エスプラがラス・ベンタス最後の闘牛で涙のファエナ!そして劇的なプエルタ・グランデ!命賭けで気が狂ったようなカステージャ!

2009年6月5日マドリード、ラス・ベンタス(第1級)闘牛場の今年42回目の結果。

19時開始、21時29分エスプラがプエルタ・グランデを通る。20時07分照明点灯。

プレシデンテ、セサル・ゴメス・ロドリゲス。切符は売り切れで満員の入り。

エル・ピラール牧場の牛。

   全体として、良い牛が出ていた。
   1頭目、良い牛。2頭目、良い牛。3頭目、左右の角がブスカンドする危ない牛。
   4頭目、非常に良い牛(場内1周)。5頭目、。6頭目、力強さに欠ける。
   

闘牛士

フランシスコ・エスプラ 沈黙、耳2枚と場内2周。

モランテ・デ・ラ・プエブラ 罵声、口笛。

セバスティアン・カステージャ 沈黙、沈黙。

 この日4頭目の牛が、場内1周をする。

 曇時々小雨。強風の吹き、闘牛士には危ないコンディション。特に3頭目までは凄い強風だった。サン・イシドロと観客の質が違う。ビクトリアーノ・デル・リオ牧場(牛Procedencia actual=現在の起源<基の血統>、ファン・ペドロ・ドメク牧場)。闘牛士、フランシスコ・エスプラ、モランテ・デ・ラ・プエブラ、セバスティアン・カステージャ。満員。ソルのテンディド4バッホにてビデオ撮影をしながら観戦する。入場行進の後、今日でラス・ベンタス闘牛場最後になるフランシスコ・エスプラにオメナッヘの喝采が鳴る。

 フランシスコ・エスプラは、今日がラス・ベンタス闘牛場最後の日になる。1頭目は強風で殆ど何も出来なかった。4頭目の牛は、非常に良い牛を引き当てた。ブリンディースは観客に捧げられた。デレチャッソから始めたファエナは、面白いようにパセが繋がる牛で、観客は、「オーレ」を叫び続けた。観客は総立ちになった。後で下山さんからTELで訊いた話では、ファエナの始めた良い牛だというように首を振っていたらしい。それが良いパセが出来るのと観客のカリーニョと熱狂が伝わったのか、涙をボロボロこぼしながら号泣に近い状態でファエナをしていたという。剣もスエルテ・コントラリアで牛を置き、得意のレシビエンドで見事に決めて耳2枚。

 こんな劇的な事があるだろうか?1番期待値が低かったエスプラがグラン・ファエナ!下山さんの記憶だと最後の闘牛を号泣しながらやった闘牛士は2人知っていると言うが、それでもこれ程見事にプエルタ・グランデしたのは初めてだという。サン・イシドロのカステージャのプエルタ・グランデより価値のあるプエルタ・グランデだと言っていた。「トレロ」コールが何度も沸き起こった。プエルタ・グランデの時に鳴っていた。珍しいくらいに何度も「トレロ」コールが鳴った。

 モランテ・デ・ラ・プエブラは、全てを風のせいにして何もやらなかった。少なくても観客は出来なかったとは思っていない。やらなかったのだ。明らかに意志を持って…。

 セバスティアン・カステージャは、3頭目の牛の時は強風が吹く中で、左右両方の角がブスカンドする危ない牛。それでも逃げずにファエナをしようとするから観客が悲鳴を上げながらのファエナ。また、命賭けの闘牛が観れてしびれた。ムレタが旗のようになびく強風の中でここまでやったら立派!偉い!最後の牛は耳が切れるかと思うようなファエナの始まりだったが、後半は牛に力強さが足りなくて良いパセを引き出せなくなってしまった。剣刺しもピンチャッソが続いたが、一発で剣が決まっても、耳は取れなかっただろう。

 今日はそれにしても凄い日になった。最後のエスプラがグラン・ファエナでプエルタ・グランデ!しかも涙のファエナというのも凄い!そして、のせた観客も素晴らしい反応だった。プエルタ・グランデを闘牛場の中で観て出て来たので、いつもの場所には、みんなはいなかった。とろろさんとTbisさんがいて帰りに夕食に行った。その時は、TELの前なので、まさか泣きながらファエナをしているとは夢にも思わなかった。素晴らしい日に闘牛を観れたことを感謝したい。ありがとう、ラス・ベンタス闘牛場。ありがとう、闘牛。


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