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コガタスズメバチの巣のしくみ


越冬を終えた女王バチによる5月の営巣開始から,最初の働きバチが羽化するまでの約1ヶ月半位は,女王バチが一匹で巣作りと子育てをします(単独営巣期).この時期の巣はトックリを逆さにしたような形をしており,巣穴は下を向いています.これは本種と八重山諸島に生息するツマグロスズメバチのみの特徴で,外敵の侵入防止や巣内の保温のためだと考えられています.

巣は外皮が1層しかなく,大変もろくなっています.巣の色は巣材の違いから,白っぽいものから濃い褐色まで様々で,外皮の模様や筒の部分の長さもずいぶん異なっています.働きバチが羽化すると,筒の部分が壊されて巣は丸くなっていきます.新しい外皮を外に張りながら,内側を削り取って巣盤の材料に使います.そのため,巣は丸いまま次第に大きくなっていきます.


女王バチによる単独営巣期の巣

5月


働きバチの羽化後(共同営巣期)の巣

6月


分業期以降の巣

8月

10月


コガタズメバチの巣は何段にもなった巣盤とボール状の外皮があることが特徴です.外皮は何枚もの層からなり,間に空気室と呼ばれるすき間があります.これは外気との断熱効果があり,巣の内部の温度を一定にするのに都合よくできています.

巣は樹皮をかじり取ったものをだ液と混ぜて作ります.働きバチが羽化すると,あちこちで巣材を集めてくるため,材料の違いから,外皮の表面には特徴のある貝殻状の模様 ができます.スズメバチの巣はいわゆるパルプの巣で,比較的もろいのですが,水をよくはじき風雨から巣の内部を守ります.巣には1カ所の巣穴(出入り口)があります.巣穴はいつも同じ大きさではなく,活動が活発な日中は大きく,夜間は小さくなります.巣穴からは常に見張りのハチが外をうかがっています.

巣盤には六角形の育房が整然と並んでおり,子育てに利用されます.幼虫の間は糞をせず,さなぎになる直前に1回まとめてするだけですので,巣盤を割ると育房の奥に黒い糞の固まりが見られます.成虫が羽化した後の育房にはまた次の卵が産まれ,再び子育てに利用されます.