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モモイロシマメイガ Hypsopygia mauritialis


メイガの仲間(メイガ科シマメイガ亜科)のうち,ギンモンシマメイガ Pyralis regalis とモモイロシマメイガ Hypsopygia mauritialis がスズメバチの巣に寄生します.

メスの成虫は夜間に活動し,外皮や巣盤に産卵します.孵化した幼虫は巣の内部に入り込み,育房に糸を綴ってトンネルを作り,主に利用されなくなった1層目の巣盤を囓って生活しています.本種の寄生を受けた巣盤はぼろぼろになってしまいます.

名古屋市内ではモモイロシマメイガに寄生されたコガタスズメバチの巣が,9月以降かなり高い割合で見つかります.この巣盤を容器にいれて室内に放置しておくと,翌年に小さな成虫が羽化してきます.2004年8月17日に駆除した直径15cm程,巣盤数1層の小さな巣からは96頭の幼虫と17頭の蛹が見つかりました.


巣穴に張り巡らされた網の中で蛹化する 巣盤上の幼虫
モモイロシマメイガの成虫   直径15cm程の小さな巣の中から見つかった幼虫と蛹