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ハチの性決定


スズメバチのオスとメスはどうして決まる?

スズメバチやアシナガバチの女王バチは,前年の秋にオスバチと交尾し,精子を受精嚢に貯めた状態で越冬します.翌年卵を産む時にこの精子を卵につける(受精させる)と,全てメスのハチ(働きバチ)になります.未受精の卵からはオスバチが生まれてきます.女王バチはメスとオスを産み分けることができるのです.

オスバチは巣作りや餌集めなどの労働に全く参加せず,女王バチと交尾するためだけに誕生してきます.そのため,オスバチが出現するのは新女王バチが羽化する少し前です.ただし,共同営巣期に女王バチが死亡した場合には,働きバチ(未交尾のメスバチ)が産卵することが知られていますが,この場合は当然オスしか生まれません.

ハチの世界では,メスバチは母親と父親の血をそれぞれ50%,オスバチは母親の血を100%受け継ぐことになります.こうした独特の性決定の方法を半・倍数性と言います.

それでは,同じメスである新女王バチと働きバチはどうして決まるのでしょうか?スズメバチはミツバチのように特別の餌を与えて新女王バチを育てることはありません.新女王バチになるか働きバチになるかは卵を産んだ育房の大きさによって決まることが分かっています.大きな育房からは新女王バチが,小さな育房からは働きバチが誕生します.秋になると大きな育房が作られ,そこで新女王バチが育てられます.