８．外構工事までとんとん拍子？ |
| さくらんぼとつばさの期限厳守でないと落ち着かない性格のおかげで、支払いは滞りなく終えました。いえ、むしろ期限の前日振込が多かったです。銀行の人は、珍しいものでも見るように私たちを見ていましたが。 どうやら支払期限を守らない人が多いようです。ローン等の貸し渋りの問題もあるのでしょう。現に、私たちより早く工事を始めたある御宅は、途中で何度も工事が止まっていました。通り道にあったので見るともなく見ていたのです。 他人様の御宅のことをとやかく言いたくないですけど、その御宅、始めは外壁が白い色でした。しかし、見えてきた我が家の外壁が薄茶色なので、濃い茶色に変えてしまったのです。その御宅だけではありません。私達の真似(？)をして外壁だけ茶色に変えてしまった御宅が続出でした。そうまでして、見栄を張らなくていいのにと私は呆れ〜でした。 でも、前の項に書いた障害者に対する健常者の心理を考えると、至極ごもっともに感じます。見かけで判断して軽蔑していた相手が、一人前以上の事をすると、ねたましく思うでしょう。どんな家を建てているかと、内部を覗こうとした人もいたようです。しかし、流石、Ｓ社。建築中の我が家はシートにくるまれて見えないし、小さな子供でもない限り、侵入を許さない外組みの作りになっていました。鉄柵の足場の入り口は錠が掛かっていました。それに、休みの日も、誰かいるように見せかけるために車が一台、止めてありました。その上、その日の予定だけ建材を運び込んでいました。工事で出た廃棄物も、その日の内に持って帰っていました。企業秘密を守る徹底ぶりに頭が下がります。 よって、超適当なお勢津ちゃんが言っていた、「表札？余った木の切れ端に名前書いとけばいいじゃん」の台詞は残念ながら実現不可能でした。 こちとらは、さくらんぼ自身が貯めた貯金で。つばさも自分の貯金を出したのです。それを考えて見栄張るのやめて欲しいな。おそらくローンしてまで改築したり、壁塗り替えた見栄張りさんたち。(ーー;)ジトッ。 |
| 同時期に始まり、途中で止まっていた数軒の工事を尻目に、こちらの工事は、おかげさまで滞りなく進んでいました。 つばさは自分の家しか関心がなく、よそ様の工事の止まっているのを気にしていたのは実はさくらんぼ。気にするたびに「そんなことど〜だっていいでしょお、自分ちがしっかり建ってくれれば……」とつばさ、彼をたしなめていました。熱心に言うさくらんぼに「そんなこと関心ないね」と冷たく言って、次の言葉を封じたこともあります。 余計なトラブルを避ける為には相手にならない、または相手になっても深入りしないのが一番。それがつばさの社会で学んだ処世術です。おかげで未だに友達らしい友達も出来ず、孤独ですが、トラブルを抱えるリスクよりマシと思っています。お勢津ちゃんはお人よしで深入りして、友達だと思っていた人に利用されて怒ってその人の悪口を言ってます。初めから付き合わない方がいい。疲れるだけだと私は思いますが……。他人の噂話にも関心全くなし。そう、私はドライと言うか冷淡なんです。でも不思議とお人よしのところがあるさくらんぼやお勢津ちゃんより他人から怨まれませんが……。これも孤独で冷淡な父親譲りか？それ以上かもしれません。 私を本気で怒らせると、あの史上最悪のヒロインと言われる怨み屋さんより、別の意味で冷酷で怖いかもね(笑)。この頃、そう思います。 |
| ともあれ、とんとん拍子に出来ていく我が家に「大丈夫か」と一抹の不安を持ったつばさでしたが、最後の耐震検査で、検査員の人が、「合格のようです」と仰ったので、一安心でした。 その時か二回目のときか記憶が定かではありません。何故か、設計士の卵の人らしい男性が数人いて、メモをとったりしていました。その一人が「光ファイバーどうします？数千円の違いですが……」と聞かれたので、Ｍ監督はキョトンでしたが、私は即座に「将来、受信料が安くなったら入れたいと思いますので一応、線だけ入れて下さい」と答えました。しかし、未だに受信料が高いので、度重なる勧誘に断ってばかりのつばさです。ＮＴＴもしつこい！！(ーー;)ジトの３乗＋怒×３。最近は、あきらめたか勧誘もありませんが……。時々ニュース見る位で動画見ないなら、現状で充分です。それにアップロードの速さが違いなければ、つばさにとって光にする意味はありません。メール出したり、ホームページ作ったりする人ってあまりいないのかしら。いらいらするほど遅いんですよ。アップロードって……。 なお、後でまた書類に署名し捺印することになったのは、言うまでもありません。手続きって面倒なものです。もっとも、会社の事務だったつばさには平気でしたが……。 鉄柵が取り払われ、外構工事の始まりです。それで、家の全貌が始めて解りました。案外シックで、いい家です。「少し甘めのチョコレートケーキ」みたいでした。再び、基礎工事で登場した大型シャベルカーのお出ましです。金かダイヤでも掘るのかと思うほどでした。 外構工事の方が、家の場合、大変だったと思います。水分の多い地層のせいで車庫やスロープのコンクリ、無事固まるのか？浄化槽は上手く出来るのか？と心配でした。案の定、一般の二倍の時間と手間がかかったようです。それを考えると大型の採掘用かと思われるシャベルカーのお出ましも頷けます。 |
| 文 つばさ 監修 信州さくらんぼ 以上 |