モランテ、コヒーダされて流血!そして最後で熱狂!耳1枚。

2007年6月6日マドリード、ラス・ベンタス(第1級)闘牛場のコヒーダ・デ・ベネフィセンシア(慈善闘牛)(今年40回目)結果。

19時開始、21時30分頃終了。20時57分照明点灯。

プレシデンテ、フリオ・マルティネス・モレノ。ノー・アイ・ビジェテ。満員ではなかった。

ガビラ、ロマン・ソランド(2頭目、5頭目)、アナ・マリア・ボオルケス、ロサリオ・オスボルネ、ヌニェス・デル・クビジョ牧場の牛

   全体的に、粒ぞろいの牛が出た。
   1頭目、扱いやすい牛。2頭目、3頭目、。
   4頭目、。5頭目、マンソ。6頭目、良い牛。
ソブレロ:エレデラス・デ・ボオルケス牧場(4頭目)良い牛。


闘牛士

モランテ・デ・ラ・プエブラ。ソリタリオ(ウニコ・エスパーダ) 拍手、口笛、口笛、沈黙、沈黙、耳1枚。

ソブレサリエンテ:アレハンドロ・カストロ、ミゲル・アンヘル・サンチェス

追記:5頭目のファエナでコヒーダされて、眉間に角傷を受け流血し医務室へ向かう。よって5頭目の剣刺しは、ソブレサリエンテのアレハンドロ・カストロが
ピンチャッソの後に良い剣を決めた。治療のため、6頭目が始まるまで10分〜15分待たされた。

 晴。風はそれほどないので暑い。ガビラ牧場の牛(Procedencia actual=現在の起源<基の血統>、マルサル、エル・トレロ牧場)、ロマン・ソランド牧場の牛(Procedencia actual=現在の起源<基の血統>、ファン・ペドロ・ドメク牧場)、アナ・マリア・ボオルケス牧場の牛(Procedencia actual=現在の起源<基の血統>、ホセ・ルイス・オスボルネ牧場)、ロサリオ・オスボルネ牧場の牛(Procedencia actual=現在の起源<基の血統>、ホセ・ルイス・オスボルネ牧場)、ヌニェス・デル・クビジョ牧場の牛(Procedencia actual=現在の起源<基の血統>、ファン・ペドロ・ドメク、カルロス・ヌニェス、ホセ・ルイス・オスボルネ牧場)。コリーダ・デ・ベネフィセンシア(慈善闘牛)なのでロイヤル・ボックスにファン・カルロス国王が来てその横にはコムニダ・デ・マドリードのエスペランサ・アギレがいた。1頭目の牛を国王に捧げた。闘牛士、モランテ・デ・ラ・プエブラ。ソブレサリエンテ:アレハンドロ・カストロ、ミゲル・アンヘル・サンチェス。満員ではなかった。ソルのテンディド6にて観戦する。

 今日はモランテ・デ・ラ・プエブラのソリタリオのため6頭を相手にした。モランテは5頭目まではやる気がなかった。始めの牛のカポーテで、「オーレ」が出て、ムレタでも少し出たが良い物ではなかった。もっとちゃんとやれば耳が切れたはずだ。2頭目3頭目4頭目は殆ど何もやらなかった。5頭目のキーテで、「オーレ」がなった。ファエナ中に余計なところで、角が眉間に当たり流血した。正確にはプンタッソと言った方が良いだろう。顔中が真っ赤になって医務室へ向かった。剣はソブレサリエンテのアレハンドロ・カストロが刺した。ハッキリ言ってこのまま終わったのでは、金返せ!と言う気持ちになる。殆ど何もやっていない。

 5頭目の牛がラバに曳かれて退場した後、直ぐに始まらず放送があり、モランテが戻ってくることが伝えられた。それから10分くらい待って3度目の放送が始まった時に医務室入り口からカジェホンの中に戻ってきて拍手がなった。6頭目の牛は頭が高くベロニカをすると飛んだ。それでも牛に合わせてタブラ近くから始めた長いベロニカを繋ぐと「オーレ」がなった。繋ぐ度に前に出て行ったのでアレナ中央でレマテのメディア・ベロニカすると喝采がなって観客は立ち上がった。これを観に来ているのだ。それから場内に、チャチャチャ、チャチャチャ、チャチャチャという三拍子の手拍子が鳴り響いた。それにしてもベロニカでこんなに観客を沸かせる闘牛士は他にいないだろう。始めのピカは左後ろに入った。アレナ中央でキーテ。長いゆっくりとしたベロニカが3回繋がると、「オーレ」が鳴り、メディア・ベロニカが決まると喝采がなった。ピカは左前に入った。そしてまたキーテ。足を閉じたベロニカ3回でメディア・ベロニカで拍手がなった。

 一旦バンデリジェーロたちが配置に付いたがそれを戻して、モランテがバンデリージャ打ちをする。その前に1回靴を片方ずつ脱いで、はき直した。それからアレナ中央へ行ってタブラ近くの牛を誘い左に行って角の間で打った。拍手がなる。2回目もアレナ中央から左に行って角の間で打った。拍手がなる。3回目は、タブラ近くでブルラデロにいる牛を誘いキエブロをすると観客は立ち上がって喝采を送った。それに応えて挨拶をした。

 ファエナは、膝を折ったアジュダード・ポル・バッホから「オーレ」がなった。3回繋ぎ立って手の引く長いナトゥラルからパセ・デ・ペチョ、引くようなナトゥラルで、「オーレ」が続き喝采がなった。観客は期待に胸を膨らませた。離れアレナ中央へ。ナトゥラルを始めるがエンガンチャ。その後、手の低い長いナトゥラル。ちょっと距離が違うような気がする。クルサードしてパセ2回繋ぎ、クルサードしてパセ2回繋ぎパセ・デ・ペチョで拍手がなった。離れデレチャッソを4回繋ぎトゥリンチェラで喝采がなったが、良いパセはデレチャッソ1回と最後のトゥリンチェラだけだった。

 離れデレチャッソ。どうもこっちだとクルサードが甘くなる。3回繋がると「オーレ」が鳴りクルサードして1回繋ぎトゥリンチェラそれから引くようなパセをして喝采がなった。離れナトゥラル。クルサードしてパセ、クルサードしてパセ、クルサードしてパセ、クルサードしてパセ、クルサードして拍手がなる。パセ・デ・ペチョで喝采が鳴り観客は立ち上がった。離れナトゥラル。クルサードしてパセ、クルサードして手の引く長いパセ、牛が止まり、クルサードしてパセ、手を替えてデレチャッソ、トゥリンチェラで牛の前に立って喝采がなった。引くようにしたモリネーテのようなパセを2回でまた喝采がなった。隣の爺さんが耳2枚だろうというので、1枚だと応えたらその隣の爺さんがうなずいていた。

 剣を代え、牛の正面を向いてナトゥラル、クルサードして長いパセ、クルサードして長いパセ、クルサードして長いパセ、「オーレ」がなる。クルサードして長いパセで「オーレ」がなり、トゥリンチェラで牛の返りが早かった。アビソが鳴った。剣はスエルテ・ナトゥラルで決まったかに見えたがバホナッソで剣を瞬時に抜いた。スエルテ・コントラリアで斜めにだが決まった。牛が座り、耳1枚。厳しく言えばバホナッソだったので耳もちょっとと、思うが観客を充分喜ばせたので1枚でも良いと思った。

 モランテはあまり笑顔がなく耳1枚持って場内1周をした。未だ眉間が痛いからかも知れないし、プエルタ・グランデ出来なかった不満もあるだろうが、5頭目まで観ていて耳だって危ないぞとこっちは思っていた。最後の牛が、モランテが好きなヌニェス・デル・クビジョ牧場だったのが幸いした形だ。何が印象に残るって、勿論、ベロニカだ。あれは本当に凄い!これで何とか形になった。1枚も出なかったら何年か前の屈辱と同じになってしまう。そうならなくて良かった。また、明後日出てくる。かえってコヒーダされておかしい頭が正常になったのかも知れない。


http://www2u.biglobe.ne.jp/~tougyuu/以下のHPの著作権は、斎藤祐司のものです。勝手に転載、または使用することを禁止する。


ホームへ戻る  2007年闘牛観戦記