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名古屋発スズメバチ情報 2000
4月3日
(月)
 スズメバチの越冬調査が3月31日で終了しました.調査地点数が年により違っていて単純な比較はできませんが,越冬数が極端に少なかった前年と比べると明らかに増加し,例年並みの越冬数でした.
 今後の気象にもよりますが,今年のスズメバチの発生状況は,1999年よりは大幅に増加し,名古屋市では1,000件を越えるのではないかと思っています.最大1,200件くらいを想定しています.昨年は予想が的中しましたが,今年はどうでしょうか?
4月17日
(月)
 誘引トラップによる捕獲調査を始めました.定点は前年度と同じ,生活衛生センター,動物愛護センター,緑ヶ丘カンツリーの3カ所です.
5月 1日
(月)
誘引トラップの2回目の調査日でしたが,今回も1頭も捕獲されませんでした. 例年ですと,4月の下旬頃から何頭かが捕獲されるのですが・・・.
春先の低温の影響でスズメバチの活動開始が遅れているようです.
5月 6日
(土)
 朝から車で岐阜県の谷汲方面へ.途中でジャコウアゲハの乱舞を見て,谷汲村ではウスバシロチョウの乱舞が見られました.
 肝心なスズメバチは,コガタ,キイロ,オオ,クロの4種が飛んでいるのを目撃しました.ようやく本格的な活動が始まったようです.
5月 8日
(月)
 3地点に設置した合計6個の誘引トラップで8頭の女王バチが捕獲されました.内訳はコガタ2頭、キイロ1頭、モン5頭です.過去のデータと比較すると,やはり1〜2週間遅れ気味です.
5月15日
(月)
 コガタスズメバチの駆除依頼が4件ありました.内2件の駆除を実施しました.写真はその第一号です.ツツジの50cm位の高さに営巣していました.育房の数は15個,内13個には卵が産まれていました.もう1件の巣も,同じような形をしており,育房数は17個でした.昨年と比較するとやはり1週間程度発育が遅れています.
5月22日
(月)
 窓の下に置いてある脚立に営巣したコガタスズメバチの巣です.筒の部分が随分長くなりました.
 筒の長さは同じ時期でも巣により違っています.筒が長いのは保温のためとか,外的から巣を守るためであると考えられています.
6月3日
(土)
 5月の駆除件数は合計19件でした.昨年は14件でしたのでやはり少しペースが速くなっています.
6月5日
(月)
 今日駆除したコガタスズメバチ巣の育房は全部で28房で,内2房は既にさなぎになっていました.
 また昨年コガタスズメバチの巣を観察した湿地では,ツゲの花に今年羽化したモンスズメバチの働きバチが吸蜜に来ていました.
6月9日
(金)
 今週に駆除した巣では,ほとんどの巣でさなぎが見られるようになりました.まだ働きバチの羽化した巣はありません.後1週間から10日もすると働きバチが誕生すると思います.
6月16日
(金)
  今年初めて働きバチが羽化した巣がありました.育房の数は31個で,8個のさなぎうち1つが羽化していました.昨年の働きバチの初見日は6月14日でしたので,2日遅いことになります.
 今日現在の駆除件数は36件(昨年同期は29件)です.
6月20日
(火)
 今週に入っても相変わらずトックリ型の巣ばかりです.
 写真の巣はツゲに営巣していたもので,中心部にある4つの育房からは働きバチが羽化し,その後に次の卵が産まれています.トックリ型の巣の先端部も,囓られて少し短くなっていました.働きバチの羽化が本格化すると,巣は丸くなります.
6月26日
(月)
 ほとんどの巣で働きバチが羽化しており,巣はトックリ型から丸い形の変わってきました.左の写真では右半分はトックリ型の面影が残っていますが,巣穴は既に左側(→)に移っています.
 真ん中の巣は,数頭の働きバチが羽化して外役に参加するようになり,外皮の模様も複雑になっています.右はその内部の様子で,一番内側にトックリ型の外皮があり,周りに新しい外皮が作られたことが分かります.

   

6月30日
(金)
 このところ天候が悪くて駆除依頼は少なかったのですが,今日お天気もまずまずで,合計7件の駆除依頼が寄せられました.内3件は来週(7月)回しです.
 結局6月の駆除件数は46件で昨年の39件を上回りました.刺傷被害も既に2件発生しており,これからは注意が必要です.
7月7日
(金)
 好天が続いたこともあって,駆除件数は着実に増加しています.7日現在の駆除件数は95件になりました.
 順調な巣では直径が10cm位になって,育房数も100個を越えています.巣はこれから急速に大きくなります.
 刺傷被害も既に5件発生しており,植木の剪定作業などの際は特に注意が必要です.
7月21日
(金)

 当地方では雨量も少ないまま梅雨明けになりました.7月に入ってからは梅雨らしい天候はほとんどなく,連日暑さが続いています.
 駆除件数も昨年の5割増しのペースで推移していますが,巣の規模(育房数)はここ2〜3年では最も小さく,100房以下の巣が結構見られます.

7月31日
(月)

 7月も終わりになって,育房数が300個を越える巣も見られるようになりました.成虫数も30頭を越え,順調に大きくなっているようです.
 7月の駆除件数は146件でした.昨年は88件でしたので大幅に上回っています.

8月5日
(土)
 8月に入って,また暑さが戻ってきました.駆除件数も相変わらず多く,1日(火)から4日(金)までの4日間で36件を記録しました.
 右の写真は名古屋の中心部,中区で駆除したものです.
市街地にできた巣としては割合大きなものでした.
  
8月17日
(木)
 例年,お盆の間は駆除依頼が減るのですが,今年はこの間も以外と多くの依頼が寄せられました.
 写真は公園のアメリカフウにできた巣です.この時期としては標準的な巣で,巣の大きさはタテ16cm,ヨコ17cm,育房数は237個(2層),成虫は1頭の女王バチと,働きバチ42頭の合計43頭でした.
8月23日
(水)
 今年2件目のオオスズメバチの駆除を実施しました.巣は山頂の神社につながる階段のすぐ脇にありました.
 学童保育所の子ども達が,時々遊びに来ることもあるそうで,このまま放置しておくと刺傷被害が発生する可能性が強い場所でした.巣は地中の割合深い場所にあり,巣盤数3層,育房数1,482個で,1頭の女王バチと123頭の働きバチがいました.
8月31日
(木)
 8月の駆除件数は200件と,昨年の177件をを若干上回りました.コガタスズメバチについてみると,巣は全般に小さく,平均の育房数は162個と,過去10年間の平均の219個を大幅に下回っています.これなども今年の猛暑の影響ではないかと思っています.

9月3日
(日)

 9月に入っても暑い毎日が続きます.例年は9月が駆除のピークとなるのですが,昨年のように8月がピークとなることもあります.
 さて今年はどうでしょうか? 何となく9月がピークとなるような気がするのですが・・・.
 涼しくなって庭木の手入れが本格化すると,刺傷被害が多発します.被害防止に十分な注意が必要です
9月4日
(月)
 市内の緑地へスズメバチの駆除に行きました.内1件はオオスズメバチの巣でしたが,既に掘り取られた後でした.”ハチの巣に注意”の掲示が出ていたのを見たマニアの人が食用に持ち帰ったのでしょう.
 別の公園では,巣を探すために体に白いひもをつけられたコガタスズメバチの働きバチを2頭見ました.
9月8日
(金)
 ヒメスズメバチが,高層マンションなどの最上階付近を飛び回り,住民に恐怖感を与える事例が,昨年から目立つようになりました.9月に入り,今年も相談が寄せられています.写真は15階建てのマンションの屋上から北の方を見たところです.この日は9時半〜10時半の1時間調査を行い,13頭のオスを確認しました.
9月17日
(日)
 ニュースで報道されたように,集中豪雨による大規模な浸水被害が市内各地で発生しました.私の勤務する生活衛生センターでも,冠水した道路の消毒作業に,連日出動しています.そのため,スズメバチの駆除作業は全くできない状況です.この雨で,低い場所に作られた巣は,ダメージを受けた可能性があります.駆除依頼も25件ほどたまっており.しばらく忙しい毎日が続きそうです.(写真は消毒作業に,生活衛生センターを出発する薬剤散布車).
9月20日
(水)
 秋になると,オオスズメバチがニホンミツバチの巣を攻撃する姿がよく目撃されます.19日の午前中には,オオスズメバチとの戦闘に敗れたニホンミツバチが巣を放棄して逃去し,騒ぎになりました.現場を午後調査したところ,多数のミツバチの死骸と,28頭のオオスズメバチの死骸が落ちており,戦いの凄さを物語っていました.次から次へとオオスズメバチの働きバチが飛来し,ミツバチの幼虫や蛹を運び去っていました.
9月22日
(金)
 再度,19日の現場に立ち寄りました.さらに7頭のオオスズメバチの死骸を拾いました.巣穴の周りには,19日には全く姿が見られなかったミツバチが,少数ながら飛んでおり,オオスズメバチが時々やってくるものの,19日のようには自由に巣穴には入れないようでした.
 その後,27日午前中の現場を見ましたが,オオスズメバチの姿は全く見られず,多数のミツバチが穴から出入りしていました.
9月25日
(月)
 今年一番のビッグニュースです.1992年以来,8年振りにチャイロスズメバチの営巣を確認しました.市内で営巣している可能性をズッと信じていましたが,今まで営巣は確認できませんでした.
 黒い見慣れないハチがいるとが保健所から寄せられ,早速現地を調査したところ,果たせるかなチャイロスズメバチでした.
 壁間に営巣しているため,巣の詳細は不明ですが,働きバチが活発に出入りしていました.
9月29日
(金)
 今月の駆除件数は181件でした.昨年の9月の駆除件数を上回ったものの,3年連続で8月の駆除件数を下回りました.5月からの累計の駆除件数は592件となりました.最終的な駆除件数は750件程度になりそうです.

10月5日
(木)

 10月に入り,ほとんどの巣で,オスが羽化しています.一部の巣では新女王バチの羽化も見られます.写真の巣は,巣盤数3層,育房数532個の巣の3層目の巣盤です.巣盤には真っ白なさなぎの育房が写っています.赤く丸印を付けた育房からはオスが羽化します.残りの66個の育房からは新女王バチが羽化します.

10月6日
(金)

 相変わらず小さめの巣が多いのですが,名東区で今年一番大きな巣を駆除しました.写真の30cm物差しと比較すると,その大きさが分かると思います.
 巣盤数は5層ありましたが,巣の直径が23cmとそれ程大きくなかったため,育房数は957個でした.成虫数は,女王バチ1頭,オス74頭,働きバチ91頭の合計166頭でした.

10月12日
(金)

 モンスズメバチの営巣末期の巣を駆除しました.現場は周囲に雑木林が多く,非常に環境の良い所です.巣は2階天井裏の東端にあり,巣の下部は死骸や餌のかすなどで真っ黒によごれています.すぐ脇には数年前に営巣したと思われる,大きなキイロスズメバチの巣と,小さなモンスズメバチの初期巣が落ちています.他にも,モンスズメバチやヒメスズメバチの巣が4個見つかりました.
10月24日
(火)
 オオスズメバチの駆除を実施しました.神社の遊歩道脇のシラカシの樹洞に営巣していたものです.近くで作業を行ったため,2名の刺傷被害が発生しました.
 今年はいつまでも暑かったせいか,10月に入っても刺傷被害が多発しています.
10月30日
(月)
 駆除活動もピークを過ぎました.大部分の巣では,新女王バチが誕生しています.
 昨年51頭が越冬していた倒木では,早くもたくさんのスズメナチが越冬しています.写真の場所では12頭が集団で越冬しているのが見つかりました.
 まもなく,スズメバチの1年が終わります.
10月31日
(火)
 10月の駆除件数は.,138件でした.あと一ヶ月で今年の駆除活動も終了します.
11月9日
(木)
 11月に入り,コガタスズメバチの巣では,新女王バチが続々誕生しています.駆除要請も,今日は1件のみで随分少なくなってきました. 
11月13日
(月)
 クロスズメバチの駆除を実施しました.西部の市街地にある市営住宅の生け垣の根本に営巣していたものです.
 落ち葉の清掃中に刺傷被害が発生しています.巣盤数は6層,殺虫剤を使わずハチ採り用の煙幕を使って巣を掘り出し,幼虫と蛹は食用にしました.巣内には働きバチとオスがいましたが,新女王バチはまだ羽化していませんでした.
 巣盤の重量は約1Kgでした.
11月22日
(水)
 駆除依頼も1日1件あるかないかで,まもなくシーズンが終了します.
 巣の中には多少の成虫が残っているものの,攻撃性は無く,危険はありません.巣は標本にするため,解体せずに保管中です.
11月24日
(金)
 22日の覧で,成虫は少数と書きましたが,今日駆除した巣には,新女王バチ45頭,オス40頭,働きバチ25頭が巣の中にいました.新女王の蛹のセルが真っ白に写っています.
 この時期これだけ多数の成虫が巣内にいるのは,極めて珍しいことです.やはり暖冬の影響でしょうか?
 平均的な巣と較べると3〜4週間程度遅れています.
11月27日
(月)
 27日に駆除したコガタスズメバチの巣では,まだ女王バチが生きていました.ほとんどの巣では,女王バチは既に死亡しています.
 写真の女王バチは,翅がすり切れてしまって,もう飛ぶこともできません.
11月30日
(木)
 まもなくスズメバチのシーズンが終わります.11月の駆除件数は33件と随分少なくなってきました.
12月13日
(水)
 12月に入ってから2件の駆除依頼がありました.12月6日に駆除した巣には,新女王バチ,オス,働きバチが合計23頭いました.やはり暖冬の影響でしょうか?
12月23日
(土)
 12月11日に駆除した巣を最後に,駆除依頼はなくなりました.これで今年のスズメバチシーズンも終了です.最終的な駆除件数は766件でした.
 スズメバチ情報はこれで終了します.これからは越冬調査が始まります.

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