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さまざまな木に集団で止まる働きバチ


 2005年には”ハナノキとコナラにオオスズメバチが集団で止まっている”という情報が寄せられました.守山区にある東谷山フルーツパークではハナノキの幹に数十頭のオオスズメバチが群がっているのが確認され,生活衛生センターに相談が寄せられましたが,特に現地調査は行いませんでした.写真は2006年6月に撮影したものですが,幹の表面には囓られたような跡が多数残っています.
 コナラの事例も2006年になり判明したものですが,幹に多数の囓り跡が残っていました.また周囲にスズメバチ注意の掲示が残っていたことから,同じように多数のオオスズメバチが群がっていたものと思われます.このコナラは,樹液が出ている場所は1ヶ所もなく,2006年9月の時点でも全くスズメバチの姿は見られませんでした.
 2006年にも市内各地で同様な事例が見られました.西区庄内緑地では,ハチの姿はすでに全く見られませんでしたが,幹には多数の囓り跡が残っていました.
 名東区丁田公園では十数頭の働きバチがアベマキに集まっていました.30m程離れた場所に巣があり,刺傷被害も発生していますが,ハチの出入りはほとんど無く,何らかの理由で廃巣になった可能性があります.
 アベマキに集まっていたハチはこの巣に由来している可能性が高いと思われました.通常の樹液に来ている状態と異なり,ほとんどの働きバチが動き回ったり,飛び去ることもなく幹にジッと止まっています.近くまで接近しても特に攻撃してくる気配は全くないので,危険性は低いものと考えられます.
 アベマキやコナラなど,スズメバチが樹液によく集まってくる樹木では,今までこうした事例と区別されず見過ごされてきた可能性がありますが,最近になり増加しているようにも見受けられます.その原因としては,オオスズメバチの幼虫を食用に採取する人が,成虫をきちんと処理せず巣盤のみを持ち去るため,残された働きバチが樹液に集まってくるのではないかと考えられます.また,駆除の際,成虫の回収が不十分な場合に起こると考えています.


数十頭のオオスズメバチが集団で止まっていたハナノキ.幹には囓り跡が.(東谷山フルーツパーク)
40頭程のオオスズメバチが集団で止まっていたコナラ.幹には囓り跡が見える(東山公園)
幹に囓り跡が残るコナラ(西区庄内緑地)
2006年10月14日

枝に囓り跡が残るハルニレ(天白区天白公園)
2009年10月21日

アベマキの樹皮を囓る多数の働きバチ(名東区丁田公園) 2006年10月24日