| 窓から射し込む光は、まだ明るさを残して室内を照らしているのに、年下の恋人は、キスで溶かされた龍麻に、白い裸体を余す所なく晒す事を望むのだ。 「なんや、随分久しぶりな気ィするわ。こうして、アニキに触れんの」 恥ずかしいことを要求しておきながら、うっとりするぐらい甘い声で囁く劉が恨めしかったけれど、背筋を這い上がる官能に耐えきれず、龍麻はその背中に腕を回してしがみついた。 「俺も…久しぶりでドキドキしてる」 重なる肌からは、火傷しそうなくらい熱い熱が伝わってくる。触れる胸の鼓動は、相手に聞こえてしまいそうなくらい激しい音を刻んでいた。 「ワイもドキドキしとる。アニキに心臓の音、聞こえてしまいそうやわ」 子猫がじゃれるように頬を摺り寄せた劉は、目の前の柔らかな耳朶に舌を寄せて唇で挟んだ。 「んっ…みみ…やっ…」 耳が弱いのは既に知っているけれど、上がる龍麻の声が聞きたくて、唇で優しく愛撫を送る。 「んっ…んん」 弱い刺激に、逆に煽られる。舌が触れる場所から、じわじわと甘い痺れが広がっていく。 「アニキは嘘つきやな、ココ、もうこんなやで」 クスクスと楽しそうな忍び笑いと共に降りてきた劉の手は、すでに形を変えていた龍麻のモノをやんわりと手の中に握り込む。 「やっ!…やめっ…劉?!」 敏感な体は、それだけで朱を散らしたように赤くなる。 透けるように白い肌を、桜色に染めて愛撫を受け入れる龍麻の姿に、劉のモノも形を変え始める。 「久しぶりやから、辛抱きかんの?ちょっと触ったたけで、イッてしまいそうやで」 恥ずかしい事を言う劉の手に、我慢ができない龍麻のソレは、あっという間に追い上げられて、先端から透明な滴を溢れさせてしまう。 「んんっ…」 「可愛いな、アニキ。なあ、ワイのこと欲しがってや。ワイがアニキを欲しいて思うのとおんなしやなくてもエエ、ワイのこと欲しがって」 震える性器をくちゅくちゅと弄りながら、敏感な首筋を唾液の跡を残して舌で辿り、更に敏感な胸の飾りへと劉の舌が進む。 「りゅっ…」 「好きや、アニキ。アニキだけ、好きや」 快楽に乱れる龍麻の姿に満足したように、囁きが繰り返される。 痛いほど立った乳首が触れた髪にさえ反応して、龍麻は背中を反らせる。 「んっ…ああっ…」 「めっちゃ可愛いなアニキ、ワイのこと、欲しがってくれてるんやな」 感じやすい龍麻の乳首に、満足したようにキスをする。 「アニキのココ、濡れとる」 「やっ…いやだっ…」 するりと内股に滑り込んだ劉の手が、ぐっちょりと濡れた龍麻の尻の割れ目を指で探る。 「ああっ…」 劉の指が入ると、ジンと痺れたように奥が疼いた。 「今まで、こんなんならへんかったのに。ずっと我慢しとったん?」 受験勉強があるからと劉を遠ざけていた間、体は心より正直に恋人の指を求めていたようで、潜り込んできた指を締めつけて放さない。 「逢えへん間、ワイのこと思ってココ、弄っとったんやろ?」 くちゅんと卑猥な音を立てて、2本目の指を呑み込ませられる。 「やだっ…」 奥を探られると、自然と腰が揺らめいてしまうのを止められない。 痴態を晒す自分の姿を恥ずかしいと思うのに、劉の指を呑み込んだ内側はまるで口腔のように絡みついていく。 「答えてや、アニキ。こっちも弄っとったんやろ?」 龍麻の口から恥ずかしい言葉を聞きたくて、追い詰めるように劉の指が中を探る。 「んっんんうっ…いっ…やだっ…言う…か…らあ…やめっ…」 性感を直接刺激してくる指の動きに耐え切れなくて、龍麻はとうとう音を上げた。 「ほな、言うてやアニキ。ワイと逢わんかった間、一人でどないしとったん?」 ベッドに龍麻を押し付けたまま、見せ付けるように濡れた指に劉が舌を絡める。 「…して…たよ。劉が…してくれること考えて…自分で…してた」 恥ずかしい告白に、顔を背けよとする龍麻の頬に手を添えて、優しくその唇に唇を重ねる。 「めちゃくちゃ嬉しいわ、アニキ。今日はできひんかった間の分埋めるくらい一杯しような」 そう言った劉の手が、腰に絡みつく足を持ち上げて秘所を晒した。 仰向けに寝かされた両耳の脇に膝を押し付けられた、でんぐり返しの途中みたいな格好に龍麻の全身がカッと赤くなる。 「んー、アニキのココ、ヒクヒクしとる。ホンマ、可愛いわ」 引き締まった、だけど柔らかい尻の丸い丘に、嬉しそうにチュウッとキスをする。 「んっ…いっ…やだ、劉!こんな格好…」 全部見えるじゃないか。赤くなった顔を両手で隠しながら、消えそうなくらい小さな声で龍麻が呟いた。 チュッ。 尻にもう一度キスを感じた後、意に反してまじめな声が聞こえた。 「アニキの全部見たいんや。ワイが知らんこと、一つも無いて言えるくらい、アニキのことは全部知りたいねん。堪忍な、恥ずかしいんはよう分かっとる。ワイが悪いねん。後でいっぱい怒られるし、今だけ、我慢したってくれへん?」 「んっ…」 しがみつく腕をやわらかくはずすと、愛撫を欲しがるちっちゃな蕾に、顔を寄せた。 「はぁ…っ」 入り口をほぐすように円を描く指先に、自然と腰が揺れてしまう。 「んっ…やっ…りゅ…」 自分から濡れ出したソコは、進入してきた3本目の指をも嬉しそうに呑み込んでいって、そんな自分の体のあまりの淫らさに、龍麻は羞恥で死んでしまうかと思ってしまった。 「あっ…んっ…ああっ…りゅ…」 指で広げられたひだの奥に指をつたって滑り込んだ舌が中まで濡らしていく。 「やっ…ああ…」 ぐちゅぐちゅと、指を抜き差しするびに聞こえる濡れた音と、後ろの刺激に達してしまいそうで、抱えていた足から手を放すと、限界の苦しみに涙を流す自身の根元をぎゅっと握り締めた。 「イキそうなら、イッてもええんよ、アニキ」 「だめだっ…さわっるな…っ…くっ…」 伸ばされた劉の指先に触れて欲しいのに、それだけでイッてしまいそうで、左右に首を振って手を拒絶する。 「なんで?苦しいんやろ?」 「やっ…いっしょ…イッ…はぁ…りゅ…」 荒い吐息の下から、切ない気持ちを言葉にする。 「気持ち良うて気持ち良うて、どうにかなってしまいそうなくらい気持ち良くしたるつもりやったのに」 汗ではりついた前髪を指ですいて、手の中にすっぽり納まりそうなくらい小さな顔にキスの雨を降らす。 「ゆっくりするし、痛かったら言いや?」 「…」 もう言葉を発する事も出来なくて、ただ劉の言葉に頷きを返す。 「んっ…。」 まだ押し当てられただけの劉のソレを欲しがって、意志とは別に後孔が収縮する。 「あっ…」 あさましいほどに劉を求める体に龍麻が羞恥を感じる前に、劉の手で広げられたソコに熱いモノが押し入ってきた。 「あぐっ…くうっ…」 性急過ぎた挿入に、龍麻の唇から苦痛の声が漏れた。いくら気持ちが欲していても、久しぶりの行為に体は痛みを先に感じてしまう。 「息つめんと、アーって声だし、アニキ。ホラ」 色を失った唇に開かせる為に、噛み締めた歯を無理やりこじ開けて指を指し入れる。 「ワイの指、噛んでええから、息つめんと楽にしたってや」 コクコクとうなずく龍麻の体を抱きよせると、手をそえたソレを龍麻の中へ押し入れていく。 「あっ…はっぐっ…」 歯をくいしばりたいのに、劉の指が邪魔して口が閉じられなくて、のどの奥から押し殺せない悲鳴がもれた。 「もうちょっと辛抱してなアニキ、今一番キツイとこすぎたとこやから」 「あっ…はぁ…」 返事が出来ないかわりに口の中の指に舌を絡めて、大丈夫だと伝える。 涙でかすんだ目にはやさしく微笑む劉の顔が見えて、安心したようにつめていた息をはいた時、一気に奥まで劉が入ってきた。 「はっ!…あっ…あああ…りゅ…」 奥までいっぱいに感じるソレに、にぶい痛みが走る。 「アニキ、大丈夫か?やっぱ痛い?」 「うっ…うう…」 痛みを感じているはずなのに健気にも微笑を返そうとする龍麻に、いけないと知りつつも劉の下肢は昂ぶってしまう。 「やあっ…」 体内を一杯にしている劉のモノが、更に大きさを変えて龍麻に声を上げさせる。 「アニキ、力抜いてや。酷いことは絶対にせんから」 髪を撫でる手の優しさと、耳朶をくすぐる囁きにウソのように痛みが薄らいでいく。 「劉…」 「まだ、辛い?アニキ」 心配そうに覗きこむ劉に、今度は無理に作ったんじゃない笑顔を向ける。 「大…丈夫。そんな…ったくないから」 動いてもいいよ。そう告げる龍麻の眼差しに、抑えこんでいた劉の我慢が切れた。 「好きや、アニキ」 そう囁いて劉がゆっくりと動き出した。体内を擦り上げる劉のモノに、急速に快感が高まっていく。 「りゅ…劉…」 体を繋いで始めて、自分がどれだけ劉の温もりに餓えていたのかを思い知った。 「あっ…ああっ…はぁ…」 もっと貪欲に貪って欲しくて、自分から唇を合わせた。 「りゅ…もっ………ああっ…」 「アニキ…ワイも」 折れそうなほど強く抱きしめられて、激しく奥まで突き上げられた。限界がすぐそこまで来ているのが分かっているのに、この熱い時間を終わらせたくなかった。 「やだ…りゅ…まだ…あっあああ」 「アニキ…」 最後に一層激しく突き上げられて、耐える間もなく龍麻は熱い精を滴らせた。 「りゅ…」 「くっ…アニ…キ…」 「あっ…あつ…い…」 最奥にたっぷりと注がれた液の熱さに、果てた体が再び熱くなってしまいそうで、龍麻は力の入らない手で劉の首にしがみ付いた。 「ごめん…アニキ。ワイ…」 「えっ?…あっ…りゅ…う」 萎えた筈の劉のモノが、再び硬さを取り戻して中を一杯にしていくのが分かる。 「やっ…ああっ…りゅ…っんー」 一度目の快感が引く前に、2度目の快楽が襲ってきた。 全身を駆け巡る官能の渦に、龍麻は身を任せた。 耳元に聞こえる規則正しい音に導かれるように、龍麻の意識がゆっくりと浮上していく。 「…んー…」 目を開けて一番最初に飛び込んできた、自分を優しく見つめる劉の眼差し。 「目ぇ、覚めた。アニキ?」 身じろいだ反動でズレた毛布を肩まで引き上げて、まだ寝惚けている龍麻を包み込みながらそっと背中を撫でる。 「堪忍な、アニキ。あんなんするつもり、全然なかったんやけど…」 沈んだ声がして見上げると、自己嫌悪に陥った劉の顔があって、つい頭を撫でてやりたくなってしまった。 「怒ってないよ」 「ホンマ?ホンマに怒ってへんの?」 半信半疑の表情で覗きこむ劉の唇に、そっと触れるだけのキスをすると、暖かいその胸に体を預けた。 「なんか…お腹いっぱい…かも」 幸せで。と続くはずの言葉は、無粋な恋人の言葉で台無しにされてしまった。 「そりゃあそうやろ、ワイ、全部アニキの中に出してしもたし」 「なっ…なにいっ…誰がそんなこと言ったよ!このバカ!」 あんまりにも恥ずかしい、ムードを無視した劉の言葉に、カッと頭に血が昇るのを感じた龍麻は、抱きしめる腕から逃れるように背中を向けた。 「えっ?ええっ?なんや違うんか?なぁ、アニキィ」 両手で耳を押さえると、体を丸めて劉の言葉を拒絶する。 「アニキ…なんや分からんけど、怒らしてしもたんなら、謝るし。許したってぇな。なぁて、アニキ?」 剥き出しの白い肩に、何度も唇を押し当てて劉が許しを請う。 久しぶりの甘い逢瀬をダメにしてしまいたくなくて、真摯に謝罪を繰り返す。 「アニキ、ホンマに堪忍してや。ワイ、なんやおかしい事言うたんか?言うてくれんと分からんし。なぁ、アニキ」 そうっと、拒まれることを恐れてそっと触れてくる劉の指先を、龍麻は諦めと共に受け入れた。 「アニキ?」 「…俺が、俺がお腹いっぱいって言ったのは、劉のが…いっぱい…って意味じゃなくて、いっぱい、愛されて、幸せだなって。そう言う意味で…うわっ!」 「アニキ!!せやったらワイも、ワイもお腹いっぱいやわ。アニキが好きやて言うてくれたら、それだけで幸せやから。いっぱい好きって言うてもろたさかい、ワイも、幸せでお腹いっぱいや」 ふわりと背中から抱きしめられて、熱いキスが首筋に降り注いだ。 「りゅっ…」 「ワイ世界で一番幸せや」 うっとりと耳元で囁かれて、その大げさな物言いに笑いが漏れる。 「なんで笑うねん。よう考えてみぃ。ワイはアニキが好きなんや、そんで好きになって欲しい人は、アニキだけなんや。で、アニキはワイを好きやて言うてくれた。これってめちゃくちゃすごいことやで。好きになって欲しい人に好きって言うてもらえるんやもんな。それに、アニキなら誰でも選べたのに、ワイの事選んでくれた。これはもう、奇跡やで。な?これで、ワイが世界中で一番幸せやて言う意味、わかったやろ?」 「なんか、めちゃくちゃな理由だなそれって。でも、分かるよ言いたい事。俺も、劉以外に好きだって言われても答えらんないし。劉以外に好きだって言うつもり無いし」 幸せで胸が熱くなる。さっきまであんなに怒ってたのに、もうすっかり忘れてしまっている自分に、龍麻は笑いが込上げてくるのを押さえられなかった。 「なに?アニキさっきから笑ろうてばっかりや。ワイそんなにおかしい事言うたんか?」 「クスクス…違うよ、幸せだなって思ったら、ね」 ゆっくりと振り返ると、待ち受けていた劉の腕の中にすっぽりと納まる。 「笑らえるんわエエ事や。アニキが笑ろてるとこ見るの、ワイ、好きや」 「う…ん……んっ…」 降りてくる甘い口付けを唇に受けながら、劉が隣にいればいつでも笑っていられると思う龍麻だった。 そう、二人でいれば、チョコなんか無くても、甘くて幸せな気持ちになれる。 |
如何でしたでしょうか?
かなり甘々です。
どうしましょうかねぇ?
感想とか聞かせていただけたら嬉しいです。
それでわっ。