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チャイロスズメバチ  Vespa dybowskii Andre 1884


体長は女王バチ30mm,働きバチ17〜24mm,オスバチ20mm〜27mmで,本州に生息するスズメバチ属6種のなかではやや小型の部類です.頭胸部が赤褐色の他は,体全体が黒褐色をしており,他の5種との識別は容易です.

2000年以降分布は拡大傾向にあり,西日本各地で営巣や成虫が確認されています.本州の山口県および四国,九州では記録がなく.広島県と島根県を結ぶ線が分布の最西端になります.しかしながら,発見例は少なく現在でも極めて稀な種であるといえます.

本種はキイロスズメバチやモンスズメバチの巣に女王が単独で入り込み,相手の女王バチを殺して巣を乗っ取ることで知られています.最初は,乗っ取った巣の働きバチが子育てをしますが,チャイロスズメバチ自身も働き蜂を生むため,しだいにチャイロスズメバチと入れ替わっていきます.このような性質を持ったスズメバチを社会寄生性のスズメバチと呼んでいます.

最盛期には巣盤数4〜6層,育房数は600〜3,500房位になります.本種の働きバチの羽化は7月以降で,それまでは寄主の働き蜂に養育されます.活動が最も活発となる9月〜10月には100〜300頭になります.オスバチと新女王バチは9月〜10月に羽化します.新女王バチの羽化数は営巣規模により異なりますが,50〜200頭です.

幼虫の餌としてバッタ類や各種の昆虫,クモなどを狩ります.攻撃性,威嚇性は強く,巣に近づくと,地上付近を群をなして飛び回る独特の威嚇行動をとります.


カメラに向かって威嚇する働きバチ 軒下に作られた巣
天井裏に作られた巣の入り口付近の様子 樹液を舐める働きバチ サクラの樹洞に作られた巣