ビビリが入っているセサル・ヒメネスに口笛!ロペス・チャベスが挨拶。

2007年5月2日マドリード、ラス・ベンタス(第1級)闘牛場の結果。

18時半開始、20時33分頃終了。19時04分照明点灯。

プレシデンテ、フリオ・マルティネス・モレノ。観客は観客は目測で、8割から9割くらいの入り。

ビクトリーノ・マルティン牧場の牛

   全体的に危なく難しい牛。
   1頭目、左角が短く返りが早い牛で力強さが足りない。2頭目、良い牛。3頭目は、左角が短かった。
   4頭目は、良い牛。5頭目、割と良い牛。6頭目は、良い牛。


闘牛士

ウセダ・レアル 挨拶、沈黙。

ロペス・チャベス 挨拶、拍手。

セサル・ヒメネス 口笛、沈黙。

 追記:

 小雨が降り続く天気。ダウンジャケットを着ての観戦。ビクトリーノ・マルティン牧場の牛(Procedencia actual=現在の起源<基の血統>、マルケス・デ・アルバセラーダ(コンデ・サンタ・コロマ)牧場)。闘牛士、ウセダ・レアル、ロペス・チャベス、セサル・ヒメネス。8割くらいの入り。ソルのテンディド7にて観戦する。

 ウセダ・レアルは、カポーテ技で沸かせた。当たり前のベロニカが良い。見習い闘牛士を観ているとこう言うことが出来ないのに難しい技をしたがる。昔のホセリートは、ベロニカとメディア・ベロニカしかしかかった。そうやって技を極めようとしていた。おそらくテンタデロでは色んなカポーテ技をやっていただろうけど・・・。目立つことだけに気が行っている最近の見習い闘牛士とは、こう言うところが違うのだ。落語の本道は古典落語。これが出来ないと客を掴めない。闘牛のカポーテ技の本道は、ベロニカとメディア・ベロニカ。これがちゃんと出来ないとダメなのだ!

 1頭目のムレタも良かった。ビクトリーノの牛だから多少ドタバタしていた部分はあったが、手の低い長いパセを繋いだ。パセ・デ・ペチョで返りが早い。パセの途中で牛が止まっても、そのままムレタを振ってパセして観客を沸かせた。ここでアグアンタール出来るかどうかが闘牛士の善し悪しに繋がる部分だ。後半は牛がバテててパセが短くなった。剣刺しも良かった。だから挨拶をした。不満があるとすれば、若かったときはビクトリーノ・マルティンの牛でプエルタ・グランデをした。その頃の自信と牛の扱い方に比べれば・・・。

 ロペス・チャベスは、流石にコリーダ・ドゥーラだ。ビクトリーノ・マルティンの牛に対しても肝が座っている。今日1番良かった。ベロニカはカポーテが開き気味。でもしょうがない。コリーダ・ドゥーラの闘牛士なのだから。2頭目の牛はパセの後、よく膝を着いた。手の低い長いパセが繋がってオーレが出ていると膝を着いた。剣は、良いところに入って牛が倒れた。挨拶。

 5頭目の牛でも良かった。ベロニカの時に右角が短いのが判った。だからファエナは、ナトゥラルから始めていた。角の見方もちゃんと解っている。ここは重要である。しかし、ムレタでは左角が短かった。直ぐに修正して、デレチャッソを繋いだ。左角のパセ・デ・ペチョは返りが早く危なかった。ファエナの後半はデレチャッソもナトゥラルも1回1回クルサードしないとパセが繋がらなかった。牛の動きが悪くなっていた。それでも牛の扱い方、闘牛のやり方が1番良かった。これは評価すべき事だ。

 セサル・ヒメネスは、何もしなかった。カポーテもまともに足を止めたベロニカはやらなかった。ムレタでは、ブスカンドしていないのに、ビクついていた。余計危ないのに・・・。一連のパセの後レマテのパセ・デ・ペチョの時に腰が引けていた。それでも、パセ・デ・ペチョの後、牛の前に立って見栄を切るもんだから余計に見栄えが悪い。だから、口笛を吹かれる。彼の体も頭も、ビクトリーノ・マルティンの牛を実態のないイメージで捉えて闘牛をしているようで、闘牛にはとてもならない。

 セサル・ヒメネスは去年ラス・ベンタス闘牛場で2回続けてプエルタ・グランデした。その後、スペインで1番トロ・ブラボのビクトリーノ・マルティンの牛に挑戦しようと考えたのだろう。おそらく、ホセリートの考えが強く反映されているのだと思う。が、この試みは失敗だと思う。彼には、ビクトリーノ・マルティンの牛を相手にするには無理がある。

 フィグラは、こういうコリーダ・ドゥーラの牛を相手にしない物だ。今まで闘牛の歴史でコリーダ・ドゥーラでフィグラになったのはルイス・ミゲルくらいだろう。そういうことを考えると、エル・シドというのは凄い物だ!フィグラが相手にする牧場でも出来るし、ビクトリーノ・マルティンの牛でもプエルタ・グランデをする。こんな闘牛士は今までいなかっただろう。セサル・ヒメネスには無理だ。彼は、ちゃんと自分のやるべき牧場の牛で足場を固めるべきだと思う。ハッキリ言って失望した。こんな闘牛をやっていたらダメになると思う。

 ビクトリーノ・マルティン牧場の牛は難しい。ウセダ・レアルは良くやった方だ。ロペス・チャベスは良かった。彼は貴重な闘牛士だ。ラス・ベンタスでは、最近良いところを見せている。こう言う闘牛をしていれば耳を切れるだろう。セサル・ヒメネスは、ビクトリーノ・マルティンの牛でやるべきではないと思う。これは間違いだ。彼の才能の浪費だと思う。


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