グアルディオラ・ファントニ牧場の非道い牛をどうにかするのは不可能に近い!

2006年5月21日マドリード、ラス・ベンタス(第1級)闘牛場のサン・イシドロ12日目(27回目)開催の結果。

19時開始、21時10分頃終了。

プレシデンテ、フリオ・マルティネス・モレノ。闘牛士が代わったため、切符の払い戻しがあった。
それでもノー・アイ・ビジェテになった模様。観客は大体満員。

牧場

グアルディオラ・ファントニ
   全体として闘牛に使う牛としては、不的確。闘牛士は困難を乗り越えて闘牛をするのは非常に難しい。
   1頭目は、ソソでムレタでコントロールできない。2頭目だけ良い牛だった。3頭目は闘牛が出来ない。
   4頭目は、マンソで力強さがない。5頭目はインバリド。6頭目は牛の特性に欠ける。



闘牛士

イバン・ビセンテ 挨拶とそれに対する抗議の口笛、沈黙(アビソ)。

ハビエル・バルベルデ 挨拶とそれに対する抗議の口笛(アビソ)、沈黙。

ペピン・リリアに代わり、フェルナンド・クルス 沈黙、沈黙。

 追記:4頭目の牛のバンデリージャでイバン・ビセンテのバンデリジェーロのルイス・カルロス・アランダが喝采を
 受け挨拶をした。

 晴れ。強い風が吹いて日が暮れると寒い。グアルディオラ・ファントニ牧場の牛(Procedencia actual=現在の起源<基の血統>、ビジャマルタ牧場)。闘牛士、イバン・ビセンテ、ハビエル・バルベルデ、フェルナンド・クルス。大体満員の入り。ソルのテンディド5にて観戦する。

 イバン・ビセンテは、牛が悪かったがもうちょっと何とかして欲しかった。彼がラス・ベンタス闘牛場で耳を切るところを観たことがあるはずだけど、もっと良かった。特徴がない闘牛士だが、今日は殆ど何も感じなかった。

 ハビエル・バルベルデは、上手くすれば初めの牛で耳が切れた。今日1番良い牛だった。ラルガ・カンビアールから良いキーテもして見せ場を作った。カポーテでは右角が短いと思ったが、ムレタではそうでもなかった。むしろ右角の方が良かった。手を低くすると牛にムレタを踏まれタキージャドールが折れた。膝も着いたし決してやりやすい牛ではなかった。ブスカンドもした。でも、何かが足りない。剣は初めはピンチャッソ。牛をちゃんと置かないからだ。次がちゃんと置けたら良い剣が決まった。初めからそういう風に刺していれば良かったのに・・・。

 フェルナンド・クルスは、カサ・デ・チョペラから多くのコントラート(出場依頼)が入って耳を切りに来たはずだが、牛が全くダメ。最後の牛で良いファエナをするのは殆ど不可能に近い。

 グアルディオラ・ファントニ牧場の牛は、闘牛に使う牛としては不的確と言われても仕方がないだろう。実際観ていて退屈きわまりない牛ばかりだ。この牧場で良い闘牛を観た記憶がない。こんな牛は、コリーダ・ドゥーラというには、余りにも非道すぎる。ビクトリーノ・マルティンやアドルフォ・マルティンの牛は非常にやりにくい牛だが野性的な牛で観ていて面白い。ミウラの牛も良いときは良い。でも、ここの牛は、野性的な感じに欠ける。観ていて退屈だ。出来るならサン・イシドロには出て欲しくない。ヌニェス・デル・クビジョと並んで嫌いな牧場だ。


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