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ツゲに営巣したコガタスズメバチの観察日記


1999年5月12日〜11月2日まで,半年間のコガタスズメバチの観察記録です.

5月12日
(水)

ツゲの木の高さ1m位の所に,コガタスズメバチの巣を発見しました.トックリを逆さにしたような形の営巣初期の巣で,まだ女王バチが1匹で巣作り中です.順調にいけば1ヶ月後には働きバチが羽化します.スズメバチの巣を偶然見つける機会はそんなに多くありません.この幸運に感謝しつつ,急遽スズメバチ日記を作ることにしました.途中で女王バチが死亡して廃巣にならないことを願っています.

5月25日
(水)

 

巣の様子を見に行きました.形にはまだ変わったところがありません.しばらく待っていると巣の中から女王バチが外へ出かけていき,数分後には巣に戻ってきました.

6月8日
(火)

2週間ぶりに巣の様子を見に行くと,筒の部分が一部破損していました.いたずらで破損したのではなく,ハチ自身によって開けられたようです.働きバチが羽化したのではないかと思われました.10分程待っていると女王バチが外役から帰ってきました.そして2分後には働きバチと女王バチが相次いで外へ出かけて行きました.やはり働きバチが羽化したようです.

6月15日
(火)

トックリ型の首の部分が削りとられて巣は丸くなっています(下側に削り残された首の部分が少し残っている).外皮も以前のように一枚ではなく、新しい外皮が外側に出来ているのが分かります.この時期の巣では巣穴はまだ下向きが普通ですが、この巣ではすでに横向き(南東向き)に開いています.巣の中の様子は分かりませんが,10数分待っていると働きバチが3頭相次いで帰ってきました.

6月28日
(月)

巣も一回り大きくなり随分しっかりした感じになりました.働きバチがいろいろな場所で巣材を集めてくるので表面にはスズメバチ独特の貝殻状の模様ができています.デジカメを近づけると警戒のハチが巣穴から頭を覗かせました.まだ成虫の数はそれ程多くないためか,10分ほど待ちましたがその間に出入りは一匹もありませんでした.

7月19日
(月)

ここ2週間ほど巣の大きさに変化がありません.外皮の様子も6月28日の写真と見比べても変わっていないようです.女王バチが死亡した可能性が考えられますが,現時点では原因は不明です.

8月10日
(火)

久しぶりに巣の様子を見に行きました.大きさ,外皮の様子ともに全く変化がありません.やはり女王バチが死亡したと思います.巣の付いた枝を軽く揺らすと働きバチが1頭外に出てきました.巣の中にも2〜3頭いる様子ですが,働きバチの死亡とともに廃巣になりそうです.

8月31日
(火)

 

3週間ぶりに巣の様子を見に行きました.巣の大きさは6月28日以降全く変化がありません.巣穴からはまだ働きバチが顔を覗かせていました.イソノキにはもう黒い実がなっていて,少しづつ秋の気配です.

9月28日
(火)

 

巣をゆらすと働きバチ数頭外に出てきます.この巣はまだ女王バチが健在のようです.駆除した巣の中にも,明らかに女王バチがいるのにあまり大きくなっていない巣が時々見つかります.巣が空になったら回収するつもりですがまだしばらく時間がかかりそうです.

11月2日
(火)

前回から1ヶ月以上も間隔が開いてしまいました.枝を揺らしてもハチは全く出てこないので巣を撤去しました.巣の大きさはタテ12cm×ヨコ12cm,巣盤数は2層,育房数は合計107個でした.成虫が羽化した育房は57個ありました.何頭成虫が羽化したかは育房の底にある糞の固まりの数を調べると分かります.その結果104頭羽化したことが分かりました.中心部の育房では3回羽化していました.


11月2日に撤去した巣の様子をさらに詳しく観察すると・・・

同じ日に近くで
駆除した成熟巣
(右側)と大きさを
比較したところ.

巣の内部の様子

1層目の巣盤
育房数:97個

幼虫はさなぎにな
る直前にまとめて
糞をするので固ま
りになっている.