出来ない闘牛士たち。ロペス・チャベスは、耳が切れる牛で切れない。

2007年6月1日マドリード、ラス・ベンタス(第1級)闘牛場のサン・イシドロ22日目(今年37回目)結果。

19時開始、21時06分頃終了。

プレシデンテ、トゥリニダ・ロペス・パストル。ノー・アイ・ビジェテ。満員。

アドルフォ・マルティン牧場の牛

   全体的に、野性味が足りなかったが、そんなに悪くなかった。
   1頭目、2頭目、。3頭目、良い牛。
   4頭目、コンプリカド、ペリグロ。5頭目、。6頭目、パセの短い牛。


闘牛士

エル・フンディ 沈黙、挨拶と抗議。

ルイス・ミゲル・エンカボ 沈黙、口笛。

ロペス・チャベス 沈黙アビソ1回、沈黙。

 晴。風が吹く。日が陰ると寒い。アドルフォ・マルティン牧場の牛(Procedencia actual=現在の起源<基の血統>、マルケス・デ・アルバセラーダ牧場(コンデ・デ・サンタ・コロマ牧場))。闘牛士、エル・フンディ、ルイス・ミゲル・エンカボ、ロペス・チャベス。ノー・アイ・ビジェテで満員。ソルのテンディド6にて観戦する。

 エル・フンディは、もう何年も前から良い闘牛を観ていない。バンデリージャ打ちだって昔の方が良かったような気がする。初めの牛でエンカボと2人で打ったが、3回目のバンデリージャでは空振り。打ってもフンディもエンカボも全部トロ・パサード。4頭目のバンデリージャ打ちは観客が口笛を吹いて止めさせた。バンデリジェーロのエル・マドリレーニョの方が全然上手い。カポーテ捌きもムレタの時のことを全然考えていない。ムレタはドタバタ闘牛。クルサードしないしパセの時に腰が揺れている。4頭目ので挨拶したのは、剣が良かったから。それも、コントラリアで入っていたが・・・。最後の牛のキーテは、物凄く体の近くを通すチクエリナを3回やった。そんなこと出来るなら始めからやっていればいいのに・・・。

 ルイス・ミゲル・エンカボも、何もやらなかった。バンデリージャ打ちはトロ・パサードなのにやっている。5頭目の牛で2回続けてポル・デントロでバンデリージャ打ちした勇気は認めるけど・・・。ムレタはビビリで腰が逃げている。そしてドタバタ闘牛。口笛吹かれて当然の内容。

 ロペス・チャベスは、3頭目の牛で耳が切れる牛が出て来たが、ちゃんとトレアールできなかった。ファエナは、膝を折ったデレチャッソで牛を左右にパセしてアレナ中央へ。それからクルサードしてデレチャッソを5回リガールしてパセ・デ・ペチョで拍手がなる。離れクルサードしてデレチャッソを6回リガールすると、「オーレ」が鳴りパセ・デ・ペチョで喝采がなった。が、パセは外から外へしている。牛と体の間に牛が1頭入るほど離れている。パセがピッコだからだ。ナトゥラルはエンガンチャされるし短かった。だからデレチャッソに変えて3回リガールしたら牛が止まり、クルサードしてパセ3回繋ぎパセ・デ・ペチョ。拍手がなったが、パセ・デ・ペチョは脇が大きく開いていたので口笛が吹かれた。

 つまりこういうパセをしているので折角良い牛が出て来ても耳が切れるファエナにならないのだ。おまけに剣刺しはピンチャッソが続きメディアで決まりデスカベジョ4回。ガッカリする内容だった。2頭目の牛の剣刺しは凄いバホナッソで剣を抜いてまた刺そうとしたが牛が肺を刺されたので座ってしまった。みっともない!

 今日のアドルフォ・マルティン牧場の牛は、野性味が感じられなかった。4頭目の牛も普通に良い牛だった。他の牛もムレタを出すと動く牛が多かった。途中でブスカンドするような牛は4頭目の牛くらいだったと思う。パセ・デ・ペチョの後、返りが早い牛は、4頭目と6頭目の牛だけだったと記憶する。98年で初登場した時の驚きはもう過去の物になってしまった。あの時のようなワクワクするような牛がまた出てくることを願っているのだが・・・。これだと、明日のビクトリーノ・マルティンもこんな牛かもなぁ。


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