パディージャ、シー!7、ノー!だが役者が違ったアントニオ・フェレーラ場内1周!

2006年6月1日マドリード、ラス・ベンタス(第1級)闘牛場のサン・イシドロ23日目(38回目)開催の結果。

19時開始、21時22分頃終了。

プレシデンテ、セサル・ゴメス・ロドリゲス。今年21回目のノー・アイ・ビジェテ。観客は満員。


アドルフォ・マルティン牧場
   全体的に、。
   1頭目、。2頭目、。3頭目は、。
   4頭目は、。5頭目、。6頭目は、物凄く大きく開いた角を持った牛。


闘牛士

ファン・ホセ・パディージャ 弱い拍手、拍手と口笛(フエルテ・ディビシオン)(アビソ)。

アントニオ・フェレーラ 沈黙、場内1周(アビソ)。

ロペス・チャベス 弱い耳要求で挨拶(アビソ)、挨拶(アビソ)。

 追記:

 晴れ。日が暮れると寒くなった。強い風が時々吹いていた。アドルフォ・マルティン牧場の牛(Procedencia actual=現在の起源<基の血統>、マルケス・デ・アルバセラーダ(コンデ・サンタ・コロマ)牧場)。闘牛士、ファン・ホセ・パディージャ、アントニオ・フェレーラ、ロペス・チャベス。満員の入り。ソルのテンディド5にて観戦する。テンディド10のバレラにエレナ王女が来て観戦したようだ。入場行進のあと、今日膵臓ガンで死んだロシオ・フラド(歌手であり、オルテガ・カノと共に牧場主)の為に1分間の黙祷が捧げられた。1頭目から3頭目の牛は、3人の闘牛士がそれぞれロシオ・フラドに捧げられた。

 ファン・ホセ・パディージャは、退場の時に、拍手と、口笛となり座布団を投げられた。何故そうなったのか。問題になったは2頭目の牛の時である。牛が何度か膝を着きテンディド7を中心に牛の交換をプレシデンテに要求した。しかし、プレシデンテは換えなかった。僕はそれは正しいと思った。何故ならこの牛の場合むしろやりやすくなったと思ったからだ。それでもプレシデンテに対する抗議を続けた。バンデリージャの場になって、パディージャが自分で打ち始めた。すると今度は、テンディド7は、牛が悪いのに、お前はそんなことをするのかと抗議した。パディージャそれでも自分の見せ場であるバンデリージャ打ちを最後までやった。あまり良い出来ではなかったが。

 牛はエレナ王女に捧げられた。ムレタを持って、パセを始めると今度は、揶揄するオーレを叫び始めた。パディージャのファエナは、良いモノではなかったが、決して悪いモノではなかった。彼は彼なりに真面目にやっていた。それを揶揄するというのは、どういう事なんだろう。テンディド8やソンブラの方から、テンディド7に対する抗議が出た。剣刺しが終わり、牛の退場に口笛が吹かれた。それから拍手もないのにパディージャがアレナに挨拶をしてそれからテンディド7へ向かってモンテラで投げキスをした。するとテンディド7は怒って口笛や罵声を飛ばした。チューロ・コールまで起きた。パディージャが一体何をしたというのだろう?彼は自分に与えたらだだ1回のサン・イシドロ出場機会に自分の闘牛を仕様としただけではないか。それと牛が悪いと抗議して、換えないと、今度は闘牛士に言い掛かりを付けて、闘牛の邪魔をする。まるで振られた女の前で悪口を言う男のようにみっともない!最低の行為だ!パディージャも決して品が良いとは言えないが、カジェホンの中に入ってからも、テンディド7に向かって投げキスをしていた。

 そんな中でアントニオ・フェレーラの2頭目が始まった。それでも未だ妨害でいるのだ。闘牛を観ようという気がないのだ、テンディド7は。非道いもんだ。パディージャがアレナに闘牛すると、口笛や罵声が飛ばされた。ピカが左前と右前に入って、バンデリージャの場になった。未だ騒いでる。初めのバンデリージャが打たれ、2回目はアレナ中央に立って牛に背を向けて立った。その時に闘牛場の殆どの観客の意志がハッキリする。静かにして闘牛を観ろ!大人げなく騒いでる7に対して静かにするように要求した。闘牛場が静かになった。パディージャと、フェレーラは役者が違う。フェレーラは自分の闘牛で観客を黙らせたのだ。牛がアレナ中央のフェレーラに向かって走り出した。後ろ向きのままフェイントで牛を交わして左に廻りながら角の間でバンデリージャを打つと歓声が上がった。素晴らしバンデリージャだった。

 3回目のバンデリージャはテンディド10と1の付近で行われた。牛がブルラデロ付近にいる。フェレーラは牛を誘う。牛が動かない。少し近づいてまた牛を誘う。腕を2回振ると牛は首を2回振った。少し未だ騒いでいたテンディド7に対して観客は何度も静かにする様に要求していたがこの時点でほぼ完全に静かになって闘牛を見始めた。フェレーラがまた少し牛に近づいて腕を2回振った。牛も首をまた2回振った。もう限界に近いくらいの距離に来ている。そこに立っているフェレーラに対して拍手がなった。それから少し後ろに下がってから前に出て牛を誘った。牛は少し動いたが未だ向かっていかなかった。フェレーラは今度はもっと後ろに下がり前に向かいながら牛を誘った。すると牛はフェレーラに向かって走り出した。キエブロで牛を交わしてバンデリージャを打つと歓声が上がり打ち終わったあと、牛の頭に手を置いて牛を追わせて牛を止めた。観客は、総立ちになって喝采を送った。これに応えて挨拶をした。素晴らしいバンデリージャ打ちだった。

 牛はエレナ王女に捧げられた。

 ロペス・チャベス

 


http://www2u.biglobe.ne.jp/~tougyuu/以下のHPの著作権は、斎藤祐司のものです。勝手に転載、または使用することを禁止する。


ホームに戻る  2006年闘牛観戦記