セグロアシナガバチ Polistes jokohamae Radoszkowski

体長は21〜26mmで,日本産のアシナガバチの中では最大の種類です.市街地で最も普通に見られ,4月中旬頃から人家の軒下や木の枝などに巣を作ります.柱や板壁,杭などの表面を削り取って巣の材料にします.働きバチの羽化は5月下旬〜7月で,オスと新女王は7月下旬〜9月に羽化します.

大きな巣では育房数は300〜400房,働きバチは50頭ほどになりますが,一般的には200房未満です.オスや新女王は10月〜11月まで巣上に集団で止まり静止していることがあります.このため人目に付きやすく相談が寄せられることがありますが,ハチの体に直接触れない限り刺されることはありません.

また,新女王が越冬のため巣の上や人家の外壁,屋根裏や天井などに集団となって静止していることがありますが,やはり攻撃性はありません.寒さが厳しくなると共に巣に止まるハチの数は減ってきますが,そのまま巣上(巣の背面)で越冬することもあります.

アシナガバチの中では攻撃性はやや強く,被害は6〜8月に巣を刺激して刺されるケースと,10月〜11月に巣を離れた新女王が洗濯物や布団に潜り込み,室内に取り込んでから知らずにハチを圧迫して刺されることにより発生します.



キアシナガバチ Polistes rothneyi Cameron

体長21〜26mmとセグロアシナガバチとほぼ同じ大きさです.市街地には少なく,周辺に雑木林や緑地が多い名古屋市東部の各区で普通に見られます.大きさのよく似たセグロアシナガバチと較べると,体全体が黄色っぽい感じがします.

4月中旬頃から人家の軒下や木の枝などに巣を作ります.巣はセグロアシナガバチよりも大きくなることが多く,大きな巣では育房数は300〜400房,働きバチは50頭以上になります.アシナガバチの中では攻撃性は強く,クワガタ採りにいった子ども達が,近くにあった巣に気付かず,数人が被害にあったこともあります.

セグロアシナガバチと同じように,新女王バチやオスバチが10月〜11月頃まで,巣上や外壁などに集団で止まlっていることがあります.また,越冬のため人家の屋根裏や天井などに集団となって静止していることがあります.



フタモンアシナガバチ  Polistes chinensis antennalis Perez

 体長14〜18mmとセグロアシナガバチに比べて小型の種で,名前の由来は,腹部に黄色い2つの斑紋があることによっています.市街地,特に周りに草地や畑などがある人家周辺で普通に見られます.

越冬した女王バチは3月下旬より出現し,家屋の屋根瓦の下や軒下,木の枝,草むらなどに巣を作ります.この写真のように垂直の巣を作ることも少なくありません.大きな巣では育房数は300〜1,000房,働きバチは50頭ほどになります.

10月〜11月にかけての暖かい日に,庭などを多数の本種が飛び回っていることがありますが,これらは全てオスなので刺されることはありません.  北海道には本種の他に,近縁のトガリフタモンアシナガバチが生息しています.



キボシアシナガバチ Polistes nipponensis Perez

 体長12〜18mmと小型でフタモンアシナガバチと同じくらいの大きさです.市街地には少なく,東部丘陵地の雑木林や緑地周辺でヤブガラシなどを訪花する個体を時々見かけます.

巣は地表から1m〜2mの木の枝や葉の裏などに作られますが,見かける機会は多くありません.本種とヤマトアシナガバチの巣は育房のキャップが黄色をしていて良く目立ち,他種との区別は容易です.

大きな巣でも育房数は100房を超えることは少なく,働きバチも十数頭ほどにしかなりません.威嚇性,攻撃性は他種と比べてやや強く,剪定作業中などに刺傷被害が発生します.



ヤマトアシナガバチ Polistes japonicus de Saussure

体長12〜22mmとセグロアシナガバチより一回り小型のハチです.東部丘陵地の雑木林や緑地の周辺でヤブガラシなどを訪花する個体を見かけることがありますが,本市では稀な種類です.

営巣活動は4月下旬より始まり,草木の茎や細い枝などに作られます.本種とキボシアシナガバチの巣は育房のキャップが黄色をしていて良く目立ち,他種との区別は容易です.

営巣規模はアシナガバチの中で最も小さく、大きな巣でも育房数は50〜70房で,働きバチも十数頭ほどにしかなりません.威嚇性,攻撃性はアシナガバチの仲間では最も弱く,巣を直接刺激しない限り刺される心配はありません.



コアシナガバチ  Polistes snelleni

 
準備中!    


ムモンホソアシナガバチ  Parapolybia indica

体長は約15〜20mmで,他のアシナガバチに較べて細長い体型をしています.体の色は黄色で淡褐色の斑紋があリます.

林縁の低木などの葉裏によく営巣し,最盛期には働きバチ数は100頭位になります.コナラなどの樹洞で集団で越冬します.攻撃性はやや強く,草刈り中に 刺傷被害が発生します.

名古屋市内では稀な種類で,東部丘陵地の各区で時折成虫を見かけることがあります.本種とよく似たヒメホソアシナガバチ Parapolybia varia のメスの頭楯には,本種には無い黒褐色の縦紋があるので区別は容易です.