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ニホンミツバチの巣を襲うオオスズメバチ


名古屋市内ではニホンミツバチの営巣事例が増加しています.秋になるとニホンミツバチの巣門(巣の入り口)付近にオオスズメバチが飛来します.最初のうちは成虫を捕獲し,肉団子にして巣に持ち帰るだけですが,その周囲に腹部から出る餌場マークフェロモンが塗る付けられると,多数の働きバチが誘引され集団攻撃へと発展します.

オオスズメバチの苦情ということで現場にでかけると,ミツバチの巣にオオスズメバチが飛来しているというケースがしばしばあります.

ニホンミツバチはオオスズメバチの攻撃に対して,巣内に閉じこもり内部に侵入してくるオオスズメバチに対しては 蜂球を作り熱殺するという反撃方法を持っています.しかし,多数のオオスズメバチが巣内に侵入するようになると,巣を放棄して逃去し新しい営巣場所を探します.

オオスズメバチ以外のスズメバチもミツバチの巣に飛来しますが,集団で攻撃することはなく,巣門の近くで成虫を捕獲し,肉団子にして自分の巣に持ち帰ります.


巣は擁壁の内部に作られていたが,9月19日の午前中にオオスズメバチの襲撃を受け,死闘が続いたが,最終的にはニホンミツバチが巣を放棄して逃去した.

ニホンミツバチとオオスズメバチの死骸 擁壁の内部にある巣に侵入する働きバチ

墓石の内部にある巣の入り口に飛来した働きバチ
(2001年10月15日)
マツの樹洞にある巣の入り口を占拠する働きバチ
(2002年9月4日)

開放空間に営巣したため,オオスズメバチの攻撃を跳ね返すことができず,巣を放棄し逃去したと思われる.オオスズメバチの攻撃は10月上旬だったと考えられるが,巣の下の地面にはミツバチ,オオスズメバチのいずれの死骸もほとんど見られなかった.

地上から8m程の高さのクスノキの枝に営巣した巣.巣はオオスズメバチに占拠されている.
巣盤中心部の幼虫,蛹は全て餌として持ち去られてしまった.(2006年10月14日)