幼児のおもちゃ・カタカタの作り方


 

 4人目の孫が一歳の誕生日を迎え、
ヨチヨチ歩きを始めました。

 歩行訓練になるおもちゃ『カタカタ』を
プレゼントしようと思いましたが、
近くのおもちゃ屋には売っていません
でした。

 それならば自作しようと思い立ち、
構造を考え材料を探して作製しました。

 幼児が使うのですから第一に
安全性、次に少々乱暴に扱っても壊れない堅牢性に配慮しました。

 

 完成間近な 『カタカタ』 ⇒
 
 作り方の概要を紹介しますので皆さんも挑戦しませんか。

材料・副資材
☆ 木材
 ・板 … 厚さ10ミリの集成材

 ・丸棒
   直径10ミリの丸棒 … 車軸に使用
   .
  
 強度的には直径15ミリの丸棒を使いたかったが、フレームの軸を通す穴、車輪の穴を
 あけられる太い錐の手持ちが無かったので10ミリの丸棒を使うことにした。
 ホームセンターで売っていた丸棒10ミリと表示されていたが、計ってみると9.5ミリ、
 フレームに10ミリの穴をあければ車軸が自由に回り、車輪に9ミリの穴をあけ車軸を
 押し込めばしっかりと車輪と軸が嵌め合わさることになり、好都合である。
 ちなみに、9ミリと10ミリの木工用の錐を持っていた。
 

   直径20ミリの丸棒 … 握りの部分に使用

 ・ベニヤ板

 ・車輪 … 直径90ミリ、厚さ8ミリの木製の車輪
   真円の車輪を作るのは少々難しいので、ホームセンターで購入

☆ 竹材
 ・編み棒8号(直径4.5ミリ)… 上下に動いて音を出すアクションアームのヒンジに使用
   編み棒は手芸店で買うと高価もったいない、100円ショップでは4本105円
   強度の面からはもう少し細くても良い
 ・篠竹
   アクションアームを上下させるピンの取り付けのための補強
   今回使用した車軸が細かったので使った、15ミリの車軸を使えば必要ない

☆ その他
 ・釘
 ・木工ボンド
 ・木ねじ

台車を作る
☆ 台車の全体像
完成した台車

 ・組み立てた台車の構造 ⇒

☆ 寸法
 ・長さ 30センチ
 ・幅  20センチ
 ・高さ  5センチ

☆ 材料の加工と組み立て
 ・30センチ×5センチの板を2枚作る
 ・車軸を通す穴をあける
  車軸の直径より0.5〜1ミリ大きな
  穴をあける
  穴の位置
   前から5から6センチ、
   後ろから5センチ
   高さは2.5センチ

 ・18センチ×5センチの板2枚作る

 ・上記4枚の板でフレームを作る
   接合部に木工ボンドを塗り、
   釘で留める
   四隅の直角度に注意

 

☆ アクションアームのストッパー
 ・アクションアームって何?
  動物の絵があり上下に動いてカタカタと軽快な音を出す仕組み … このおもちゃの心臓部
  作り方は次項で説明
 ・ストッパーとは
  アクションアームが落ちて、このストッパーを叩き音を出す
 ・アクションアームが下がった状態で前輪の車軸に触れない位置に取り付ける
 ・寸法は 4×18センチ

☆ アクションアームのガイド
 ・上の写真の4枚の板
  ガイドのスリットの幅はアクションアームの厚み+1ミリ
  高さはアクションアームが最も高くなった位置より少し高くする
  スリットの両面には蝋を塗る

アクションアームのストッパーとガイド

☆ ハンドルを作る
  名称はハンドルでいいかな? … 子供が掴まってカタカタを押すためのもの
 ・ハンドルの高さは子供の脇の下の高さ … 1歳児では45センチ前後
 ・10ミリの板から40×3センチのアームを2枚作る
   上部は円形に削る
 ・直径20ミリの丸棒から掴まる横棒を作る
 ・ハンドルを組み立て、台車の後部に取り付ける
   最も力がかかる部分なので補強材を入れるなど工夫する
   横棒を取り付けるのには4ミリの飾り木ネジを使う
 ・組み立ては上の2枚の写真を参照のこと 

車輪の製作と組み立て
☆ 車輪に車軸を嵌める穴をあける
 ・車輪のセンターを決め穴をあける
  車軸より0.5〜1ミリ小さい径の穴を木工ドリルの刃を使ってあける

☆ 後輪を組み立てる
 ・一つの車輪を軸に嵌める
  強度を持たせるため車輪の穴より太目の軸をまわしながら押し込む
  車輪は軸と直角に取り付けることが肝心
 ・滑らかに回転するように車軸を通す穴には蝋を塗る
 ・台車に軸を通し、もう一つの車輪を取り付ける
  車輪と台車のフレームとの間隔を1ミリ程度開け、擦れ合わない様にする
  厚紙(牛乳パック)で作ったワッシャーを車輪とフレームとの間に入れ間隔を保てる様にする
  上の写真に前輪の車軸の内側に紙で作ったワッシャーが写っている

☆ アクションアームを上下に動かす仕掛けを作る
 ・前輪の車軸にピンを挿入する穴をあける
   アクションアームが3本なので、120度ずらした位置
   貫通させると軸が弱くなるので、軸の中心程度まで
   穴の位置はアクションアームの位置にあわせて
    … 恥ずかしながら写真では間違えて開けてしまった穴が見える
 ・ピン(竹ひご、編み棒など)を作る
   長さはアクションアームの上下動の高さ(ストローク)によって決める
    … この例では2.5センチ

☆ 前輪を組み立てる
 ・後輪と同様に組み立てる
 ・アクションアームを動かすピンを軸に嵌める

前輪とアクションアームを上下に動かす仕掛

アクションアームを作る
☆ アクションアームを作る
 ・寸法 …   28センチ×2センチ
 ・右側にはヒンジ
 ・左側には動物の写真・イラストを貼るパネル
 ・パネルの右下には前輪の車軸のピンによりアームを上下させるパーツ

完成したアクションアーム

☆ 動物の絵を貼る板を作り、取り付ける
 ・材料は厚さ5ミリ程度のベニア板 … 寸法は適宜
 ・両面に動物の絵を貼る … 3枚のアクションアームの両面で6種の動物
   動物を覚える、絵本としても役立つ

☆ ヒンジを作る
 ・写真のアクションアームの右側の部品
 ・2枚の板の間にアクションアームを取り付け、アームがスムースに上下に動く構造
 ・ピンは8号の編み棒で作る
 ・2枚の板には4.5ミリの穴、アクションアーム側の穴は5ミリの穴をあける
 ・こすれあう面には蝋を塗り組み立てる

☆ アクションアームを上下に動かす部品  ・動物の絵を貼った板の下側に見える板
  前輪の車軸につけられたピンに押されて、アクションアームを上下動させる

アクションアームを台車に組み込む
☆ ヒンジの部分を台車の後部のフレームに固定する
 ・フレームと直角に
 ・前部はガイドのスリットに挿入
 ・動作がスムーズかを確認する

台車の後部に取り付けたヒンジ

前部のガイドに納まったアクションアーム

☆ 試運転
 ・ハンドルを押して車輪が回り、アクションアームがスムースに上下に動き、
  カタカタと軽快な音が出ることを確認
 

アクションアームのストッパーを取り付け
☆ ガイドの上部にストッパーを取り付ける
 ・転倒したときなど、アクションアームがガイドから外れてしまう
 ・ガイドの上部にストッパーを取り付け、外れを防ぐ
完成したカタカタ(横からのビュー)

孫の名前を彫って(前から)

☆ これで完成

孫は早速、カタカタと部屋中を押して遊ぶ
 使い方を教えなくともハンドルを持って立ち上がり、部屋中を『カタカタ』、最初は壁に当たると処置ができなかったが、数度方向転換をやって見せたところ突き当たる前に方向転換。

 孫、娘夫婦そして私も大満足。

記事の無断転載お断り、初版掲載 2007年10月

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