6.地鎮祭まで

つばさの大失敗

 家が完全に撤去され、雪の中、空虚な空間が出来ました。そこに登場したのは大型のシャベルカー。どうやら、工事中、邪魔になる木を別の場所に保管したり、前の家の基礎を取り除くために使用するらしいのですが、それにしても大型でした。
 例の如く、正月は実家で過ごして、帰ってきたら、ガスが凍り付いて出ません。都市ガスではなくプロパンだったことを思い出し、慌ててガス会社に連絡。リセットボタンを押して何とか復旧させました。
 正月の休みが終り、さくらんぼが会社行き始めた時、設計士のKさんが慌ててメールしてきました。曰く「指定した瓦が生産中止となりました」あれま、と思ってとりあえず、「自分の一存では決められませんので夫が帰ったら聞いてみます」と答えました。そして夜、さくらんぼと相談して「似たような色の瓦があればそれでお願いします」とメールで答えました。で、余程慌てたのかKさん「サンプルがありましたから明日持ってきます」明日?平日だよ、うちのさくらんぼ休めないし……ど〜しよーとさくらんぼに……。さくらんぼも面倒がって「つばさちゃん決めて」と。そんなのないよ〜(T_T)
 で、仕方なく、翌日、あたふたと瓦のサンプル(結構重い)を持って来たKさんに「デジカメで瓦の写真撮らせてください。これでいいとは思いますが、夫も直接見たかったと思います」と頼みました。Kさんは快諾してくださいました。企業秘密と存じますのに、それだけは感謝しております。m(__)m
 で、おんぼろデジカメで取った写真を旦那に見せた所、「一番、悔しがってるのKさんだろうな〜。折角完璧なデザインだったのに……」とさくらんぼ。確かにその気持ちは職人を父に持ったつばさにもわかります。
 一方、襖紙の選定を頼んだお勢津ちゃんも悔しがってました。何処もないか、あっても「襖紙だけは売れない。自分の所でやらせてくれ」という所ばかり。困り果てていました。期限は地鎮祭まで。お勢津ちゃんも焦ってました。
 それを、さくらんぼに言うと「そりゃそうだ。手数料でもうけているようなモノだからな」とばっさり。Hさんにもこぼすと「うーむ、やはり……」でした。
 襖紙ってそんなに安いものでしょうか?ホームセンターで見た襖紙、結構高価でしたけど……。ま、今は貴重な和紙ですから、高価なのかしら?素人のつばさには皆目解りません。
 そうそう、M監督もバタバタときました。家の地下から何だか解らない岩の砕いたのが大量に出て、その撤去費用が余分にかかってしまったそうです。私たちもそんなものが家の下に埋まっていたとはつい、知りませんでした。で、結局、撤去費用数万追加です。とほほ……(T_T)
 地鎮祭は一月最後の日曜日に行うことになりました。仮住まいには何故か人を泊めてはいけないという契約になっていました。(未だにその訳が解りません。母親や肉親なら良いと思うのですけど……)そのせいか、あの仮住まい、土日や休みの日になると無人になってしまうのです。皆さん、実家か友達の家に泊まっているかもね。
 だからお勢津ちゃんには今回だけは……と近くの国民宿舎に予約取り、泊まってもらうことに……(もちろん費用はこちら持ち)。お勢津ちゃんは、「一晩ぐらい解らんから仮住まいに泊めてちょ」だったんですけど……。契約守らないと罰金取られるかもですので、今回は温泉あるから……となだめすかして、泊まってもらいました。それはさくらんぼ担当。
 つばさは当日、要る物を用意してました。問題は盃です。さくらんぼは下戸でつばさはワイン党。売っている所は知りません。松代の商店街中探しました。一軒だけありましたが、ただ、残念ながら好みではないのでした。しかし、それが過ぎたら多分使わないと思って、そろえました。
 いよいよ地鎮祭。神主さんが来て、厳かに行いました。ただ、そういう場所が大の苦手なつばさ、大失敗。礼をして、拍手を打つところを、拍手を先に打ってしまいました。で、仕方ないのでそのまま礼拝して礼をしました。一番さまになっていたのはお勢津ちゃん。やはり年の功?でしょうね。M監督が鍬入れする時、気合がすごかったです。やはり現場監督。事故が起きないように祈る心はひとしおだったのでしょう。
 で、襖の件ですが、結局つばさの挙げた候補「梅」になってしまいました。まあ、家に梅が三本もある上、家の前の公園が「梅公園」義母は梅が好きだった人かも……と言うことで……。ま、至らぬ嫁ですが、たった一回、会っただけの義母に対する供養のつもりでした。しかし、桔梗も捨て切れませんでしたが……。今度襖が古くなって変えなくてはならないときは桔梗にしましょう。(さくらんぼが桔梗にこだわったのは、家紋が丸に桔梗だったからです)
文 つばさ 監修 信州さくらんぼ
以上

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