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カギバラバチ


エゾカギバラバチの不思議な生活

カギバラバチの仲間は名前のとおりメスの腹端が鍵のように曲がっています.
エゾカギバラバチ Bareagonalas jezoensis は小さな卵を葉に産み付けます.この卵が葉と共に鱗翅類の幼虫(中間宿主)に食べられ,体内に入ります.この際,幼虫により傷つけられた卵は中間宿主の体内で孵化し1齢幼虫になります.

中間宿主がスズメバチに狩られ肉団子にされると,肉団子の中に潜んだ1齢幼虫は巣に運ばれ,餌としてスズメバチの幼虫に与えられると一緒にスズメバチの幼虫の体内に入ります.体内で成長し2回脱皮した3齢幼虫には発達した大顎があり,複数のカギバラバチの幼虫が存在する場合は,この大顎を使って闘争がおこり,1個体のみが生き残ります.

カギバラバチに寄生された幼虫(寄主)が繭を作り蛹になると,カギバラバチの幼虫は体外に出て今度は外部から捕食するようになり,十分に成長すると寄主の残滓を育房の下部(入り口付近)に押し込め,奥の方に仕切りを作って自身もそこで繭になります.成虫は7月下旬から9月下旬にかけて羽化しますが,その後の生活史についてはまだよく分かっていません.