浪華丸に乗船できます。
人数は1度に20人までですが、この日は空いていたので待ち時間もなく、すいすい乗れました。ランプ付のへルメットの貸出もあります。船内、危険だったり暗かったりもあるのでその用心に。見学の中心は船尾の方で、ここでは積荷やかまど、神棚、帆を上げ下げするろくろなどが見られます。
船首(みよし)の方に液晶画面が置いてあって、大阪湾をこの船が実際に帆走した時の様子が映っています。「舵中央〜」という声が聞こえてくると、うずうずします。
時空館に展示された船を甲板から見上げれば、帆はだらりと垂れています。この帆がふたたび風をはらみ、海を航ることはないのだとしても、画面に映る快走する姿は、この船がまだまだ生きていることの証のようで、なんだか感動してしまいました。
船員さんの格好をしたスタッフの人は、質問をすると気さくに答えてくれます。ついついトイレはどうしてたんですか、とか聞いてしまってごめんなさい。ぐるりと回ってみて、それらしい施設が見当たらなかったもので。ちなみにトイレはなかったそうです。大の時は、つかまるためのひもがあって、そのひもを持ってがんばるとか・・・はっ、お食事中の方、すみません。
浪華丸復元の様子の展示もオススメです。
元となった図面だけでは分からなかった、釘を打つ間隔や釘の長さを、別の資料から(フランスのものからでさえ)引っ張ってきて設計した様子や、使った木材、どうやって製作されたかの説明に、ついつい時間を忘れて見入ってしまいます。
浸水を防ぐための様々な工夫(まきはだ詰めとか)を見ていると、本当に、船として作ったんだなあ、と思えてきます。
博物館行きで、1度も海に浮かべるつもりがなかったのなら、手抜きできてしまえるんじゃない? と思うぐらい、手作業の、大変そうなお仕事でした。浪華丸復元ドキュメンタリー番組があったら面白そうだなあ、と率直に思いました。でも、展示も十分それっぽくて大満足です。こちらの展示を見てから船に乗ると、いろいろな部分がより身近に感じられていいのではないでしょうか。
そして、体験ものとして「新綿番船レース」(1回300円)というものがあります。2人1組になってそれぞれ舵と帆を操作し、大阪から江戸まで船を航らせます。船頭さんの指示に従って、嵐やライバル船をかわしながら(CG画面に荒れた海や船が映る)の航海に、手に汗握ります。いえ、私は見ていただけですが。
このレース、その年に新しくとれた綿を船に積み込み、「せーの」で一斉に港を出発、一番に到着した船の綿は「縁起がいい」ということで高値がついたという、実際に行われていたレースを元にしたものなのだそうです。
船頭さんの声が微妙に神谷明(キン○マン)さんに似ていたのですが、違うかも。