HOMEシーフォート部屋

■作品紹介■


第1部
大いなる旅立ち
第2部
チャレンジャーの死闘
第3部
激闘ホープ・ネーション!
第4部
決戦! 太陽系戦域
第5部
突入! 炎の叛乱地帯
第6部
ギャラクティックの攻防


大いなる旅立ち
デイヴィッド・ファインタック著 野田昌宏訳
ハヤカワ文庫SF〈銀河の荒鷲シーフォートシリーズ1〉 1996
Midshipman's Hope
 『チャレンジャーの死闘』を読む前に、この本のあとがきを読んではいけません。野田先生、バラシすぎです! 誰かさんの運命なんか、バレバレじゃないですかっ。
 この本はまたの名を『国連宇宙軍規則の入門書』。講師は国連宇宙軍軍艦〈ハイバーニア〉乗組みの士官候補生、ニコラス・ユーイング・シーフォートさん(17才)。あなたはシーフォート士官候補生が見舞われるさまざまな事件を通して、宇宙軍の規則のなんたるかを、そしてその遵守の困難さを教えられるに違いありません。
 生徒役としては、乗客のアマンダ・フロウェルさん、ドンハウザー夫人、シーフォート講師と同じ士官候補生のヴァクス・ホルサーさん、同アレクセイ・タマロフさんなど。シーフォート講師が時に優しく、時に厳しく、時に手取り足取り……(まあ、とにかく)、彼らに教え込む姿は、何度読み返しても感動的です。
 あなたもこれを読めば、宇宙軍規則のオーソリティに。規則を守らない方には、もれなくムチ打ちと、ひどい場合は絞首刑が待っています(いやマジで)。ここだけなぜかSFしていないのですね……。

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チャレンジャーの死闘
デイヴィッド・ファインタック著 野田昌宏訳
ハヤカワ文庫SF〈銀河の荒鷲シーフォートシリーズ2〉 1997
Challenger's Hope
 はらわた煮えくりかえるぐらい嫌なやつが出てきます。
 その名はジェフリー・トレメイン。シーフォートの直属の上司になる提督です。この人によって主人公が押しつけられた災厄は、近年まれに見るひどさです。こんな人間の下で働かなければならないのは不幸ですが、そこはそれ例の宇宙軍の厳しい規則というものがあり、シーフォートは忠誠と道義心の狭間で激しく揺さぶられ、ついに……という展開で、よろしいでしょうか。皆様。
 この話では、主人公は死なないと頭ではわかっていても、そんなの問題にはならないくらい「死」が重くのしかかってきます。怖い話です。 

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激闘ホープ・ネーション!
デイヴィッド・ファインタック著 野田昌宏訳
ハヤカワ文庫SF〈銀河の荒鷲シーフォートシリーズ3〉 1998
Prisoner's Hope
ファン絶叫の一冊。そのあまりにも過酷なストーリー展開のために、「辛くて読めない……」とページを閉じるファン続出……かも。
 第2巻の『チャレンジャーの死闘』で、部下の士官達と離ればなれになっていたシーフォートは、植民地の惑星ホープ・ネーションで、次々とかつての友人、部下達と再会を果たすものの、そこにあったのは喜びばかりではなくて……というこれまた辛いお話。さらにシーフォートはくだんのトレメイン提督と決闘騒ぎを起こして艦隊勤務から外され、新たに就いたお仕事はホープ・ネーションの農場主との交渉役。そこでまた事件が起きるのはお約束ですが、だんだん主人公の回りから信頼できる人間が消えていき、友人も、部下も、気を許して語り合える者はいないという状況で、これでもか、これでもかというぐらい事件ばかり起きるのです。どの辺りに「ホープ」があるのか、教えて下さい。ファインタック先生。

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決戦! 太陽系戦域
デイヴィッド・ファインタック著 野田昌宏訳
ハヤカワ文庫SF〈銀河の荒鷲シーフォートシリーズ4〉 1999
Fisherman's Hope
 思ったより早く出ました。だって、勝手に10月だと思っていましたし。
 さあ、皆さん、読んで辛かったですか? 辛かったですよね。
 この本を読んでの、サマキのキャラクター分類は2つです。
 
「シーフォートにやさしいか、シーフォートに辛いか」
 その点でトリヴァー及第。原書では反抗的な部分が目立ちましたけど、翻訳ではあなた、面白過ぎ。アダムとジェレンスはまあ及第。
 キーン、あれもある意味辛いです、落第。
 アニー、言語道断、落第。彼女の辛さを分かりたいけれど、でも、やっぱり……。エディ・ボス、生きてたのかとびっくりさせてくれたので、及第。
 あ、エディ・ボス。
 彼は3部で魚にやられた〈キティホーク〉乗り組みだったので、てっきり死んでいるものと思ってました。
 そうか。かなりの乗組員が脱出ポッドで生き延びたらしい、というのは伏線だったんですね。
 まあ、同じ状況でデレクが生き残っているのですから、エディならまず間違いなく……かしら。
 と、思っていたら、ホープ・ネーションに来たのが〈キティホーク〉で、帰りはニックの策略で別の艦に乗せられてたんですね。いやーん。恥かき。

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突入! 炎の叛乱地帯
デイヴィッド・ファインタック著 野田昌宏訳
ハヤカワ文庫SF〈銀河の荒鷲シーフォートシリーズ5〉 2000
Voices of Hope
 4部の衝撃の後、我らがニックは宇宙軍を退き修道院へ。
 頭頂部を丸く剃りあげるあの髪型(トンスラ)をしたのかどうかが大いに気になるところですが、この5部ではなんとか社会復帰を果たし、家庭にも恵まれ、元国連事務総長として、なぜか忙しい毎日を送っています。
 お話は、ニックの息子P・Tが友人とケンカをし、その友人が家出を決行、さらに無法地帯トランスポップの町に飛び出してしまったからさあたいへん、P・Tは友人のジャリッドを追いかけ、ニックと妻もP・Tを追いかけ、ニックが大物なだけにさらに騒動がその後を追ってきて、とまるで「おおきなかぶ」「金のがちょう」のような展開に、笑えばいいのか泣けばいいのか。
 ですが、この話はやはりシーフォートなので、激しく辛いことも起こります。
 これまでの4作品と大きく違うのは、ニックの一人称ではなく、ニック以外のキャラクター5人によるリレー式一人称(五人称?)ということです。他人から見たニックに会えるのはおいしいですが、ニックの苦悩がストレートに伝わってこないのはちょっぴり物足りないです。
 この話は、お父さんと息子の関係がいくつか出てくるのですが、どれも少しずつうまくいっていて、少しずつうまくいっていなくて、考えさせられました。母親よりも父親との関係を重視するお話って、実は珍しいような気がします(私が読む話にしてはということかしら)。
 ところで息子の名前「P・T」は、あのフィリップ・タイアからつけられたとのこと。息子や妻にフィリップのことを何と説明したものか、そして、おそらくつきあいのあるであろうデレクやアレクセイには。こんなことが気になるのは、私だけではないでしょう。

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ギャラクティックの攻防
デイヴィッド・ファインタック著 野田昌宏訳
ハヤカワ文庫SF〈銀河の荒鷲シーフォートシリーズ6〉 2000
Patriarch's Hope
 “なんとなく 「!」がついてないと 落ちつかない”
 タイトル、久しぶりにびっくりマークなしで、つい七五調で驚いてしまいました。
 1部以来のさわやかな読後感は、「読んでよかった」と思わせてくれました。4部、5部と辛かったり物足りなかったりでしたけど、今回は懐かしい人達がぞろぞろ出てきて、人死にもいっぱいでしたけど、面白かったです。
 子供殺しのニックも、4部のラストによる命名を超えて、何やら「マダムキラー」の意味に通じるもののある「チャイルドキラー」になってしまったような観があります。何人子供を落としたことか。荒鷲健在で、もうおじいちゃんなのですけど、やたらと元気で頑固で、つきあう人達もたいへんだ、はあ・・・と溜息をついても、何か楽しかったです。
 アーリーンとの「老いてもなお」の関係には、「ニ、ニック・・・あんたって・・・」としばしボーゼンとしましたが、荒鷲くんが幸せならいいです。なんだかんだ文句をこぼしながらも周囲の愛を受け入れ、自分のことを許しているニックに、「成長したね」と驚くやらうれしいやら。あっという間に年上に(それもすごい年上に)なってしまいましたが、ほんとう、読んでいてよかったです。
 でも、まだ続くのですか? ニック、何歳まで働かされるのでしょう。また子供も生まれることですし(?)。がんばれ、我らが荒鷲艦長!

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