2007年4月30日マドリード、ラス・ベンタス(第1級)闘牛場の結果。 18時半開始、20時48分頃終了。19時40分照明点灯。 プレシデンテ、マヌエル・ムニョス・インファンテ。観客は観客は目測で1/4〜1/5の入り。 モンテアルト牧場の若牛 全体的にレベルが高かった様に思う。 1頭目、良い牛の部類。2頭目、良い牛。3頭目は、左角が短かった。 4頭目は、良い牛。5頭目、割と良い牛。6頭目は、良い牛。 闘牛士 イスマエル・ロペス 沈黙、沈黙。 ヒメネス・カバジェーロ 挨拶、沈黙。 チェチュ 沈黙、耳1枚。 追記:今日はよくコヒーダされた。1頭目でバンデリジェーロが、2頭目でヒメネス・カバジェーロが、 3頭目でバンデリジェーロと、チェチュが、6頭目でチェチュがコヒーダされた。医務室に行ったのは 1頭目でコヒーダされたバンデリジェーロだけだった。 |
小雨から土砂降りに近い雨が降り強風が吹き寒い。冬服でも震える寒さだった。毛糸の帽子が欲しいくらいの寒さ。モンテアルト牧場の若牛Procedencia
actual=現在の起源<基の血統>、ルイス・アルガラ・ポレラ牧場、エル・ベントリジョ牧場<ファン・ペドロ・ドメク牧場>)。見習い闘牛士、イスマエル・ロペス、ヒメネス・カバジェーロ、チェチュ。1/4〜1/5の入り。ソルのアンダナーダ(7)にて観戦する。
イスマエル・ロペスは、2頭とも良い牛に当たっているのにちゃんと闘牛が出来ない。特に4頭目の牛では耳を切れたはずなのに何も出来ない。パセを繋ぐだけで、構成もイマジネーションもない。こんなパセなら闘牛学校の生徒でも出来るだろう。勿体ないったらありゃしない!こう言うところで才能が露出する。辞めた方がいいかもねっ。
ヒメネス・カバジェーロは、ベロニカも下手。それなのに色々なカポーテを技をしようとするが、ベロニカあってのカポーテ技なのにそこが判っていない。出来損ないのカポーテ技では観客の気持ちは引きつけられない。ムレタでは、やっぱりと思った。牛が判っていない。良いパセもあるが?マークが多い闘牛だった。
チェチュは、最後の牛で、強風と土砂降りに近い雨の中で、この少ない観客の半分以上が席を立った中で、半ばやけくそ気味に発せられる、「オーレ」の声に救われたと言っていい。ラス・ベンタス闘牛場でも、他の闘牛場でもおおむね雨が降って席を立った観客に当てつけ気味にこう言うことがよく起こる。それでプエルタ・グランデすることだってサン・イシドロではあるのだ。ガタガタ震えるような寒さに風と雨が重なりもう帰ろうかとよっぽど思ったくらいだ。でも、最後まで観ていて良かった。
靴を脱ぎ、雨で滑るアレナに立ち、ただひたむきにムレタを振る姿は健気だ。デレチャッソでもナトゥラルでも手の低い長いパセを繋いでいた。そんなに取り立てて良かったわけではないがこの状況が彼を救った。ファエナ後半にナトゥラルでコヒーダされた。大粒の雨が降る中で上着を脱いでファエナを続けた。デレチャッソで、「オーレ」の声が大きくなった。観客は本当に少ない。1000人もいないくらいだ。この人数で良くこんな声が出るもんだと思うくらい大きな「オーレ」の声だ。パセ・デ・ペチョで喝采がなった。観ている人は少ないが残っている観客は気合いが入っている。
玉が寒くて縮みあがっているが、気持ちは勃起している。この若者の証人になろうとしているのだ。剣を代え、スエルテ・コントラリアでテンディダに入ると歓声が上がった。牛がフラフラしながら歩きタブラの所で座った。白いハンカチが振られる。プンティージャが決まらす牛は再び立ち上がった。フラフラだ。闘牛士の方に向かって歩きそしてまた座った。プンティージャで仕留めると、席を立つ人もいたが、残りの観客は白いハンカチを振った。大きな口笛の音も響く。プレシデンテは耳1枚出すことを許可した。
嬉しそうに場内1周するチェチュを観ていたらやっぱり耳で良かったと思った。足りない物は一杯ある。でも、良いのだ。今日はこんな状況で良くやった。強風で寒い雨の中頑張ったで賞的な耳1枚だ。19歳の見習い闘牛士にとっては今日は栄光の日だ。これ以上のことが出来るように、祈るだけだ。今日はおめでとうと言ってあげたい。
チェチュ。本名、ホセ・ラモン・ガルシア。1988年1月14日マドリード近郊のサン・セバスティアン・デ・ロス・レジェス生まれ。2005年7月15日ラス・ベンタス闘牛場でデビュー。それ以外の詳細は不明。おそらくマドリード闘牛学校の出身者だと思われるが、最近はそういうことをプログラムに書かなくなった。
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