフォーラムで牛乳パックで作ったブーメランの作り方を指導している人に出会い、一つを貰い受けた
のが始まりであった。

 構造が簡単であり、牛乳バックを使うリサイクル工作の
メニューを増やそうと考えていたので、早速作ってみた。
しかし、軽いので僅かの風にも影響されて戸外では遊ぶのが難しいことが分かった。

 室内で飛ばしても飛距離が2〜3メートル程であり、
余りにも「へなへな」していて飛ばし難かった。
牛乳パックを貼り合わせて、重さや強度を増すことにより
もっと楽しめるおもちゃになった。
厚みがましたことにより3枚の翼の接合が難しくなり、
接合部分の構造にも改良を加えた。

 作り方の概要を紹介しますので挑戦してください。


簡単に作れる牛乳パックのブーメラン
 

 

 おもちゃフォーラムでもらったブーメランをモデルにして作った作品です。     ⇒

 

 

 


作り方


@ 牛乳パックから幅30ミリ、長さ130〜140ミリ
 の短冊を3枚切り取る

A 一端の中央に長さ17〜18ミリの切込みを
 入れる

B 3枚を120度の角度で組み合わせ、ホチキスで
 とめる
  右の写真を参照
 (組み方が分かり易いように色分けした)

C 各々の翼に迎え角を付ける
 左手で中央を持ち、右手で翼根の先端を持ち
 半時計方向にねじる
 3枚の羽根が同じ迎角にする


飛行特性を向上させた牛乳パックのブーメラン

☆ 重さと剛性を増したブーメラン
  前項で紹介した「簡単に作れる牛乳パックのブーメラン」、手軽に作れが軽く剛性も小さい
 ので飛ばし難く飛行距離も2〜3メートルと短く、風にも弱い欠点がある。

  牛乳パックを2〜3枚貼り合わせ先端に鉛の板を貼る。
 更に紙が強く重いホワイトリカーなどアルコール類の紙パックを貼り合わせるなどで
 飛行特性を改善します。


☆ 翼と補強板を作る
@翼
 ・牛乳パックを幅30ミリ、長さ130ミリに切り、2〜3枚を貼り合わせる

 ・先端を15ミリの半円形に切る
  …ブーメランが重くなり人に当たったときの衝撃が強くなるので、これを和らげる
  先端が円形になることで形も整う

 ・接合部分の加工
  翼の厚みが増すので接合部分の形状も変える
  …3枚の翼が平らに接合する形状を選んだ
  翼の中央から斜め上に30度の角度で切る、切る長さは15ミリ(翼幅の半分)、
  この位置から右上に90度の方向に切る

A接合部の補強板
 ・直径35ミリの円盤を牛乳パックで作る … 2枚
  …翼の接合部を強化するために表と裏側に貼る

   

B翼の先端に鉛の板を貼る
 ・2枚貼りあわせた翼には表面に瞬間接着剤かエポキシ系の接着剤で貼り付ける方法

   

 ・3枚貼り合わせ、真ん中に鉛の板を入れる方法
  
 a.準備する部材(写真左)
  翼の裏と表の紙バックの部材…2枚
  中層の紙パックの部材と鉛板…各1

 b.組み立て
  下の紙パックに中央の鉛板と紙パックを貼る
  その上に上部の紙パックを貼り3層とする

 三層になり鉛板が見えなくなった

 ・注:
  鉛の板は釣具店に「板重り」として売っている


☆ 3枚の翼を接合する
@3枚の翼を120度の角度で組み合わせる(写真左下)

A裏側に補強板を当てて貼り付ける

B表側にも補強板を貼り付ける
  …裏側に貼り付けた木工ボンドが固化してからこの作業を行う(写真右下)



☆ 迎角をつける
 ・迎角とは …揚力を生むため翼の前の部分を回転の方向に対して上に持ち上げた角度

 ・ブーメランの特徴である投げた場所に戻るため飛ぶ方向を変える力を生み、
  揚力も発生させる

 ・右利き用の迎角
  左手で中央を持ち、右手で翼根の先端を半時計方向にねじる、
  3枚の羽根が同じ迎角になるように

 ・左利き用の迎角
  右手で中央を持ち、左で翼根の先端を時計方向にねじる、
  3枚の羽根が同じ迎角になるように


☆ 完成したブーメラン
@牛乳パック2枚、表面に鉛板を貼ったブーメラン

Aホワイトリカーの紙バックで作ったブーメラン
  真ん中に牛乳バックを挟み三層とし内部に鉛版を入れた、鉛板が見えずに美しい
表は紙パックの印刷のまま
装飾をしなくとも美しい
裏も内部に貼られていたアルミ箔のまま
銀色に輝いてメカニックな美しさを出している
センターには金色の折り紙を貼った


 

より良いブーメランを求めて

☆ 自分にあったブーメランが良いブーメラン
・ひとり一人、体力、好み、遊び方が異なる
 試行錯誤で自分に合ったブーメランを作ろう、翼のサイズ、鉛板の量(重さ)、迎角、装飾等


飛ばし方、遊び方

☆ 垂直に持ってスナップを利かして投げる
・ほとんどの人が水平に投げようとする
 投げて遊ぶ遊具としてフリスビーが知られているので、同じように水平に投げてしまう。
 これではブーメランの特徴である投げた場所に戻らない。

・垂直に持って投げる
 オーバースローの要領で腕を上げ、左足(左利きは右足)の方向に振り下ろして投げる。

・手首のスナップを利かし回転をつけてリリースする


☆ 飛行コース
・右利きの場合
 ブーメランは右に傾いて飛び出し、迎角の効果で上昇しながら左に旋回を始める。
 やがて上昇は止まり、下降しながら左旋回して手元に帰ってく。
 左利きの場合は垂直より左に傾いて飛び出し右旋回をする。

・飛行コースに関わる要因
 ブーメランの特性としてサイズ、重さ、迎角の大きさなど
 投げ方としては投げるスピード、方向、傾き、回転の速さ等
 風も大きく影響する


☆ 手元に帰ってくる?
 投げたブーメランが手元に帰ってきて、ナイスキャッチ …なかなか上手く出来ません

・投げ方とブーメランの調整
 投げ方を工夫したり、ブーメランの迎角を調整する必要があります

・風にも大きく影響される
 風の弱い日、体育館などの屋内ならば最高、風を読んで投げよう

・先ずは投げた方向に戻ってくるように


☆ キャッチはかなり難しい
・飛行性能が高いブーメランはかなりのスピードで戻ってくる
 同じスピードでもボールをキャッチするよりも難しい、顔に向かって帰って来た時は
 無理せず避けよう


☆ 簡単でないから面白い
・やっぱり競争するのが面白くさせる
 ブーメランの良し悪し(自分の投げ方に合っている)…工作の腕とアイデアで勝負
 投げ方の上手下手…スポーツの分野、練習で身体能力を向上

・キャッチできた数で競争
 シングルス(投げた人がキャッチする)
 ダブルス(投げた人とキャッチする人とが別…親子でペアーを組んでやってみませんか)

・旗を立てて命中させる競争
 これがオーストラリア原住民の狩猟道具であったブーメラン本来の遊び方?


ブーメラン・あれこれ

・ オーストラリア原住民の狩猟・戦闘用の飛び道具
 オーストラリア原住民が使っていた狩猟・戦闘用の飛び道具、木製で「く」の字型をしていて一端を持って回転させて投げる。目標に当たらないと手元に帰ってくる回帰性で有名。
外れても手元に帰ってくるので繰り返し使える。


・ 厚紙で作るブーメラン
 最初に述べたように、04年におもちゃフォーラムで牛乳パックで作ったブーメランの作り方を指導している人に出会って一つを貰い受けたのが始まりであった。
その時、あなたのオリジナルですかと訪ねたところ『はい』と答えたのでこの人が最初に作ったのだと思っていた。
 06年11月朝日新聞の広告ページに水戸ブーメランクラブ代表の関根さんが紙ブーメランを紹介していた。
関根さんに尋ねると紙ブーメランを考えたのは自分だとのこと。
簡単な構造なので別々に思いついたのかもしれない。いずれにしても、私がブーメラン作りを始める契機になったことは確かである。



  

記事の無断転載お断り、初版掲載 2006年12月

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