ぺぺ・モラル観客のカリーニョ光線を浴びてプエルタ・グランデ！

　曇時々晴で暑い。日陰になると風が吹いているので肌寒くなる。グアダイラ牧場の牛（Procedencia actual＝現在の起源＜基の血統＞、ハンディージャ牧場）。闘牛士、エル・フンディ、ホセ・イグナシオ・ラモス、フェルナンド・ロブレニョ。満員に近い入り。ソルのテンディド６にて観戦する。

　エミリオ・デ・フストは、４頭目でこの日１番難しい牛を引き当てた。パセの時、牛は真っ直ぐ通るので危ない牛だった。それと、パセの時に頭がアレナに平行に向かうのではなく傾げるようにしているので何処に来るか判らない状態だった。そういう牛を相手に良くやった。しかし、始めの牛では良くなかった。決して悪い牛ではなかったのに・・・。能力というか技術不足を感じた。

　ペレス・モタは、２頭目の牛で良い闘牛をした。彼の闘牛はこの日の３人の中で１番意図が判る闘牛をしていた。それだけにもう少し丁寧に牛を扱っていれば確実に耳１枚が切れていただろう。それでも、観客は耳要求をしたが、叶わなかった。この闘牛には不満があったので耳じゃない方が良いと思った。それでも、見習い闘牛士なので耳でも構わなかった。カポーテ捌きなどは良い物を持っているし、ムレタも丁寧に牛を扱っていればまた違ってくるだろう。そういうのは、剣を代えてからのベルナディーナの時に、牛の動きを確認せずにパセを繋ぐ危うさに感じる。タラバンテや、ミゲル・アンヘル・ペレラが見習い闘牛士でラス・ベンタス闘牛場の観客を沸かせたときはそういうことがちゃんと出来ていた。落ち着きのなさも感じた。５頭目はつまらなかったが、見ている方の集中力も切れた。殆ど印象に残っていない。

　ぺぺ・モラルは、観客のカリーニョ光線を浴びながらプエルタ・グランデした。３頭目の牛は、良い牛だった。彼にもう少し技術があれば耳２枚を切れていただろう。そこまでの物は持っていなかった。クルサードは足りないし立ち位置も微妙だ。それでも、ポルタガジョーラから始めた勇気と、ベロニカ、チクエリナで観客を沸かせた。ファエナは、アレナ中央に立ち、デレチャッソで背中を通すパセから初めた。セバスティアン・カステージャの良くやるファエナの始め方だった。それからデレチャッソの手に低い長いパセをして「オーレ」が続いた。左角が短くナトゥラルは良くなかったが、右角が良かったので良いデレチャッソが繋がった。セビージャやアンダルシアの闘牛士がやるパセを繋ぐスタイルだ。剣刺しはスエルテ・ナトゥラルでレシビエンド風刺し方でバホナッソかカイーダだった。デスカベジョも２回だったが耳１枚が出た。

　最後の牛も良かった。この牛は、デレチャッソをすると角をアレナに突いたり、膝をよく着いたが、ナトゥラルだと手の低い長いパセが繋がった。それを一連のパセで６回繋いでパセ・デ・ペチョが２回続いた。それだけ良い牛なのだが、アンダルシア風のパセを繋ぐ闘牛を続けた。デレチャッソから手を替えてナトゥラル３回で牛が止まり、クルサードしてナトゥラル２回でパセ・デ・ペチョ２回でオーレから喝采に変わった。ナトゥラル４回パセ・デ・ペチョ、引くようなナトゥラルで拍手。剣を代えてナトゥラル４回でパセ・デ・ペチョで牛の前に立って拍手がなった。剣は、スエルテ・コントラリアでピンチャッソ。もう１度行って今度はコントラリアで刺さり耳１枚が出てプエルタ・グランデになった。ピンチャッソ１回だから甘いが見習い闘牛士だから良いだろう。

　直ぐにプエルタ・グランデに行った。嬉しそうに肩車されてプエルタ・グランデから出て来た若者を観て素直に嬉しかった。彼の将来が明るい物であることを望んだ。

　ぺぺ・モラルはインタビューに応えて、no tengo palabras, siento una sensacion dificil de explicar. 言葉を持たない。その意味は、この衝撃を説明するのが難しいから。　とか、　''Estas sensaciones no se explican''この衝撃は説明できないですと、言ったそうだ。彼は、闘牛士としての「夢」であるラス・ベンタス闘牛場のプエルタ・グランデを開けることが出来た。これで、人生が変わるかも知れない。良い方に変わっていくことを祈りたい。

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