遺言親友(とも)よ 僕がもし 君より先に死んだら お葬式もお墓もいりません。 僕の身体を 深い深い森の大木の下に そのまま埋めて下さい。 なぜなら僕は 何も役に立たない人間 何も出来ない人間 僕の身体は土になり、 養分として木に吸われ、 大木はますます大きくなっていくことでしょう そして、その木は 鳥たちや獣たちに憩いの場所を作ることでしょう。 嵐の時はその木は彼らを守り、 夏の日を柔らかくして、 根本の草花や虫たちを守り 時には下を通る旅人たちを守ることでしょう。 木はやがて花が咲き、 その実は鳥たちが 楽しげについばむことでしょう。 だから親友よ 僕がもし 君より先に死んだら お葬式もお墓もいりません。 僕の身体を 深い深い森の大木の下に そのまま埋めて下さい。 それだけでいいのです。 |