ホセ・トマスのファエナに観客は感激!ペレラ、耳3枚。

2009年6月24日レオン(第2級)闘牛場の結果。

18時15分開始ところ、18時22分頃開始、終了時間記入できず。おそらく21時頃だろう。

プレシデンテ、 。ノー・アイ・ビジェテで満員の入り。

ビクトリアーノ・デル・リオ牧場の牛。6頭目がコルテス牧場の牛

   全体として、良い牛が出ていた。。
   1頭目、。2頭目、。3頭目、。
   4頭目、。5頭目、インバリド。6頭目、。
   
   ソブレロ:ラス・ランブラス牧場


闘牛士

ハビエル・コンデ、 挨拶、口笛。

ホセ・トマス 耳1枚ともう1枚要求、場内1周。

ミゲル・アンヘル・ペレラ 耳1枚ともう1枚要求、耳2枚。


 ミゲル・アンヘル・ペレラがプエルタ・グランデをした。

 快晴。暑いが屋根の付いた闘牛場で、透明なガラスかアクリル板が貼ってあるのでそれほどでもない。。ビクトリアーノ・デル・リオ牧場の牛(牛Procedencia actual=現在の起源<基の血統>、ファン・ペドロ・ドメク牧場)。闘牛士、ハビエル・コンデ、ホセ・トマス、ミゲル・アンヘル・ペレラ。満員の入り。ソルのテンディド6にてビデオ撮影しながら観戦する。

 ハビエル・コンデは、牛が良いのにちゃんとファエナが出来ない。初めの牛のファエナの初めだけが良かっただけ。自分が扱いやすい牛じゃないと、耳を切れないのよね、君は。4頭目は腰が引けてどうしようもない。ナトゥラルの時など危ない牛では全然ない良い牛なのに、まともなパセは1回も通せなかった。口笛を吹かれて当然です。

 ホセ・トマスは、2頭目の牛で当たり前に耳1枚を切る。ピンチャッソ・オンダなのに、2枚目の耳を観客は求めた。不思議だ。しかし、ホセ・トマスの力量を発揮したのは、実は、5頭目の牛。出て来た牛は、インバリド。まともに真っ直ぐは知れない。同然直ぐに交換。代わって出てきた牛は、ダメ牛の典型のような牛。それでもパセを通す。味のないパセ。味のない牛。しかし、ハビエル・コンデじゃ腰が引けて何も出来ないだろう。左角の方が良かったが初めはブスカンドした。それでもパセを続ける。観客も牛が悪いのは判っている。

 そういう風にデレチャッソもナトゥラルも繋いでいたら、観客の方が興奮状態になった。出来ないでしょう他の闘牛士じゃ。パセの途中で牛が止まって体の方を見ても、それをムレタでコントロールしてパセを繋ぐと観客の興奮は感動の境界線を越えた。それが淡々と繰り出すパセの中に込められている。だからといって、肩肘を張ったやる気がみなぎっているわけではない。かといって、闘牛に緊張感がないのではなく、圧倒的にあるだ。自然体の中で、ここまでの技術と緊張感と興奮を超えた感動を感じさせる闘牛士は、今は皆無である。

 アウテンティコ・イドロ(本物のアイドル)。観客の感動を越境した感情は、抑えようがない。「トレロ」コールが闘牛場こだまする。デレチャッソ後とのナトゥラルはさらに良くなった。体ギリギリを通すから腹から太腿にかけて牛の返り血がべっとりと付く。その後のパセの短かったデレチャッソも良くなっている。手の低い長いパセが繋がる。牛の扱いが上手い。牛を完全に支配している。トゥリンチェラ、モリネーテ、パセ・デ・ペチョとレマテを決めると、「トレロ」コールが闘牛場こだました。騒然とした中で剣を代える。パセ・デ・フローレスからモリネーテを繋ぐとまた、「トレロ」コール。しかし、ピンチャッソ3回じゃその後に良い剣が決まっても耳は出ない。1回で剣が決まっていたら耳2枚は確実に出ていただろう。ヒョッとすると尻尾が出ていたかも知れない。それでも自分でも満足したファエナに、観客の喝采に応えて、珍しく場内1周をした。

 このファエナを観れて本当に幸せだ。これだからホセ・トマスの闘牛を見続けてしまうのだ。やめられません。耳はなかったけど、笑顔の場内1周をした。場内1周の時も「トレロ」コールが鳴った。

 ミゲル・アンヘル・ペレラは、無難に闘牛をこなした。悪くはない。というか、ある基準から言えばそれを超えたところで闘牛をやっている。しかし、自分を良く見せようとしている。ホセ・トマスのように闘牛をやろうとしているのだろうが、それは無理なこと。そういうところも今年は鼻付く。ペレラは、技術も1流だしやっていることも観客に受ける。彼のやっていることは、かなり上級の部分で闘牛をやっている。ホセ・トマスと比較するから嫌な部分が鼻に付くが、セバスティアン・カステージャと、良いところを行く。が、カステージャには、オリジナリティーを感じるが、ペレラには、何年か前に感じたそういうものが今は感じられないのが残念だ。鼻高くしてるんじゃねぇーぞと、言いたい。つまり、期待しているから、こういうことを言うのである。


 ホセ・トマスが退場するときに、また、自然発生的に「トレロ」コールが起こった。ペレラのプエルタ・グランデの時は起きなかったが…。闘牛が終わった後、Yさんと結衣さんと待ち合わせ。5頭目のホセ・トマスのファエナにみんな感激していた。あの牛で良くあのファエナが出来るとビックリした話をして盛り上がった。Yさんは、2002年一時引退前のラス・ベンタス闘牛場でのプエルタ・グランデを思い出したという。服も色も同じだし、良くない牛で、あそこまでするんだから…。今日は来て本当に良かった。結衣さんは、ペレラは昔みたいなオーラがない。ホセ・トマスと比べるとそう感じるのかも知れないけど…。でも、ホセ・トマスは凄いね!そして、楽しい晩餐になった。ホセ・トマスは、それを淡々と自然体で作業を行う職人技を観る思う。完璧な闘牛士に近い。今日は隣に座ったレオンのおばさんに、生ハムのボカディージョを貰い、さらに、水のボトルを1本貰った。レオンは良い街だ。人も良い。今日は来て本当に良かった。


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