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ハラビロカマキリを狩るオオスズメバチの観察


名東区内の路傍でヒヨドリバナの白い花を見つけました.秋になるとこの花にはアサギマダラやミドリヒョウモンなどのチョウがよく吸蜜にやってきます.しばらく様子を見ているとオオスズメバチの働きバチがハラビロカマキリを捕まえました.ハチはカマキリをくわえたまま道路脇の草むらに落下してしまったので,草をかき分けて様子を観察・撮影しました.



13時16分

ハラビロカマキリを捕まえる.

13時21分

カマキリを肉団子にした後,場所を確認するため周囲を3周程飛び回り(定位飛行),アベマキの樹冠を越えて北西方向に飛び去る.

13時25分

再び元の場所に戻ってくる.所要時間は4分.それ程遠くない場所に巣があるようだ.一旦カマキリの近くに着地するが,すぐには見つけられずしばらく周辺を探し回る.



13時31分

肉団子をくわえて飛び立つ.今度は定位飛行をせずに一直線に飛び去る.

13時35分

4分後にまた戻ってくる(3回目).今回は正確にカマキリの近くにやってくる.ほぼ同時刻に同じ巣の個体がもう1頭飛来,近くの小枝に止まる.

13時39分

肉団子をくわえて飛び立つ.しばらくして,小枝に止まっていた別の個体が肉団子を作り始める.

13時42分

この働きバチが定位飛行をした後飛び立ち,頭上の電線に止まる.しばらく肉だんごをを丸め直してから飛び去る.

13時44分

最初の働きバチが戻ってくる(4回目).この頃からアリが多く集まってきて少し気になるようだ.



13時48分

肉団子をくわえて飛び立つ.

13時53分

最初の働きバチが戻ってくる(5回目).もう1頭は戻ってこないようだ.

13時58分

肉団子をくわえて飛び立つ.一旦途中にあるアベマキの葉上に止まるがすぐに飛び去る.

14時04分

最初の働きバチが戻ってくる(6回目).アリが多くて気にしている.時々アリを追いかけ回す.その際に肉団子を落としてしまい,また団子を作り直す.

14時10分

残った脚の一部も一緒にくわえて飛び立つ.今度は道路の反対側の葉上に止まり,肉だんごに丸め直した後飛び去る.カマキリは脚先と翅を除いて無くなったので,ハチはもう戻らないものと思い,観察を中止して現場を離れる.



14時45分

再度同じ場所を通りかかると,カマキリのあったあたりを働きバチが飛び回っている.餌がなくなった後もこうして時々飛来するようだ.

15時02分

17分後に通った際にもまだ辺りを飛び回っていた.