TOPページスズメバチ観察日記 > 鳥の巣箱に営巣したモンスズメバチの観察日記

鳥の巣箱に営巣したモンスズメバチの観察日記


2002年8月31日に市内の遊歩道を歩いていて,道の脇にある木に取り付けられた鳥の巣箱にモンスズメバチが営巣しているのを見つけました.高さは4m程もあり,特に危険な場所でもないのでそのまま観察を続ける事にしました.発見当初は,逆光と薄暗いのと両方でハチの姿が良く見えず,チャイロスズメバチだと思って興奮しましたが,後で写真を見るとモンスズメバチでした.名古屋市内には大都市では珍しく本種が多数生息しており,鳥の巣箱に営巣する事例も過去に6件程あります.


2002年8月31日

ハチは巣箱の正面にある穴から出入りしています.表面には30頭ほどの働きバチが止まっており,活発な巣であることが分かります.かって駆除したチャイロスズメバチの例では巣箱の底に穴をが開けて,下側にも巣盤が作られた例がありますが,この巣もこの先そうなる可能性が高いと思われました.

鳥の巣箱を正面から見た様子 巣箱の底面(穴はまだ開けられていない

2002年9月5日
表面にはさらに多く40頭ほどの働きバチが止まっており,相変わらず活発に活動しています.巣箱の前面上部に作られている外皮状の目張りの様子は前回と大きな差は認められません.
鳥の巣箱を正面から見た様子    


2002年9月19日

ついに巣箱の底部に穴が開けられました.働きバチが底部の板を大顎で囓って開けたものです.穴はまだ直径5cm程度ですが,最下部の巣盤の蛹が見えています.表面と底部に止まっている働きバチは併せて80頭程にもなっており,今後巣箱の下側に巣盤が増設される可能性があります.

巣箱を正面から見た様子 巣箱の側面と底面 穴が開けられた巣箱の底面


2002年9月30日

巣箱の前面にあった入り口は外皮で覆われてしまい,底に開けた穴から出入りしていました.底部に開けられた穴も少し大きくなっており,外皮状の目張りが増加しているのが分かります.巣箱の表面に止まっている働きバチは50頭弱でした.本種の巣は元々底部に穴が開いており,ハチはそこから出入りします.

 
外皮で塞がれた巣箱の入り口 底部の穴の様子  


2002年10月2日

午後3時頃巣の様子を見に訪れると,まさにオオスズメバチの襲撃を受けている所でした.3時6分に撮影した写真では,巣箱の底部にはまだ10頭程のモンスズメバチが止まっており,周囲を多数のオオスズメバチが飛び回っていた(右端にオオスズメバチの頭部が写っています).オオスズメバチとモンスズメバチが組み合った状態で多数地上に落下しました.この状況は10分程続きましたが,3時18分にはモンスズメバチの姿は見られなくなり,オオスズメバチのみとなりました.幼虫や蛹がつまっていた育房も大部分が空になっています.

3時6分の状況 3時18分の状況 オオスズメバチとモンスズメバチの死闘


2002年10月3日

モンスズメバチの成虫の姿は全く見られません.巣の正面の入り口を塞いでいた外皮状の目張りもすっかり壊されてしまい,オオスズメバチが頭を出しています.巣の底部も同様で育房の幼虫の数も随分少なくなりました.10月4日にここから直線で北北東に1.1Km離れた大学構内でオオスズメバチの巣を駆除しました.飛行コースから考えて,この巣を襲ったオオスズメバチである可能性が高いと思われます.

 
側面の外皮はほとんど壊されてしまった 育房の幼虫も抜き取られて少なくなった  


2002年10月7日

しばらく巣箱の様子を観察していましたが,オオスズメバチは1頭も姿を見せません.付近にあったタケを利用して巣箱を下に降ろし,内部の様子を観察すると,育房の内部にはまだ若齢の幼虫が残っていました.幼虫(餌)が残っているにも関わらずオオスズメバチが全く飛来しないことから,この巣を襲ったのは10月4日に駆除した巣の働きバチに間違いないと思われます.

 
巣箱の底板をはずして内部を見た様子 10月4日に駆除したオオスズメバチの巣  


2002年10月23日

巣箱を回収して内部の様子を調査しました.巣盤数は6層で繭は全てオオスズメバチによって囓り取られていました.

 
巣箱の正面の様子 内部の巣盤の様子(6層)