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キオビホオナガスズメバチ  Dolichovespula media (Retzius, 1783)


体長は女王バチ19〜22mm,働きバチ14〜16mm,オスバチ15〜20mmで,黒色の体に黄色の班紋があります.北海道と本州に2亜種が分布し,北海道では平地から低山地に生息しており,市街地での営巣事例も多く見られます.本州では500〜1,000m以上の山地に生息し,特に中部山地に多く見られます.

女王バチは5月中旬〜6月に営巣を開始し,働きバチは7月から羽化します.オスバチと新女王バチは8〜9月に出現します.新女王バチの羽化数は営巣規模により異なりますが,50〜200頭です.

営巣場所は開放的な場所で,コガタスズメバチと同じように木の枝や人家の軒先などです.巣の外皮は灰色の和紙状で,巣の形は下の方が細くなった提灯型をしています.出入り口は巣の下方にやや横向きについています.巣盤数は3〜4層,育房数は300〜1,500房位になります.幼虫の餌として生きたハエ,アブ,ガなどの昆虫やクモなどを狩ります.

攻撃性,威嚇性ともホオナガスズメバチのなかで最も強く,営巣活動の最盛期には,巣に1〜2mの距離まで近づくと攻撃してくるので注意が必要です.

キオビホオナガスズメバチの巣 キオビホオナガスズメバチの巣 キオビホオナガスズメバチのオスの標本
ナナカマドの枝に作られた巣 樹枝に作られた営巣末期の巣 オスバチ(標本)