水鉄砲の材料集め・加工


シリンダー(筒)の材料を作る
   1.使用する材料
 シリンダーを作る竹はマダケがサイズや肉厚などの点で最も適している。
直径25ミリから40ミリで節と節の間が20センチ以上のもの。
材料の直径は小学校の低学年は25ミリ前後、4年生以上ならば30ミリ程度が良い。

 切り口の内部が出来るだけ丸く、曲がりが少ないものを選ぶ、枝が出ている部分は円形で
ないので使わない。

2.シリンダーを切り出す
 一つの節の間でも先端に向けて少しずつ細くなっている。
シリンダー入り口は少し広く、先端に行くにしたがって狭くなるようにする。逆にするとピストンが入り難く、奥になるとゆるくなり水が逆流し易くなる。
このため根元側を開放口、先端側を放水い口にする。

 注:出来るだけ細かい目の鋸で、力を入れずに切らなければ切り口がささくれ、
   遊ぶとき手に刺さる可能性がある。

3.内部の薄皮を取り除く
  竹の内側は薄い皮で覆われている。この皮を取り除かなければ放吸い口に詰まってしまう。
シリンダーと内側の皮
 

慎重に取り出した皮…袋状になっている
 

 多くの竹では内側の皮が貼り付いてしまっていたり、カビが生えていたりしている。
貼り付いていなくとも上記の写真のように取り出すのは難しく、貼りついていたりかびている物を取り除く作業は意外と難しい。
写真のような道具を作って取り除いている。
内側の皮を取り除く道具
 

 @貼りついていない皮を取り除く
  不用意に扱うとシリンダーの奥に押し込んでしまい、取り除きにくくなってしまう。
 写真の上の鉤の付いた道具を使い。奥の部分を引っ掛けて取り出す。道具を入れる時、皮を押し込まないようにすることがポイント。

 A貼りついたりカビの生えた皮を取り除く
  写真の下のように亀の子だわしを竹の先端に付けた道具を使ってゴシゴシと剥がす。ビン洗いの道具と同じ要領で。

 B仕上げとして細かいごみを取り除く
  写真の真ん中のように布を巻きつけた道具で細かいごみを掻き出す。

4.木口(切り口)の面取りをする
 切り口の外周、内周がとがっているので、紙やすりなどで丁寧に面取りをする。

ピストン(押し棒)の材料を作る
   1.使用する材料
 木の棒でも、竹でも良いが竹の方が軽く強いので竹材を勧める。
竹材としてはマダケの細いもの、ヤダケ、メダケ、アズマネササなど笹が適している。
いずれにしても出来るだけまっすぐで、凹みが少ないものを選ぶ

2.シリンダーの大きさに合わせた太さを選ぶ
 シリンダーの内径とピストン用の棒の外形との差が7ミリ〜8ミリ程度が作りやすい、
長さはシリンダーより10センチ長くする。

3.ピストンを切り出す
 @シールを巻く側(ピストンに入る)に節を残して切る。
 Aシールをまし側は細く、手で持つ側を太い部分になるように切る。

4.木口(切り口)の面取り
 シリンダーと同様に行う。

シリンダーとピストン棒
ピストン棒の上のものはマダケ、下はアズマネササの篠
 

シールの材料
   1.クッション材として隙間テープを使う
 シール材としてシリンダーとピストンの間隙を埋め、シリンダーの内部の形状の変化に
柔軟に伸縮し、水漏れを防ぐ必要がある。
昔は古いタオルなどを用いていたが、ウレタンのスポンジがシールとしては最適である。
比較的に手に入りやすいスポンジを探した結果、隙間テープとしてホームセンターで
販売されているものが良いことが分かった。

 隙間テー部は接着剤が塗布されているのでピストンに巻き付け易くい。
その上、シール材の前後のずれを防ぐため、ピストンに十字に挿していた竹ひごも必要なくなった。

 隙間テープは幅30ミリの物を使用する。
メーカーによって硬さが異なるので、硬さに応じて巻く長さを変えて調整する。

2.クッション材の上に巻く布
 布の材料としては洋服の裏地の化繊の布が摩擦が少なく最適である。
しかし、巻く作業がやや難しい、ブロードといわれる生地は巻く作業は楽であるが摩擦が
大きくピストンを動かすのに少し力が要る。

 長さ120ミリ、幅60ミリにカットする。

3.布を縛る糸
 木綿の縫い糸で良いが、私は少し太めのレース編み用の糸を使っている。

シリンダー、ピストン、シール用スポンジの組合わせ
   1.組み合わせ例
 作り易く、性能の良い水鉄砲を作るには、主要なパーツであるシリンダーの内径、ピストンの径とシール用のスポンジ長の関係が大切である。
3つの組み合わせの例を次の表に示したので材料の準備の参考にされたい。

サイズシリンダー内径ピストン径スポンジ長
3L24〜24.916〜16.9190
LL23〜23.915〜15.9180
22〜22.914〜14.9170
21〜21.913〜13.9160
20〜20.912〜12.9150
SS19〜19.911〜11.9140
単位:ミリメートル

 注:シール用のスポンジに用いた隙間テープはメーカーにより硬さが異なる。
  硬ければ短く、柔らかければ長くする。

2.サイズの測り方
 表では0.1ミリまで表示しているがサイズのクラスが1ミリごとの区分なので、普通の物差しでミリ単位に測定すればよい。
多数の材料を用意するときは、写真の様な区分ゲージを作れば便利である。
特に竹を調達するときに、このケージを使って選別すれば無駄なものを用意しなくて済む。

左はピストンの径を測る、V字の溝に挿入してクラス分け
右は差込んでシリンダーのクラス分けをする
 

3.サイズ別に個装
 参加者が多い場合、複数の部品を配るのに時間がかかり、かつサイズ別に配るのは意外に難しいことが分かった。
サイズ別に材料を個装して参加者に配り、スムーズな水鉄砲つくりが出来た。


材料一式の写真
水鉄砲の材料一式
 

端材を用いた工作
  
 集めた竹材も節と節の間隔が短い、断面が真円で無いなどのため、使えない端材がたくさん出てしまう。
工夫次第で、種々な作品を作る材料になる。
一つの例として小型の花器(一輪挿し)を紹介する。

記事の無断転載お断り、初版掲載 2008年 4月
更新日 2009年 7月

トップページへ 水鉄砲の作り方へ