TOPメニュースズメバチによる刺傷被害全国の刺傷被害発生情報 > 刺傷被害発生情報2012

新聞記事で見る全国の刺傷被害発生情報 2012


【スズメバチに刺され男性死亡  滋賀県】
 8月12日午後10時半頃,米原市内で,橋に作られたスズメバチの巣を駆除しようとした男性(57歳)が,スズメバチに刺されて橋の下に倒れているのが見つかり,病院に搬送されたが死亡が確認された.

【オーナーのコメント】
 かなり高い橋の下側にできたキイロスズメバチの巣を駆除しようとして刺されたケースである.新聞には”体にロープを巻き付け命綱にして作業した”とあり,ニュース映像からも,駆除するにはかなり高くて危険な場所であった.
無理をして駆除する必要はなかったケースと思われ,また駆除するにしても,不測の事態に備えて複数で従事することが望ましい.


【ハチに7人が刺される  長崎県】
 8月18日午後0時55分頃,長崎県対馬市で,登山者28人のうち7人がハチに刺されたが,いずれも軽症.女性1人がスズメバチに刺され,さらに下山する途中で6人がアシナガバチに刺された.

【オーナーのコメント】
 登山中の集団刺傷被害はしばしば発生しているが,この記事で疑問なのは,スズメバチに刺されたのは女性1人で,他の6人はアシナガバチに刺されたとされている点である.
 季節的にもアシナガバチの営巣活動はほぼ終わっており,しかも道路を歩いていてアシナガバチに複数の人が刺されるとは考えにくい.
 最初に一人を刺したハチ(キイロスズメバチ?)の巣では,興奮状態が続いており,再度近くを通行した際に,この巣のハチに6人が刺されたものと思われる.


【スズメバチに刺され男性死亡  岐阜県】
 8月25日午前7時20分頃,下呂市の飛騨川河川敷で,鮎釣りに来ていた男性(62歳)が,キイロスズメバチに刺され,病院に搬送されたが死亡した.

【オーナーのコメント】
 駐車場から川へ降りる途中,運悪くキイロスズメバチに刺されたもので,道ではない場所を通行していて被害にあっている.被害を防止するためには,できるだけ道路以外の場所を通行しないことが望ましい.
 特に藪こぎの際は,本種意外にもオオスズメバチの巣にも注意が必要である.


【スズメバチに刺され男性死亡  秋田県】
 9月5日午前7時頃,横手市内の山道で,農作業に出かけていた男性(68歳)がスズメバチに刺され倒れているのが見つかり,病院に搬送されたが死亡した.

【オーナーのコメント】
 新聞記事によると、近く畑を多数のハチが飛び交っていたとあり,農作業中に被害に遭い,逃げる途中でアナフィラキシーショックで倒れたと考えられる.
 オオスズメバチかキイロスズメバチによる被害であろうが,知らせを受けて現場に駆けつけた奥さんも二次被害に遭っており,不用意に現場に近づかないよう注意する必要がある.


【スズメバチに刺され女性死亡  宮崎県】
 9月6日午前10時20分頃,都城市内の自宅裏で草刈り中の女性(85歳)が,小屋の軒下に営巣していたキイロスズメバチに刺され,病院に搬送されたが7日死亡した.

【オーナーのコメント】
 高所に営巣したキイロスズメバチは,共存も可能であるが,巣の下を通行したり,近くで作業中に突然攻撃してくることもあるので注意が必要である.
 新聞記事には100カ所以上も刺し傷があったとあり,ハチ毒そのものが死亡の原因になった可能性もある.できるだけ速やかに現場から離れることが大切である.


【スズメバチに11人が刺される  大阪府】
 9月10日午後1時40分頃,和泉市内の川沿いで,野外学習中の小学生10人がスズメバチに刺され,病院に搬送されたがいずれも軽傷.また,通報で現場に駆けつけた警察官1人も刺されたが軽傷.

【オーナーのコメント】
 キイロスズメバチによる刺傷被害と考えられる.少人数が普通に通行している時には被害は発生しないが,子供たちが多人数で巣の近くを通行して集団で刺されるという事例はしばしばみられる.
 事前の調査が大切であるが,巣の発見にはスズメバチの生態に関する十分な知識と経験が必要であり,被害の予防は難しい.
 また,興奮したハチによりしばしば2次被害が発生するので,救助に際しては十分な注意と装備が必要である.


【スズメバチに7人が刺される  島根県】
 9月13日午前9時45分頃,松江市内の山道で,野外学習中の小学生6人とガイドの男性1人の計7人ががスズメバチに刺され,病院に搬送されたがいずれも軽傷.

【オーナーのコメント】
 キイロスズメバチによる刺傷被害である.巣は近くの木の上にあったとあったという.子供たちが多人数で巣の近くを通行して集団で刺されるという事例はしばしばみられる.
 事前の調査が大切であるが,巣の発見にはスズメバチの生態に関する十分な知識と経験が必要であり,被害の予防は難しい.


【スズメバチに5人が刺される  香川県】
 9月23日午前8時5分頃,三豊市内の神社で,草刈り中の大人5人がオオスズメバチに刺され,病院に搬送されたがいずれも軽症.巣は神社入り口の石段を少し登った向かって右側の地中にあった.

【オーナーのコメント】
 典型的なオオスズメバチによる刺傷被害である.巣は地中にあることが多く,しばしば草刈り中に被害が発生する.
 大型のスズメバチであり,巣に近づくと威嚇行動が見られるので,作業前に注意深く下見を行えば,事前に巣を発見することはそれほど困難ではない.


【スズメバチに26人が刺される  山口県】
 10月4日午前8時半頃,岩国市内の錦川沿いの道路で,通学途中の高校生ら26人がキイロスズメバチに刺され,一部が病院に搬送されたがいずれも軽症.巣は通学路脇のサクラの樹洞にあった.

【オーナーのコメント】
 キイロスズメバチによる刺傷被害は大きくなりやすい.営巣場所が通学路脇であり,今まで被害が発生しなかったのが不思議であるが,何かのはずみで被害が発生すると多人数が刺されることになる.
 同様の事例としては,2009年に京都市で50人が刺されたことがある.
 不特定多数の人が通る場所では,巣の所在が明らかな場合は早めに駆除しておく必要がある.


【スズメバチに刺され男性死亡  新潟県】
 10月5日午前10時頃,十日町市内の山林で,夫婦でキノコ狩りに来ていた男性(71歳)がスズメバチに刺され,病院に搬送されたが死亡した.

【オーナーのコメント】
 オオスズメバチかキイロスズメバチと考えられる.キノコ狩り等で山林に入る時には十分な注意が必要である.単独行動をせず,複数で出かけるのが望ましい.


【スズメバチに11人が刺される  徳島県】
 10月7日午前10時半頃,徳島市内の眉山で,登山道を歩いていた観光客ら11人がキイロスズメバチに刺され,病院に搬送されたがいずれも軽症.巣は登山道脇の高さ1mほどの樹洞にあった.

【オーナーのコメント】
 キイロスズメバチによる刺傷被害は,一旦発生すると大きくなりやすい.今回は山頂でイベントが開かれおり,多数の人が現場を通行したため,結果としてハチの巣を刺激し被害が発生したと考えられる.
 営巣場所が道路脇であり,巣の所在が明らかな場合は早めに駆除しておく必要がある.


【スズメバチに刺され男性死亡  新潟県】
 10月8日午前1時半頃,長岡市小国町内の山中で,3人でキノコ狩りに来ていた男性(77歳)がスズメバチに刺され,病院に搬送されたが,翌9日に死亡した.

【オーナーのコメント】
 10月5日にも同様の事故が同じ新潟県で発生している.オオスズメバチかキイロスズメバチのいずれかと考えられるが,キノコ狩り等で山林に入る時には十分な注意が必要である.ハイキングや野外活動の際は,むやみに林内に入り込まないのが一番である..


【スズメバチに4人が刺される  新潟県】
 10月10日午前9時頃,魚沼市の下権現堂山で,登山道を歩いていた児童2人と引率の大人2人の合計4人がスズメバチに刺され,病院に搬送されたがいずれも軽症.

【オーナーのコメント】
 子供たちが多人数で巣の近くを通行して集団で刺されるという事例はしばしばみられる.
 事前の調査が大切であるが,スズメバチの生態に関する十分な知識と経験がないと巣の発見は容易ではなく,被害の予防は難しい.


【スズメバチに15人が刺される  北海道】
 10月10日午前11時50分頃,河西郡芽室町の国見山自然観察教育林で,自然観察をしていた幼稚園児14人と引率の教諭1人の合計15人がクロスズメバチに刺され,病院に搬送されたがいずれも軽症.

【オーナーのコメント】
 クロスズメバチは攻撃性が弱く,集団被害はそれ程多くはない.地中に巣を作ることや,成虫も小さなため巣の所在に気付かず,直接刺激して被害が発生することが多い.


【スズメバチに11人が刺される  新潟県】
 10月12日午前11時頃,新発田市の大峰山で,登山中の小学生8人と教師2人,付き添いの父兄1人の合計11人がキイロスズメバチに刺され,病院に搬送されたがいずれも軽症.

【オーナーのコメント】
 少人数での調査時には何ともなかったが,子供たちが多人数で巣の近くを通行して集団で刺されるという事例はしばしばみられる.
 事前の調査が大切であるが,スズメバチの生態に関する十分な知識と経験がないと巣の発見は容易ではなく,被害の予防は難しい.


【スズメバチに3人が刺される  広島県】
 10月20日午前10時15分頃,廿日市市宮島町の弥山登山道で,高校生3人がスズメバチに刺され、病院で手当てを受けたがいずれも軽傷.巣は登山道そばの土手にあった.

【オーナーのコメント】
 営巣場所からオオスズメバチと考えられる.集団行事の際は注意が必要であるが,被害の予防は難しい.


【スズメバチに5人が刺される  茨城県】
 10月27日午後3時40分頃,日立市にある助川山市民の森で,ハイキング中の小学生2人と引率の保護者3人の計5人がスズメバチに刺され,病院で手当てを受けたがいずれも軽傷.

【オーナーのコメント】
 キイロスズメバチかオオスズメバチによる刺傷被害と考えられる.子供たちが多人数で巣の近くを通行して集団で刺されるという事例はしばしばみられる.
 事前の調査が大切であるが,スズメバチの生態に関する十分な知識と経験がないと巣の発見は容易ではなく,被害の予防は難しい.


【スズメバチに13人が刺される  愛知県】
 11月1日午後0時10分頃,名古屋市緑区の大高緑地で,林の中で遊んでいた幼稚園児10人と引率の職員2人の合計12人がオオスズメバチに刺され、病院に搬送されたが,いずれも軽症.また駆除作業中に1人が刺され,病院に搬送された.

【オーナーのコメント】
 林の中で遊んでいて被害に遭う事例もしばしばみられる.オオスズメバチによる被害は,野外活動が盛んになる秋に多く発生している.むやみに林の中に入り込まないようにする必要がある.