廻りて…… 
 
ベランダに 鳥が止まった
白い鳥

目が赤くて
羽根の先だけが青くて
仲間から逸れてしまったような
白い鳥

鳥が鳴く
短く鋭い声

彼の呼ぶ声が聞こえる
優しい呼び声

ねえ つれて行ってよ
一人にしないでよ
もう 一人は堪えられない

逢いたい……
逢いたい……
逢いたい!

お願い
迎えに来て


もう……
……一人はいやだ





……透
俺の透

泣かないで
泣かないで

……透
お前が泣いているかと思うと
俺も辛い

だから……
笑って
前のように……
いつものように……

きっと巡り逢える
その人のために


……その人のために





ベランダに 鳥が止まった
白い鳥
目が赤くて
羽根の先だけが青くて
仲間から逸れてしまったような
白い鳥

鳥が啼く
短く鋭い声

僕を呼ぶ声が聞こえる
優しい呼び声

ねえ つれて行ってよ
一人にしないでよ
もう
一人は堪えられない

逢いたい……
逢いたいよ

夢のあと
目覚めるのが恐い

彼がいない……
そればかりが
目の前にあるから






きみが涙を流す夜は
私が傍にいる
決して 一人にはしない


愛しい人と過ごした夜の数だけ
私もきみと過ごそう
そして
その数を越す夜を

きみが流した涙の数だけ
きみと共にいよう
そして
その数を越す笑顔を


そして私はきみに告げよう

いつも 三人一緒だよ と

だから
……だから
今はゆっくりお休み……

哀しい夢など
見ぬように……
この腕の中で……

ゆっくり
お休み……





ベランダに 鳥が止まった
白い鳥
目が赤くて
羽根の先だけが青くて
仲間から外れてしまったような
白い鳥

鳥が鳴く
短く鋭い声


あなたの呼ぶ声が聞こえる
優しい呼び声

僕には微睡むことの出来る
温かい腕がある
 
だから……
お前も飛んで行け 

きっと
どこかに
お前の比翼の相手がいる

きっと 逢えるから

逢えるから……




二人分  愛して

あなたの腕の中で





<二人分  愛してあげる
きみに優しい夢を……