俺はいい人でいたかった
だから夢の中でおまえの裸を想像していても
実際には電話で感情を伝えることも
二人で飲みに行こうと誘うこともしなかった
あいつを入れて三人で飲んで
二人の中を冷やかしたりもしたんだ
俺はいい人でいたかった
だから電話をくれるおまえに
本当はおまえの体も心も欲しくて欲しくて苦しいから
二度と電話してくるなとも言えなかった
それどころかいたわるような言葉さえ並べ
あいつに電話してやれなんて
吐き気のするような人間だった
俺はいい人に見て欲しかったんだ
でも、でも、でも本当は
嫉妬で悔しくて苦しくて
俺を好きになってくれと
胸の奥でいつも叫んでいたんだ
俺はいい人でいたかった
おまえとあいつに好かれていたかった
だから俺は二人が憎くなった