ペパーミントティー携帯版

2005/03/21 第三版


さわやかなペパーミントの香りに寄せて、ちょっと書いてみました。これを読んで、ほっと一息入れていただければうれしく思います。


 三月も半ばになりました。これからはこのエッセイは毎月か一ヶ月置きに発行することします。
 本館の方の古くからの読者さんは、私が4年ほど前に書いたことを覚えていらっしゃることでしょう。
 たしか政府か公共広告機構のポスターの話だったか……。私は「もったいない」を環境問題と結びつけて書いたと思います。同じ話題を書かない事にしていますが、あえて書こうと思います。
 同じ事をケニアの女性副環境相さんがこの前、取り上げられ、にわかに話題になりました。さすが、頭のいい女性らしい目の付け所と思います。
 しかし、もったいないという言葉はもう日本の若い人の間では死語でしょう。
 あれだけ、使い捨てだのバブルだの流行だのを追ってきた若い世代には、もう、物を大事にして捨てるのを惜しむ心はないのかと思われる言動をする人も多いです。

 さて、そのもったいない、もう一つの使い方があるのをご存知でしょうか。
 昔の人は、身分の高い人、目上の人から親切にして頂いた時、同輩からでも過分なものを頂いた時、
「勿体のうございます……」という風に使ったものです。
 まあ、現代語に言い換えると
「私のような者に過分な気を使われますな」とか「過分な物を頂きまして……」とかに当たりますね。
 しかし、けっして好意などを断っている意味ではありません。ありがたく思っているのです。
 自分はその恩を返したいが返すことが出来ないというもどかしさと、ありがたいことをされたという謙虚な感謝の気持ちで、言っていると思うのです。
 この意味もあるということも私たちは忘れがちではないでしょうか。
 それでは、それこそもったいないです。
 勿体ない……は日本古来の言霊の精神があふれた言葉だと思います。
 あらゆる物には、魂がこめられている、それを捨てたりおろそかにすることは神罰や仏罰が当たる……。それは、日本人が古くから持っていた伝統的な考え方です。
 私は無神論者ですが、人や物を大事にしないと、いつかそのつけが回ってくると思います。
 それが、もったいないの精神につながるのではないでしょうか?


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