Q1.WindowsCE機でネットワークすると何か良いことがあるの?
A1.大きなファイルの転送やバックアップ時に重宝します。
「ネットワークに繋げると便利」といわれますが、WindowsCE機で接続すると
何が便利なのでしょう?
まず、CE機を自宅のパソコン(よく「母艦」などと呼びますが)と接続するときの
ことを考えましょう。シリアルケーブルで接続するときに相手を認識する時間で
いらいらさせられる人は多いと思います。また、ちょっと大きいファイルを転送
しようとすると、待たされるのに嫌になってしまったよということもあるでしょう。
さらにCE機のフルバックアップを取るときを想像すると作業完了まで20分以上
待たされるなんて事は良くあるかと思います。その上、インストールしているアプリ
ケーションに辞書系列の大きなものが入っていたら...考えるだけでぞっとします。
このようなとき、ネットワーク接続をすれば高速にデータ転送ができ、処理時間が
劇的に短縮されます。日頃のイライラも解消され精神衛生上、大変結構なことです。
但し、ファイルの自動変換などは出来ませんのでWord,Excelなどのファイルを
やりとりする時には注意する必要があります。
試していない方は以下のQ&Aを御参考に是非挑戦してみて下さい。
Q2.WindowsCE機をネットワークで繋ぐには何が必要なの?
A2.HUBとLANケーブルとLANカードを揃えましょう。
コンピュータの小規模ネットワーク接続(建物の同一フロア程度までの規模)は一般
的にLAN(Local Area Network)と呼ばれています。最近は家庭でも2台以上のパソコン
同士を接続することも多くなりました。
WindowsCE機もWindowsの仲間でパソコンとの連携を前提に考えられていますから、
パソコンと同じ仕組みで接続できます。言い換えればCE機とパソコンをネットワーク
接続するにはパソコン同士を接続するのと同じものが必要です。
(もっとも、ネットワーク上でパソコンと全く同じように扱えることは出来ませんが)
1.LANカード(パソコン用,CE機用各1個ずつ)
パソコン用にはPCIまたはISA接続の拡張ボードのLANカードを、CE機には
ノートパソコンに使われるPCカードタイプのものを用意しましょう。
種類として10Base-Tと100base-Tのものがあります。価格差と将来性を考えれば
兼用のものが良いですが、家庭内ベースで使用するのであれば10Base-T用でも
特に問題はありません。
ここで注意するのは、CE機用のLANカードです。全てのLANカードが使えるわけ
ではありませんので「CE機対応」と明記されているものを選びましょう。
そうでない場合は「NE2000互換」という表記をされているものを求めることになり
ますが、必ずしも常にCE機が認識してくれるとは限らずある種賭け的な事もあり
ますので事前にCE関連サイトから動作情報を仕入れておくことをお薦めします。
2.LANケーブル
「10Base-T」用のケーブルを求めましょう。これは電話線のようなモジュラージャック
の付いたツイストペア状の(ねじった対線)ケーブルで、秋葉原なら大抵のパソコン
ショップで取り扱っています。
一つだけ注意したいのがクロスとストレートの種類を間違えないことです。
3.のHUBを使った接続をする場合にはストレートケーブルを使います。購入時に
よく確かめておきましょう。
3.HUB
ネットワークの中継機器(集線装置)です。ここに電話ケーブル状のモジュラー
ジャックの接続口(ポート)があり、個々のパソコンから伸びているLANケーブルを
接続します。家庭用でしたら4〜8ポート程度のものが良いでしょう。
費用ですが、特にブランドなどにこだわりがなければ、秋葉原で1.〜3.全て
を揃えても大体2万円もあれば十分でしょう。また,CE機で使えると言うことは他の
パソコン同士をLAN接続する事にも利用できると言うことなので、それほど高い買い物
ではないと思います。
Q3.Windows95/98マシンとネットワーク経由でCE機を繋ぐには必ずレジストリを
いじらないとけないの?
A3.それは大きな誤解です。
よく雑誌などに「ネットワークに繋げるにはまずレジストリを...」という記事が掲載
されるので「WindowsCE機をネットワーク接続させるのにレジストリを必ずいじらなくては
いけない」という誤解をする方が多いようですが、これは間違いです。
自宅のパソコン1台とCE機をネットワーク接続するという個人の利用で一番ありそうな
状況では、レジストリなんかいじらなくても接続できます。
これはCE機発売当初、力技のある人が無理矢理試した方法が広まってしまったため
と考えられますが、製品が「ネットワーク接続可能」と謳われているのに裏技的なことを
しないと繋がらないのは不自然ですし、レジストリをいじるのはある程度知識のある
ユーザでないと思わぬトラブルの元になります。
Q4.の設定を参考にしてください。
Q4.実際に繋ぐにはどう設定するの?
A4.パソコン/CE機で次のように設定します。
MobileGearUのマニュアルにはLANについての設定方法が載っているのですが、軽く触
れられているだけで
ちょっとピンと来ません。ここでは家庭でMobileGearUと1台のパソコン
をLAN接続するための方法を一例を挙げて見ていきましょう。
(もちろん、他のCE機でも方法は一緒です)
【準備】
1.パソコンとMobileGearUをHUBとLANケーブルを使って接続します。HUBの電源を
入れましょう。
2.IPアドレスを決めます。ここではTCP/IPやネットワークの仕組みについては触れま
せんが、IPアドレスというのは「個々のパソコンに割り当てられる背番号」くらいに解釈
して下さい。
IPアドレスは通常999.999.999.999という形で表されます。但し、インターネット
を接続するために使われているものなので、勝手な番号を振ってはいけません。
(IPアドレスは日本の場合JPNICという非営利団体が一元管理しており、アドレスを収得
する場合には所定の手続きが必要です)
とはいえ、JPNICへの申請は、主として法人・学術機関向けのもので、今回のように自宅の
中の接続にのみ利用するような場合には、プライベートアドレスという例外的なアドレスを
利用することになります。このアドレスであれば間違って外部のネットワークへ接続しても、
該当する機器から発信した情報をネットワーク上の他の機器が無視するよう決められて
います。これならCEサービスのように接続時に勝手にダイアルアップ接続してしまうという
困った仕様(笑)でも安心です (^^;)
プライベートアドレス:192.168.0.0 〜 192.168.255.255
ここでは例として、次のように決めてみましょう。
パソコン側=192.168.11.7
MobileGearU側=192.168.11.3
※自宅から電話回線でインターネットに接続するときのIPアドレスは?と疑問に思う方も
いるかと思います。この場合はプロハイダ=接続会社が接続される都度、アドレスを
自動的に割り当てているので、特に気にする必要はありません。
また、ネットワークコンピュータへ接続する際や参照する際に便利なように、ログイン名、
パスワード、コンピュータ名、ワークグループ名も考えておきましょう。
ログイン名=yamada
パスワード=password
コンピュータ名=PCDT-7
ワークグループ名=WORKGROUP-1
ここまで考えたら、次にパソコン/MobileGearUの設定をします。
【Windows95/98パソコン(母艦)側】
3.パソコンにLANカードを組込み、Windows95/98上から機器を認識できるようにします。
4.[スタート]−[コントロールパネル]から[ネットワークの設定]を選びます。
[ネットワークの設定]ウィンドウ(画面1)で、LANカード用のTCP/IP設定(赤枠内)を選んで
プロパティボタンを押します(なお,ここの名称はパソコンに組み込んだLANカードに
よって名称が異なります)。
※「TCP/IP→ダイアルアップアダプタは電話回線でのインターネット接続用ですので
いじらないで下さい。
画面1:ネットワーク設定タブ
5.[TCP/IPのプロパティ]ウィンドウが開きますので、[IPアドレス]タブで画面2のように
予め決めておいたパソコン用IPアドレスを入力します。
サブネットマスクは「255.255.255.0」と入力してOKボタンを押します。
画面2:TCP/IPプロパティ設定
6.ネットワーク設定ウィンドウに戻りますので、[識別情報]タブで予め決めておいた
パソコン用コンピュータ名、ワークグループ名を入力します(画面3)。
コンピュータの説明には自分でわかりやすいようにコメント入れておきます。
画面3:識別情報
以上で設定は終わりです。ここでパソコンを再起動します。
【MobileGearU側】
7.接続する[スタート]−[設定]−[コントロールパネル]を開き、「ネットワーク構成」のダイアログ
を開きます。NEC純正の「PC-9801N-J12X」LANカードかそれ以外のメーカでしたら
「NE2000 Compatible..」を選びます。アダプタを選んでプロパティボタンをタップしましょう。
(画面4)
画面4:ネットワーク構成
8.IPアドレスタブの設定をします。「IPアドレスを指定」を選び、「IPアドレス」欄に先ほど決めた
MobileGearU用IPアドレスを書きます。「サブネットマスク」は「255.255.255.0」としておきましょう
(画面5)。
画面5:IPアドレスの設定
9.次に「ネームサーバ」タブをタップして開き、設定をします。「プライマリWINS」に先ほど決めた
パソコン(母艦)のIPアドレスを入力します(画面6)。つまり、例の場合「192.168.11.7」と入れ
れば良いわけです。OKボタンを押してダイアログを閉じると元の「ネットワーク構成」のダイア
ログへ戻ります。
画面6:ネームサーバの設定
10.最後にオーナー情報タブを開いて、最初に決められたユーザ名,パスワード,ドメインを
入力します。この場合、ドメイン名にはワークグループ名「WORKGROUP-1」を入れます。
画面7:オーナー情報の設定
以上でMobileGearU側の設定は終わりです。
【接続】
11.パソコン側でWindowsCEサービスのプロパティを開き、「ネットワーク経由での接続」欄の
接続を有効にするチェックボックスにチェックを入れます(画面8)。
画面8:CEサービスのプロパティ
12.MobileGearU側で[スタート]−[プログラム]−[通信]−[ActiveSync]とタップし、ダイアログで
「ネットワーク接続」と接続先PCを選んで「接続」を押します(画面9)。
後はケーブルで接続したときと同様に母艦と接続されます。
画面9:ActiveSyncウィンドウ
旨く繋がりましたか?高速なデータ転送が出来るネットワーク接続はなかなか快適です。
WindowsCEでのLAN環境を有効に御活用下さい。
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