どうして耳1枚なのか判らないバルベルデ。フランス人闘牛士はカステージャだけじゃないとバウティスタが挨拶。

2007年5月12日マドリード、ラス・ベンタス(第1級)闘牛場のサン・イシドロ3日目(今年17回目)結果。

19時開始、21時10分頃終了。20時26分照明点灯。

プレシデンテ、トゥリニダ・ロペス・パストル。観客は目測で、満員に近い入り。

アラウス・デ・ロブレス牧場の牛

   全体的に、難しい牛が多かった。
   1頭目、左角が短い牛。2頭目、マンソ、コンプリカド。3頭目、インバリドに近い。
   4頭目は、インバリドに近くあまりパセが出来なかった。。5頭目、コンプリカド。6頭目は、左角が短く直ぐ膝を着いた。


闘牛士

ファン・バウティスタ 挨拶、沈黙。

ハビエル・バルベルデ 沈黙、耳1枚と抗議。

イバン・ガルシア 沈黙、沈黙アビソ1回。

 曇時々晴で暑い。日陰になると風が吹いているので肌寒くなる。アラウス・デ・ロブレス牧場の牛(Procedencia actual=現在の起源<基の血統>、ルイス・ガメロ・シビコ牧場)。闘牛士、ファン・バウティスタ、ハビエル・バルベルデ、イバン・ガルシア。満員に近い入り。ソルのテンディド6にて観戦する。

 ファン・バウティスタは、久しぶりのサン・イシドロである。初めの牛で僕は、半端な考えで闘牛士に復帰したのではないことを感じた。闘牛の本道である正統派闘牛士だ。地味だが良い技術を持っている。それが角の善し悪しを見極める目を持っているし、牛も扱えるし、ムレタ捌きにも出ている。初めの牛は左角が短かった。だから、デレチャッソから始めた。カポーテでも良いベロニカを繋いで観客を沸かせた。丁寧なデレチャッソを繋いで観客を盛り上げた。そんなに、「オーレ」がなったわけではない。何故なら牛が難しかったからだ。それでも良い仕事をした。やはり左角が短いのでナトゥラルは良いパセを引き出せなかった。デレチャッソでもう少し観客を沸かせていれば耳が切れていただろう。

 彼はニメーニョUを知らない世代だ。数年前に、サン・イシドロのカルテルに入っていたのに、引退宣言をして1年半闘牛から離れていた。99年のサン・イシドロ最優秀見習い闘牛士。あの日のプエルタ・グランデが忘れられない。セバスティアン・カステージャの先輩格に当たる。今やセバスティアン・カステージャの方が先頭を入っている状態だ。それでも、彼にも意地があるだろう。そして、その意地を今日は見せて貰った。今後に希望が見えたファエナだった。

 ハビエル・バルベルデは、久々に耳を切った。見習い闘牛士でプエルタ・グランデして以来だろう。非道い牛で良くパセを繋いだ。良いパセなんて殆どない。でも、ファエナの始めが15mくらいの所から牛を呼んで始めたのが良かった。手の低い長いパセが3回繋がりパセ・デ・ペチョで牛が膝を着いた。この牛はパセの後、良く膝を着いた。デレチャッソはタンダ・デ・ムレタッソを2回(レマテまでの一連のパセ)。段々パセが短くなってきた。ナトゥラルのタンダ・デ・ムレタッソを3回。エンガンチャ(ムレタを角ではらわれる)が何回かあり牛がパセの時に飛び跳ねるようになっていった。

 ファエナ後半は、パセ・デ・ペチョの後、動かなくなった牛の前で立って見栄を切った。牛の直ぐ前だった。凄いけど感動しない。昨日のガジョもそうだけど、サラマンカの闘牛士はこう言うのが好きなの?剣を代え、マノレティーナ3回でパセ・デ・ペチョで拍手。スエルテ・コントラリアで良いところに入り牛が倒れた。剣刺しの時、右足をプンタッソされたのか痛がっていた。剣が良かったから場内1周くらいあるかなと思っていたら、白いハンカチが少しだったのが、段々増えて口笛が鳴り出した。牛を曳くラバが3頭が倒れた牛の位置が悪く人が動かすのに時間がかかり口笛がさらに吹かれて、何と、プレシデンテが耳1枚を出すことを許可したのだ。これにはビックした。当然、テンディド7を中心に抗議の手拍子が鳴り響いた。耳を持って場内1周の時も、人差し指を立てて横に振って、「ノー」と抗議した。

 イバン・ガルシアは、もうバンデリージャを打たなくなったのだろうか?今日は2頭ともバンデリジェーロが打った。最後の牛の時に、観客がバンデリージャを打つように催促していたが打たなかった。今日はベロニカで観客を沸かせたが、ムレタでは良いところがなかった。

 プレシデンテのトゥリニダ・ロペス・パストルは、何を考えているんだろう?あれを耳にしたんじゃ、おかしいだろう。それにしても、これで耳を要求する観客もどうかしている。これは耳じゃないと言う観客の方が正しい!ともあれ、今日は元気なファン・バウティスタを観れたことが嬉しい!カステージャをライバルと思ってやっていって欲しい物だ。今じゃ大分差が付いたけど・・・。


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