【新・暮らしの百科】12月

師 走

12月の異名といえば“師走(しわす)”があまりにも有名で、他の異名はかすみがちですが、結構さまざまな異称があります。

1年の極まりの月だから“極月(ごくげつ)”、冬至梅(とうじばい)のように早咲きの梅が開花するので“梅初月(うめはつづき)”、新年初春が待たれる“春待月(はるまちづき)”の他、“親子月(おやこづき)”“弟月(おととづき)”“乙子月(おとごづき)”“三冬月(みふゆづき)”などとも呼ばれます。

陰暦では10月、11月、12月を冬の季としていたため12月は晩冬で三番目の冬月というので“三冬月”と言われるのは判ったような気になれますが、“親子”“弟”“乙子”と呼ぶのはその意がはっきりしません。

ところで“師走”に次いで有名なのが“臘月(ろうげつ)”ですが、臘は猟(りょう)のことで、狩りの獲物の獣肉を供えて先祖百神をまつる“臘祭(ろうさい)”が12月に行われた中国古俗からきている名称。礼記には「歳の12月、万物を合聚して、之(これ)を索饗するなり」と書かれ、12月を“臘月”、大晦日を“臘日(ろうじつ)”と呼ぶのだそうです。

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