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スズキベッコウハナアブ Volucell suzukii


ベッコウハナアブの仲間(volacella 属)は大型のハナアブで,成虫は名前のとおり花の蜜をなめて生活しています.幼虫は巣の下に捨てられたハチの死骸などを食べる”巣の掃除屋”として知られていますが,巣の活動が衰えて成虫の数が減ってくると,幼虫や蛹も食べます.シロスジベッコウハナアブ Volucell pellucens tabanoides ,ニトベベッコウハナアブ Volucella linearis ,スズキベッコウハナアブ Volucell suzukii の3種がスズメバチの巣に寄生します.

名古屋ではスズキベッコウハナアブがコガタスズメバチ,キイロスズメバチ,モンスズメバチ,オオスズメバチおよびチャイロスズメバチの巣から見つかっています.見つかるのは8月下旬から10月初旬にかけてです.

メスの成虫はスズメバチの隙をねらって巣の中に侵入して産卵します.幼虫はスズメバチの巣の中で越冬して蛹になり,翌年の夏に羽化してきます.どうしてスズメバチに捕食されることなく巣の内部に侵入できるのか不思議です.


スズキベッコウハナアブの成虫 育房の壁に多数産み付けられたベッコウハナアブの卵 シロスジベッコウハナアブ